再現不可能性を再現する方法:キャリア戦略メモ

@ysk_motoyama
日本語2026年9月14日
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TL;DR

著者は、高頻度な行動を実践し、表層的な戦術ではなく根本的な構造を理解し、長期的な一貫性に投資することで、模倣が難しいキャリアを意図的に構築する方法について解説しています。

  • 僕は半分会社員で、半分は自分の会社をやっています。稼働は週3〜4日ほどで、7割は心からやりたい仕事。プライベートでも買い物やアクティビティを我慢する必要が一切ない(物欲も大した趣味もないから、ってだけですが)。そんな生活をさせてもらっています。
  • この働き方が珍しいようで、noteを読んでくださる方から定期的にいただくのが「この働き方、再現性ないですよね」「真似できないので、もっと誰でも真似できる方法を教えてくださいよ」という声です。
  • 正直いって、再現性はないです。なぜならば「再現性がない状態」を意図的に時間をかけて作ってきたからです。
  • もし僕の働き方が「1年で誰でも実現できるキャリア術!」みたいに再現性があるものだとすると、同じような人が市場にたくさん増えて、そのぶん希少価値が損なわれます。
  • 『実践 顧客起点マーケティング』の西口さんの言葉を借りると、自分という商品を市場で高く評価してもらうためには「独自性×便益」を最大化せねばなりません。便益は「便利になる」「楽しい」など具体的な利益をもたらすもの(選ぶ理由)、独自性は唯一無二であること(他を選ばない理由)です。
  • レアだからこそ、多少のわがままが通るし、優遇もしてもらえる。好き勝手に働ける幅も広がる。しかも模倣困難なほど、そして助けられる人が多いほど重宝されます。その相手がお金を出してくれる人や意思決定権を持つ人なら、なおさらです。
  • ・・・なのですが、ここで話を終わらせると「希少性って大事だよね」という、どこかで100回くらい聞いたような結論になってしまいます。今回書きたいのはその先です。「再現性がない状態」をどうすれば再現性を持って作ることができるのか?
  • 再現性がないものを、再現性高く作る。何とも自己矛盾甚だしいというか、胡散臭い情報商材のような出だしですが、ここが一番大事だと思っています。綺麗で具体的なハウツーなんて存在しないのですが「独自のポジションを、ある程度は狙って作り続けられるようになる考え方」はあると考えています。

先に、身も蓋もない話をしておきます

  • 「運が良かっただけでしょ」と言われたら、はい、運です。ぜんぶ運。
  • たまたまいい上司に当たった。たまたまいいプロジェクトを担当できた。たまたまSNSやらブログがバズった。たまたま書籍化の話をいただいた。たまたま飲みに行ったときに出くわした経営者と気が合って、たまたま仕事をもらえた。たまたまその経営者に満足してもらえて、たまたまリピートで案件をいただけた。全てたまたまです。ぜんぶ月島さんがいたからかもしれない。
  • ガチャが当たっただけ。そこは否定しません。ただ、ガチャを狙って当てることはできなくても「当たりが出やすい状態」なら作れると考えています。その状態を作るために僕がやっていることが、大きく3つあります。

①サイコロをバカみたいに振りまくる

  • 1つ目は、とにかく数を打つこと。サイコロを、振って、振って、振りまくる。ポイントは、当たりを引く確率そのものはあまりコントロールしようとしないほうがいい、ということです。無理に当てにいくと、たいてい逆効果なんですよね。
  • たとえば経営者の方と飲みに行ったとき。「案件をもらわなきゃ」と思って営業っぽい話を始めると「うわ、こいつ急に営業の顔してきたな」とドン引きされて、むしろ嫌われます。狙えば狙うほど、豪快に外れます。
  • なので僕は1回1回のサイコロの出目は特に気にしていません。代わりに、サイコロを振る回数を他人よりも大幅に増やしています。人が10回振っているところを、自分は100回振る。そりゃ、当たりを引く回数も増えます。
  • しょうもない例から書くと、新卒で入ったコンサル会社の研修では、とにかく手を挙げて発言しまくりました。発言のうち9割くらいはしょうもないことを言ってます。でも10回に1回くらいは「こいつ、たまにいいこと言うな」と思ってもらえたやもしれません。打率でいうと1割です。
  • でも、その1割が当たった日に、たまたま研修に来ていた偉い人の目に留まることもあるわけです。そこから話が数珠つなぎ的につながって、完全に運が良かっただけですが、一度も案件を炎上させたことがない凄腕のプロジェクトマネージャーに「うちのプロジェクトにおいでよ」と誘ってもらう機会に恵まれました。
  • Twitterもそうです。今でこそ8万人以上フォロワーがいますが、始めたての頃は2年やり続けてフォロワー1000人くらい。1投稿あたり、いいね1つつくか、つかないか、そんなもんでした。
  • しかし、リングから退場しなければ負けたことにはならないわけで。とにかく投稿し続けて出目を出し続けていたら、だんだんアタリが出始めました。何度かアタリが出ると「アタリに共通することは何か」がわかるようになります。それを方法論化して続けたところ、一気にフォロワーなりインプレッションが伸びました。
  • もちろん、外したサイコロは当たったサイコロの何倍もあります。コンサル時代に昇進したてのプロジェクトで全くパフォームできずに心身をぶっ壊したり。3年以上ブログを書き続けても月5000円の収益しか得られなかったり。50回面接してようやく採用できた人に入社2ヵ月目で「辞めようか悩んでます」と言われたり。
  • そんな死屍累々のサイコロチャレンジの中から、コンサル時代にクソ優秀な上司に鍛えてもらう修業期間が得られて、その経験を書いたTwitterやnoteが跳ねて、そのnoteを偶然読んでくれた偉い人に偶然おもしろいプロジェクトにアサインしてもらえて、そのプロジェクトが運よく成功して、そこで得られたこともnoteやTwitterに書いていたら編集者から声がかかって出版に至って、本やnoteを読んでくれた人から仕事を発注してもらえて、だんだん「これ会社辞めても余裕で食っていけるじゃん」というレベルまで仕事が膨らんで、それでも「あえて会社員も続けたままのほうがユニークな存在になれるんじゃね」という思いつきで会社員は続け、「半分会社員と半分自営業で自由気ままに働く」をコンセプトに書いていたnoteがたまたま伸びて・・・と、6分の1の出目が6分の1くらいの確率でうまい具合に連鎖して、今の状態に至っています。
  • 傍から見ると「そりゃ再現性ねーよ。サイコロゲーじゃん」なわけですが、「サイコロを人よりもバカみたいに振っておくこと」自体は誰でも再現できると思っています。僕自身、これからもサイコロを振りまくって、より再現不能なサグラダファミリア的キャリアを増築していくつもりです。

