Re:Zero - Starting Life in Claude Code: 初心者向けガイド

@ClaudeCode_UT
日本語2 か月前 · 2026年5月10日
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TL;DR

本ガイドでは、ブラウザベースの AI から、Claude Code への移行方法を解説します。プログラミングスキルがなくても、リサーチやデータ分析、ファイル管理をコンピュータ上で自動化できる「フォルダ内 AI」の活用術を紹介します。

Claude Code 契約したのに、結局 ChatGPT と同じ使い方してませんか?

「有益そうな情報ブクマするけど結局埋もれて見失って忘れる...」

こんな体験してる方、絶対いますよね?

こんな方向けに今日はClaude Codeについてまとめます。

Claude Codeの研修や導入サポートをしていてこういった声を聞きます👇

  • Claude Code を契約してインストールしたのに、結局 ChatGPTみたいに会話中心になってた
  • Claude Code系の資料や動画を見てるがちゃんと吸収できてる感がない
  • 少し触ってAIを使ったこと自体に満足感を覚えて
  • 周りで AI を使いこなしている人の話を聞くが、自分は別の世界の話だと無意識にスルーしている

この記事を読み終わるころには、Claude Code が「ブラウザの中で動くチャット」ではなく「フォルダの中で動くアシスタント」に見えるようになります。

5 ステップの順序通りに進めれば、プログラミング知識ゼロでも、自分のリサーチ業務を最初の 1 セッションから引き受けてもらえる状態になります。

海外の博士号 (PhD) を持つ大学研究者が書いた Claude Code 入門記事が、いま大注目を集めています。

Claude Code 周辺ではトップクラスのリーチで、「Claude Code はエンジニアのもの」という前提を、博士号研究者本人が「コーディング知識ゼロでもアプリのように使える」と書いて崩した記事です。

読み始める前に 2 つだけ。

  1. ブックマークしてください。今週、まずは 30 分だけ Claude Code を 1 つのフォルダで動かす時間を確保するためです。読んだのと手を動かしたのでは天と地ほど差がつきます。
  2. Claude Code を一緒に契約しているチームメンバーがいるなら、共有しておいてください。来週の月曜の朝のリサーチが、目に見えて変わります

今回はその内容を、日本のビジネス読者の業務シーンに置き換えながら噛み砕いて解説します👇

元ポストはこちら:

https://x.com/MushtaqBilalPhD/status/2052338632426467550

東大ClaudeCode研究所 - inline image

ブラウザの中で動くチャットと フォルダの中で動くアシスタント

ここからが本題の起点です。最初に押さえるのは、Claude Code とこれまで触ってきた ChatGPT や Claude(Chat版) の違いです。

普段あなたが使っている ChatGPT や Claudeは、ブラウザのタブの中で動いています。

月曜の朝に競合の IR が 15 本溜まっていたら、PDF を 1 本ずつチャットウィンドウに貼り付けて、要約させて、コピーして、別の場所に貼り直す。1 時間が静かに溶けていきます。これは「ファイルを AI のところに持っていく」モデルです。AI はブラウザの中に居て、あなたが資料を運び入れている形です。

Claude Code はその逆です。

あなたのパソコンに 1 つアプリを入れて、自分の作業フォルダを開くだけ。AI のほうがフォルダの中に入ってきて、その中の PDF も Word も Excel も、全部直接読みに行ってくれます。

「AI を自分のフォルダの中に置く」モデルです。本記事ではこれを「フォルダ AI」と呼びます。

この 1 点の違いが、引き受けられる業務量と精度を桁違いに変えます。ブラウザの中で PDF を 1 本ずつ貼って、戻ってきた要約をコピペして、というあのループは、Claude Code に「このフォルダの全 PDF を読んで主張をまとめて」と 1 行頼むだけに置き換わります。

ブラウザ AI の「話して終わり」に対して、こちらは「実際にやって、ファイルとして残す」まで進みます。

以前『プロンプト税』として、毎回同じ前提を会話に打ち直すコストの話を扱いました。あれは会話レイヤーの話でした。

今回はその一段下、AI と自分のフォルダの位置関係そのものを見直す話です。会話レイヤーの効率化の前に、「そもそも AI の置き場所がブラウザのタブで合っているのか」という問いを置きます。

東大ClaudeCode研究所 - inline image

ChatGPT や Claudeのブラウザ版を毎日使っている読者にとって、Claude Code は別世界のツールに見えがちです。

本当は「AI の住所が違うだけ」で、コーディングの話ではありません。住所が変わると、引き受けられる仕事の範囲と精度が変わる。ここから先の 5 ステップは、その住所変更を順番に体験していく流れになります。

