Memorandum: My Strategies for Avoiding Mental Burnout at Work

@ysk_motoyama
TIẾNG NHẬT21 giờ trước · 26 thg 7, 2026
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TL;DR

A former consultant shares a framework for avoiding mental burnout by analyzing the phases of stress and implementing systems for job autonomy, emotional boundaries, and physical recovery.

10年くらい前の話ですが、日曜の夕方、妻と行ったよみうりランドで、綺麗にライトアップされたイルミネーションを見ながら、僕は泣いていました。翌日の仕事が嫌すぎて。目の前にイルミネーションがあるのに、頭の中は月曜のことだけを考えていて、気づいたら涙が流れてきた…的なことないですかね。

不思議だったので当時から色々と調べたり人に聞いたり試したりしてきまして。今のところ、人が仕事で病むプロセスには大きく3つのフェーズがあると整理しています。①鬱々とした感情が生まれるフェーズ(0→1)、②生まれた鬱々が増幅していくフェーズ(1→100)、③増えた鬱々を回復しきれないフェーズ。

このメカニズムを自分なりに整理できてからは、「あ、これ心身こわれるやも?」と事前に察知できるようになりまして、特にこの5年は病欠ゼロ、メンタルもフィジカルもすこぶる元気です。

ちなみに僕は専門家でも何でもないので、あくまで「僕はこう考えて、こう試してみましたよ」とn=1の話を備忘録的に書いているだけですので、その前提で見てもらえると嬉しいです。

フェーズ1:鬱々とした感情が生まれる(0→1)

  • 仕事のしんどさは「要求水準」と「裁量」の2軸で決まります。Karasekという学者が1979年に発表した「仕事の要求度:コントロールモデル」で、ほぼ説明がなされていました。要求水準は仕事の質・量・難易度、裁量は自分でコントロールできる範囲の広さのことです。
  • このモデルが言っているのは、人がいちばん病むのは「要求水準が高くて、裁量がない」の組み合わせだということです。裏付けはかなり強固で、ヨーロッパの労働者14万人以上のデータを統合したメタ分析では、要求が高く裁量が低い状態にある人は、そうでない人に比べて臨床的なうつ病を発症するリスクが1.27〜1.77倍だったと報告されています。
もとやま on X — cover

GPTImage2に作ってもらった、それっぽい図

  • 面白かったのは、要求水準が高いこと自体は、必ずしも病む原因になっていない点です。要求が高くても裁量があれば「アクティブな仕事」に分類されて、むしろ学習や成長につながるとされていました。
  • 確かに、3ヵ月ずっとタクシー帰りが続いても特にメンタルがしんどく感じないプロジェクトがありましたが、あれは「要求水準は高かったけど、裁量はそれなりに与えられていたプロジェクト」だったので、乗り越えられたんだなと。だからといって、もう二度とやりたくないですし、他人にも1mmもオススメしようとは思いませんが。
  • ちなみに最近は、このモデルを発展させたJD-R理論(仕事の要求度:資源モデル)が主流になっていて、裁量に加えて、上司や同僚のサポートといった「自分を助けてくれるリソース全般」が、鬱々感を防ぐ要因として整理されています。

フェーズ2:生まれた鬱々が増幅していく(1→100)

0→1で生まれた鬱々とした感情は、放っておくと勝手に増えていきます。

僕の場合、自責する必要のないことまで「自分のせいだ」と感じていたことが大きな要因だったように思います。

  • 例えばむかし調査系のプロジェクトをやっているときに、面識のない企業に片っ端から電話をかけてインタビューをお願いするコールドコールをやる時期がありました。「そんな暇ねえんだよ」「二度とかけてくんな」と怒鳴られることもあります。当時の僕は「相手が電話口で怒鳴ってるのも、全部自分のせいだ」と本気で思っていて、電話を切ったあとも「かけるタイミングが悪かったんじゃないか」「挨拶の声のトーンが良くなかったんじゃないか」と延々と考えてしまうわけです。
  • 冷静に考えると、電話のかけ方はコントロールできても、相手が怒るかどうかは相手の感情の問題なので、コントロール不能なんですよね。この「コントロールできるもの・できないもの」の切り分けができないと、できないものの分まで全部自分で背負うことになるので、鬱々感は際限なく増えます。
  • 一時期マジで「急に天気が悪くなったのも、自分の行いが悪いせいだ」と思ってましたからね。

フェーズ3:鬱々した感情が回復しきれない

  • 鬱々感が生まれること自体は、働いていれば大なり小なりあります。問題は、それを定期的にゼロリセットできているかどうかです。僕はこれが全然できていませんでした。
  • 象徴的なのが、金曜夜の業務依頼です。金曜の夕方に上司から「これ、月曜までに用意しといて」が普通に飛んでくる環境で、土日に対応するのが当たり前になっていた時期が1年くらいありました。まずいのは、その働き方が当たり前として体に染み込んじゃいまして。翌年は夜8時とか9時には帰れる比較的まともな案件だったのに、土日になると「あれやっとかないとまずいよな」「来週火曜のあの会議、どうやり過ごそう」とかを、ずっと考えていました。
  • Sonnentagという研究者を中心に積み上げられてきた分野で、勤務時間外に仕事から心理的に離れられているかどうかが、回復の鍵を握るとされています。91の研究サンプル・38124人分を統合したメタ分析では、仕事から心理的に離れられている人ほど疲労が少なく、ウェルビーイングが高いという結果が出ています。
  • よみうりランドにいた僕の体は物理的には完全にオフでしたが、頭は全くオフになっていなかった。平日にため込んだ鬱々感を回復できないまま、また月曜を迎えるループにハマっていたわけです。