②一発の施策じゃなくて、「構造」で捉える

  • 2つ目は、表面的なやり方を1個だけ真似しても意味がなくて、それが成り立っている「裏側の構造」ごと捉える、という話です。
  • 僕のnoteのメンバーシップが3000人くらいいるのは、文章がうまいからでも、AIを使いこなしているからでもなくて、構造を作ったからです。
  • その構造は・・・ 本を大量に読む。読んだことを仕事で試しまくる。すると「こんなプロジェクトでこう失敗した、こう成功した」という一次情報が溜まる。それを毎日3000字くらい言語化してnoteに書く。1記事をXの投稿5〜10本に切り分けてXで集客する。noteに登録してもらえる。この流れが全部つながって回っています。
もとやま on X — cover
  • だから、よくいただく「たくさん本を読んですごいですね」「言語化力がパないっす」というコメントは本当にありがたいのですが、この構造のほんの一部分でしかないんです。そこだけ真似しても、裏側にある読書量とか、会社員と経営者を両方やっている経験とか、ポジショニングとか、そっちが揃わない以上、同じものは作れません。
  • 施策は、点。構造は、点と点をつなぐ線。線を真似するのは難しいので「再現性がない状態」を作りやすくなります。
  • ただ裏を返すと、構造まで理解できると、他の人の行動を真似しやすくなるのも真です。昔からどうしても苦手でできなかった「早起き」も、構造を紐解いたらできるようになり、今では5時起きを3ヵ月継続できています。これも「構造化」のなせる業です。
もとやま - inline image

③時間を長くかける

  • 3つ目は、時間軸を長く取ること。長い時間をかけて育てたものほど、真似しづらくなります。
  • これは企業の戦略でも同じで、Amazonが何年も赤字覚悟で利益を再投資して、倉庫や配送網に延々と突っ込み続けた結果、「ネットで物を買うならAmazon」という、もう誰も真似できない状態を作った。あれも結局は時間がかかっているからなんですよね。
  • Amazonと比べると天と地どころか、天とミジンコくらいの差ではありますが、僕のnoteも理屈は同じです。本をたくさん読んで、仕事で試して、失敗しそうなプロジェクトにも手を挙げて、noteを250記事以上書いて、Xも3〜4年サボらず毎日投稿し続けて、ようやく今のフォロワー数です。
  • 今すぐ真似しようと思っても、できない。だって、時間そのものは巻き戻せないので。

非合理っぽいことを合理的にやる

  • 「そんな大事な手の内、書いちゃっていいの?」と思った方がいるかもしれません。いいんです。むしろ今後も隠すことなく、手の内を全部書いていきます。それでも、たぶん真似されないと思います。
  • なぜかというと、参入障壁が情報じゃなくて「行動の積み重ね」だからです。地味な行動を、何年続けられるか。差がつくのは、そこだと思います。
  • 僕が何度も読み返している楠木建さんの『ストーリーとしての競争戦略』に「クリティカル・コア」という概念が出てきます。戦略の中心にあって、いろんな要素とつながっているのに、単体で見ると一見、非合理に見えるもの。だからこそ、競合は見えていても真似しようとしない、というやつです。
  • 僕はこの「一見すると非合理だが、全体で見ると合理的」という概念をすごく大事にしています。 会社員と経営者の半身で働く→「いや、中途半端じゃん」。 年に300冊読む→「そこまでやる意味なくね?」。 毎日3000字書く→「暇人かよw」。 ひとつずつ取り出すと、全部「中途半端」「やりすぎ」「暇人」みたいな感想しか抱かない行動ばかりとっています。
  • だから、種明かししたところで、誰も真似したがらないはずです。それでいいと思っています。

ということで「マネするのがバカバカしい」と思える、そんな再現性の無さを作るヒントに少しでもなれば幸いです!と思いながら書いてみました。

こういった現場知をまとめたnoteが270記事以上、月額500円で読み放題のメンバーシップをやっています。 ワンコインで ・仕事で要領よく成果を出せるようになる ・出世するなり転職なり副業なり事業をおこすなり、好き勝手にキャリアを選択できるようになる ・生成AIを実務でちゃんと使う方法がわかる ・構造化や思考体力などの思考力をじんわり鍛えることができる そんな内容にこだわってこだわって書いています。 よろしければ、試しに覗いていってみてください。

もとやまの思考と試行の「シコウ部屋」

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