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アプリのように使えるツール コーディング知識ゼロで OK

ここからがステップ① です。

Claude Code が「何ができるツールなのか」を、最短で誤解解消します。

最初に伝えておきたいのは、「コード」という名前で身構える必要はない、という 1 点です。

これは元ポストの著者本人 Mushtaq Bilal 氏が、記事の冒頭ではっきり書いていることでもあります。著者は文学博士号を持つ大学研究者で、コーディング経験は基本的にありません。

それでもリサーチ業務に Claude Code を主力ツールとして組み込んでいて、数百万人の人が記事を読みました。

Claude Code を簡単に言うと、Zoom や Zotero、Notion、Slack のように、自分のパソコンに入れて使うアプリです。

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ブラウザのタブの中で動くのではなく、デスクトップに 1 個アイコンが増えて、自分のフォルダにアクセスして仕事をしてくれる。それだけです。

何ができるか、最短で挙げると 5 つです。

  • 自分のフォルダを開いて、その中の全ファイルを読みに行く
  • 既存のファイルを編集する
  • 新しいファイルを作って保存する
  • 複数のファイルを横断して情報を集める
  • 過去のセッションの内容を覚えていて、次回もそこから続けられる
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ChatGPT や Gemini のようなブラウザ AI は基本的に「話す」だけのツールです。あなたが質問して、AI が答える。

それで会話は終わります。Claude Code は「実際にやる」まで踏み込めます。フォルダの中の 30 本の資料を読み込んで、結果を Word ファイルに保存して、次セッションでも参照する、というところまで一気にやってくれます。

「コードを書ける人だけのツール」という誤解は、ここではっきり外しておきます。Claude Code への指示は自然言語で書きます。

日本語で「このフォルダの PDF を全部読んで、主張を 1 つの Word にまとめて」と打てば動きます。プログラミング言語を学ぶ必要は 1 ミリもありません。博士号研究者がコーディングなしで使い倒している事実が、誤解解消の最強の証明になります。

何ができるかが分かったら、次は実際に入れて開いてみる段階です。

入れて初めてのセッション 5 分で開ける状態にする

ここがステップ② です。インストールから初回セッションまで、つまづきポイントを潰しながら 5 分で動く状態にします。

順序はこうです。

  1. Claude のサブスクリプションを契約する。Pro plan は月3,000円〜、Max plan は月15,000円〜 / 月30,000円〜。最初は Pro で十分です
  2. ブラウザで claude.com/download にアクセスして、自分のパソコン (Windows / Mac) に合うバージョンをダウンロードする
  3. 通常のインストーラと同じ手順で進める。Mac はアプリケーションフォルダ、Windows はスタートメニューに Claude Code のアイコンが追加されます
  4. アプリを起動する。初回起動時にブラウザ経由でサインインを求められるので、Pro / Max を契約したときのアカウントでログインする
  5. 画面の左カラムにこれまでのセッション一覧、中央にチャットパネルが出ます。チャットパネルの上付近にある「Open Folder」を押して、作業したいフォルダを開く

仕上げに、最初の指示を 1 つだけ打ちます。元記事で著者本人が勧めている入り口の例文がそのまま使えます。

「このフォルダの全 PDF を読んで、主張を別ファイルにまとめて。」

これだけです。Claude Code はそのフォルダの中の PDF を全部読んで、主張を 1 つの新しいファイルにまとめて、フォルダの中に置いてくれます。

これがフォルダ AI の最初の動きです。1 行で動きます。

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小さなコツも 4 つだけ。

1 つ目、最初は「Claude 専用フォルダ」を 1 つ作ってその中だけで動かすのが安全です。デスクトップ全体を渡すと触らなくていいファイルまでアクセスされる可能性があります。

2 つ目、重要な操作 (編集 / 削除) のたびに「これをやっていいですか」と許可を求めてきます。最初はこの許可制を残しておくと安全です。

3 つ目、全セッションは左カラムに自動保存されます。「先週のあのやり取り」をあとから呼び戻せます。

4 つ目、Windows / Mac 両対応です。

合計 5 分弱で済みます。動くようになったら、次は Claude Code に「自分のことを覚えてもらう」段階に進みます。

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CLAUDE.md であなたの代理を作る

ここからがステップ③ です。Claude Code に毎回同じ前置きをするのが面倒、という痛みを解消する章です。

「自分の業界はこういうルールで」「自分はこういう書き方をする」「指摘はこういう観点でしてほしい」と、毎セッションの最初に説明し直しているとしたら、それは Claude Code 本来の使い方ではありません。1 度書いてフォルダの中に保存しておけば、次回から自動で読みに行きます。