ここまで、僕が仕事で鬱々した感情を貯め込んでしまったのはなぜなのか?の話を書いてみました。

ここからは、この反省を踏まえて、具体的に何をやってみたのかを綴っておきます。

対策①:裁量権を何が何でも手に入れる

  • フェーズ1の病みは「高い要求×裁量なし」から生まれるので、潰し方は2つです。要求水準を下げるか、裁量を手に入れるか。要求水準を下げる方は、ラクな仕事に逃げると自分の成長が止まるので、僕の中ではほぼ選択肢にありません。消去法で、裁量を手に入れるしかない。
  • 僕の結論は、裁量とは「その仕事に対する相対的な勝率」だということです。他の人がやるより、こいつがやった方が勝率が高い。そう思われている領域では、人は細かく口を出してこなくなります。最近の僕でいうと、組織の中で暗黙知になっているものを言語化して、生成AIがわかる言葉に変換する作業がめちゃくちゃ得意なので、そこを自分の主戦場にしています。
  • 勝率が高い領域を持つと、仮に失敗しても「あの人があれだけやってダメだったなら、もうしょうがない」と思ってもらえます。この「あいつでダメならしょうがない」ラインまで到達すると、裁量は驚くほど得やすくなります。
  • ただし大前提がひとつ。「これぐらいでいいか」という妥協で成果物を出している人はクソだと思います。そうではなく「ここまでやって怒られたら、もうそれはしょうがない」と自分で心の底から納得できる基準まで、毎回やりきる。これを積み重ねた先にしか、勝率の高い領域は作れません。やっつけ仕事の人に裁量が回ってこないのは、まあ、当然の話です。

対策②:コントロールできるものだけを見て、成果物と人格を切り離す

鬱々とした感情が増幅するのを防ぐためにやっていることは2つ。

  • 1つ目は、「自責の念」なるものを、己でコントロールできるものにだけ向けることです。メールの件名は変えられる。開封するかどうかは相手の領域。相手の感情なんてコントロール不可能なので、考えたって時間の無駄です。反省はコントロールできる側にだけ意味があって、できない側への反省は、ただの自傷になります。
  • 2つ目は、成果物と自分の人格を切り離すことです。自分のアウトプットが罵られても、自分の存在が否定されたことにはなりません。僕はいま、自分のアウトプットに1ミリも思い入れがなく、辛辣なフィードバックが来ても痛くも痒くもない(「なんだこいつ」と思うことは普通にあります。あります、が、傷つきはしない)。もらったフィードバックを淡々と直せばいいだけなので。
  • こうなれた理由のひとつは、仕事のアウトプットは「実験」だと思うようにしたことです。実験なので、世に出せば、良かった点と悪かった点が実験結果として返ってくるだけ。結果を見て、考察して、次の行動を変えるだけ。小学校の自由研究と全く同じ構造ですよね。自由研究の結果に人格を絡めて泣く小学生、いないじゃないですか。
  • とはいえ、この切り離しには訓練が必要で、慣れるまでの補助輪としておすすめなのが、平野啓一郎さんが『私とは何か——「個人」から「分人」へ』で提唱している「分人主義」です。自分を100%としたとき、職場で過ごす自分が30%、そのうち上司のAさんと接している自分が3分の1なら、Aさん向けの自分は全体の10%。仮にAさんにボコボコのフィードバックをもらって、人格ごと否定されたように感じても、傷ついているのは自分の10%にすぎず、残りの90%は無傷です。
もとやま - inline image
  • 真顔でパーセントの計算をしていると若干怪しい人みたいですが、鬱々感で頭がいっぱいになっている時期には、この算数がかなり助けになります。少なくとも「自分の全部が否定された」という感覚は、計算上ありえないので。

対策③:回復を仕組みにする(うつうつをゼロに戻すために)

  • その1、休みの日はSlackとメールを一切見ない。通知も完全に切る。仕事と距離を置くのが苦手な自覚がある人は、土日だけスマホからアプリを消すくらい極端にやっていいと思います。休みの日に返信がないことに怒ってくる人がいたら、それは相手の問題です。頭と心を仕事から引き剥がすいちばん簡単な方法は、仕事が目に入る経路を物理的に塞ぐことです。
  • その2、鬱々してきたなと思ったら、気持ちを全部書き出す。「いまこれが辛い」「あの件でずっと悩んでいる」を、うまくまとめようとせず、手でダラダラ書き出す。書くのが面倒なら、AI相手に10分くらい音声入力で喋るのでもいいです。頭の中にあるうちは無限に反芻される感情も、文字にして目の前に置くと、客体化された観察対象に変わります。
  • その3、ひたすら走る。僕は毎朝5時に起きて、福岡の大濠公園の周りを7〜8キロ走っています。走っている間は職場の悩みを考える余裕が物理的にないので、脳が強制的に空になるし、疲れて夜ぐっすり眠れるようになりました

人によって気分転換の仕方や感情のコントロール法は様々ですが、1つでも何か足しになれば、と思い、備忘録的に綴ってみました。

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もとやまの「シゴデキ部屋」

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