その「1 度書いて置いておく場所」が CLAUDE.md という名前のテキストファイルです。大文字で CLAUDE.md と保存します。Claude Code はフォルダを開いた瞬間に、このファイルを起動時に読み込みます。

書く内容は 4 つだけです。

プログラミング言語ではありません。日本語の自然な文章で書きます。セクション名は英語の Role / Standards / Writing Style / Critique Style に対応していますが、本文中は日本語の見出しだけで動きます。

役割 (どんな立場で動いてほしいか)

  • 自分の職種と現在のプロジェクトを 2-3 行。「自分は経営企画、新規事業の市場リサーチを担当。Claude Code には市場調査担当のリサーチアシスタントとして動いてほしい」のように

基準 (自分の業界・分野のルール)

  • 守ってほしい体裁、引用ルール、社内の表記ルール。「数字は単位込み」「IR の引用はページ番号必須」のような、出力時に守ってほしい基準

文体 (自分の書き方)

  • フォーマルかカジュアルか、長文志向か短文志向か。「ですます調」「結論を最初に置く」「箇条書きを多用」のような書き方の好み

批評観点 (どう指摘してほしいか)

  • ドラフトをレビューさせるときに見てほしい観点。「論理の飛躍」「数字の根拠が薄い箇所」「読み手にとって冗長な箇所」のような観点
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書き方は 2 通りです。

1 つ目はメモ帳 (Windows) やテキストエディタ (Mac) で 4 つの見出しを書き、CLAUDE.md という名前で保存する方法。

2 つ目はもっと楽で、Claude Code を開いて「私の役割・基準・文体・批評観点はこうです、CLAUDE.md を作って」と頼む方法。follow-up の質問に答えていくと、Claude Code が自分で CLAUDE.md を生成して保存してくれます。最初は 2 つ目で十分です。

実際にビジネス読者の業務文脈で書くと、こんな形になります。事業開発職で競合動向や業界レポートを横断分析する人を例にした、コピペで使える CLAUDE.md のサンプルです。

これは事業開発職の例ですが、自分の職種と業務内容に置き換えれば、そのまま使えます。

営業企画なら「商談記録から失注パターンを抽出する」業務、マーケなら「広告データを横断して CPA 改善案を作る」業務、編集職なら「書き手の文体に合わせてリライトする」業務、というように具体の文脈で書き換えてください。最初から完璧に書く必要はなく、4 つの見出しがあって、それぞれに 2-3 行ずつ自分の言葉が書いてあれば、最初の CLAUDE.md として十分機能します。

書いた CLAUDE.md は完璧でなくて大丈夫です。プロジェクトが進んだら何度でも編集できますし、数週間に 1 度の更新が推奨されています。

古い情報を残したままにすると、出力もそのままズレていきます。機密情報や AI に学習させたくない内容は書かない、という線だけは守ってください。

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『設計レイヤー』として .claude フォルダを扱った話と同じ系譜です。あのときは方針側の話でしたが、今回はその中でも最小単位の CLAUDE.md 1 枚で同じ思想を実装しています。

1 枚のテキストファイルが、毎セッションの「あなたの代理」を担う土台になります。

ここでもう 1 つ、Claude Code には自動メモリという仕組みがあります。会話の中で学んだ短いメモを、自分で書いて保存する機能です。

あなたが管理する必要はありません。次セッションを開くと、Claude Code は CLAUDE.md と自動メモリの両方を読み込んで、前回の続きから動きます。「メモリの中身を教えて」と聞けば見せてくれますし、「最新情報で更新して」と頼めば書き換えてくれます。

時間が経つほど、Claude Code は自分専用に育っていきます。これがフォルダ AI が「自分の代理」に育つプロセスです。

最初は引き継ぎ書がスカスカでも、3 ヶ月使い続けたフォルダの中の Claude Code は、もう新人ではなく、自分のチームの一員のような働き方になっています。

自分の代理が動くようになったら、次は大量のファイルを処理させてみる段階に進みます。

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100 本の PDF を 15 分で横断分析する

ここがステップ④ です。本記事でいちばん業務に効く章になります。

これまでブラウザの AI に PDF を 1 本ずつ貼り付けていた作業を、ここから「フォルダごと渡す」作業に切り替えます。「1 ファイル単位」から「フォルダ単位」へ、ブラウザ AI からフォルダ AI への本格的な乗り換えです。

『フォーマット税』として HTML 出力を扱った話で触れたように、出力先のファイル形式 (Markdown / Word / Excel / HTML) まで指定できます。

目的に合った形式で保存させれば、そのまま会議で配れます。事前にフォルダを綺麗に整理する必要はなく、ファイル名がバラバラでも PDF と Word と CSV が混ざっていてもまとめて読みに行ってくれます。

注意点を 1 つ挙げるなら、Dissertation (final) (final2) (use this one) のような、人間にも判別できないファイル名だけは避ける程度です。

この章では 5 つの業務シーンで Before / After と指示文サンプルを並べます。経営企画から営業企画、マーケ、全職種共通まで、業務頻度順に配置しています。

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【シーン 1】 競合 IR と決算資料 30 本を横断して 業界の成長率予測を抽出

経営企画 / 事業開発で頻発するシーンです。月曜の朝、上司から「この 30 本、全部目を通して業界の成長率予測まとめて」と振られる、あの仕事です。

Before:

ブラウザ AI に PDF を 1 本ずつ貼り付けて、要約を Excel に転記していく。30 本で 1 時間半。途中で集中力が切れて、3 社目で書きそびれた数字に気付かないまま終わる。

After:

Claude Code に 1 つの指示を投げる。15 分で各社の業界成長率予測が表形式に整って返ってくる。出典のページ番号付き。

指示文サンプル。

「このフォルダの競合 IR と決算資料 30 本を全部読んで、各社が出している業界成長率予測を表にまとめて。各数字の出典のページ番号も付けて。Excel ファイルで保存して。」

【img-013: シーン1 競合IR横断】

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【シーン 2】 商談記録 50 本から 断られた理由のパターンを抽出

営業企画 / インサイドセールス / マーケで頻発するシーンです。Salesforce や HubSpot に溜まった商談記録から「なぜ失注しているか」をパターン化したいけれど、人手では半日かかり、人によって分類のブレが出る、あの仕事です。

Before:

1 本ずつ読んで主観でパターン化する。半日かかる。終わった頃には最初に見たケースの分類基準を忘れていて見落としが出る。会議で「データドリブンで分析しました」と言いながら、実態は感覚論になっている。

After:

Claude Code が全 50 本を横断して、頻度の高い順にパターンを構造化する。30 分で素材が返ってくる。各パターンに具体的な発言例も付いてくるので、会議で「実際の発言ベースで分類するとこうです」と提示できる。

指示文サンプル。

「このフォルダの商談記録 50 本を全部読んで、断られた理由を頻度の高い順にパターン化して。各パターンに具体的な発言例を 2 つずつ付けて。最後に各パターンへの推奨対応も書き加えて。」

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【シーン 3】 営業データ CSV と広告データ Excel を整理して 上司向け報告書

営業企画 / マーケで頻発するシーンです。エクスポートしてきた CSV は列の数も並びもバラバラ、ヘッダー行が抜けている、文字コードがおかしい、という状況です。

Before:

Excel で列を揃え直し、関数で差分を計算し、別シートにまとめ、最後に上司向け報告書を Word でゼロから書く。半日コース。

After:

Claude Code に CSV と Excel を渡し、整形・差分計算・報告書作成まで 1 つの指示で済ませる。45 分で報告書 Word が手元に出る。グラフが要らない場面なら、数字と短いコメントだけでまとまった形で返ってくる。

指示文サンプル。

「このフォルダの広告データ Excel と営業データ CSV を整理して、先月との差分が一目で分かる上司向け報告書を Word ファイルで作って。グラフは入れずに、数字と短いコメントだけで。冒頭にサマリ 3 行、本文に変動の大きかった項目トップ 5、最後に来月の打ち手案を 2 つ書いて。」

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【シーン 4】 共有フォルダの PDF を 一括でリネーム整理

全職種で発生する、地味だけれど時間泥棒の代表シーンです。共有ドライブの資料のファイル名が scan001.pdf 2024_最終版_v3 (修正後).pdf のようにバラバラで、検索もできない状況です。

Before:

1 本ずつ PDF を開き、中身を確認し、手動でファイル名を直す。50 本で 1 時間半。途中で同じファイルを 2 度開いて時間を溶かす。

After:

Claude Code に「タイトルに合わせてリネームして」と頼むだけ。数分で全部リネームされて返ってくる。

指示文サンプル。

「このフォルダの 50 本の PDF を全部開いて、各ファイルの内容に合わせてファイル名を [年]_[組織名]_[タイトル].pdf の形式でリネームして。表記揺れがあれば、いちばん新しい表記に統一して。」

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【シーン 5】 上司や取締役からの厳しいコメントへの 応答案を作成

全職種で発生する、精神的に消耗する代表シーンです。提案書のドラフトに上司から赤入れと指摘 7 点が返ってきて、1 つずつ感情的に消耗しながら返答案を考える場面です。

Before:

指摘 1 つずつに「どう返すか」「どこを直すか」を考える。半日。書きながら自己嫌悪が進む。最後に書いた応答が、最初の応答とトーンが揃っていない。

After:

Claude Code に提案書ドラフトと指摘 7 点を読み込ませ、論点整理と返答案を一気にまとめさせる。各指摘の論点と、返答方針と、修正方針が並んだ素材が出てくる。あなたの判断は、その素材を見ながら最終的にどう返すかの調整に集中できる。

指示文サンプル。

「このフォルダの提案書ドラフトと、上司から受けた指摘 7 点を読み込んで、各指摘への応答案と修正方針をまとめて。応答は丁寧だが媚びない文体で。論点が同じ指摘はまとめて構造化して。」

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5 シーンを並べてはっきり見えてくることが 1 つあります。「フォルダの中で大量の資料を横断して判断材料を作る」という構造は、職種が違っても全部同じだということです。経営企画でも、営業企画でも、マーケでも、共通管理部門でも、フォルダの形が違うだけで、やっていることは同じです。Claude Code は、その共通構造をまとめて引き受ける装置として動きます。

同じ作業を毎回繰り返したくなる感覚が出てきたら、次は Skills の出番です。

Skills で特定タスクのプロを量産する

ここがステップ⑤ です。同じ作業の繰り返しを、毎回ゼロから指示せずに済ませる仕組みを作ります。

Skill とは、特定のタスクに特化した指示書です。CLAUDE.md がツール全体への引き継ぎ書なら、Skills は専門タスクごとの担当者です。

「議事録から ToDo を抽出するならこの担当者」「競合 IR を社内向け 1 ページサマリーに整えるならこの担当者」のように、タスクごとに専門の担当者がフォルダの中に増えていく感覚です。Skills を選び抜いた話で扱った系譜の続きで、選び抜くためにはまず作ってみる、という地点に立ちます。

Skill を作る最も簡単な方法は、Claude Code 自身に作ってもらうことです。これが元記事のキーポイントでもあります。

例えばこう頼みます。「Zoom 会議の議事録から ToDo を抽出する Skill を作って。」 Claude Code は follow-up 質問を返してきます。「議事録のフォーマットは決まっていますか」「ToDo に含めたいフィールド (担当者 / 期限 / 優先度) は何ですか」「出力先はどこですか」のような質問です。

自然言語で答えていくだけで、Claude Code が Skill ファイルを作って保存してくれます。再起動すれば、次のセッションから自動で使われます。明示的に呼び出したい場合はスラッシュコマンドで /skill_name の形でも呼び出せます。

Skill のファイル自体も CLAUDE.md と同じく、自然言語で書かれた markdown ファイルです。中身は「いつ使うか」「何を入力に取るか」「どう処理するか」「何を出力するか」が、自然な文章で書かれているだけです。

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具体的にどんな見た目のファイルになるかも見ておきます。さきほど例に挙げた「議事録から ToDo を抽出する Skill」を、SKILL.md として書くとこのくらいの薄さです。

これだけです。name と description が冒頭の小さな箱に書いてあって、本体の # 手順 # 参照 # 注意 の 3 つの見出しに、自然な日本語で 3-5 行ずつ書かれている。プログラミング言語ではなく、業務マニュアルを 1 ページにまとめた感覚に近いはずです。

ここで気付いてほしいのが、# 参照 に書かれている references/format.md references/criteria.md です。SKILL.md 本体には詳細を全部書きません。

出力フォーマットの細かい仕様や、優先度判定の境界条件は、references/ という別フォルダの中の別ファイルに分けて書きます。SKILL.md 本体には「何のスキルか / 入力 / 出力 / 大まかな手順」だけを薄く書く、という思想です。

なぜ薄く保つのか。理由は 1 つです。Claude Code は「必要な時に必要な情報だけを読める構造」のときに、いちばん精度よく動きます。

SKILL.md 1 ファイルに全部詰め込むと、Claude Code は毎セッションで大量の情報を読み込み、本来集中したい指示の文脈を圧迫します。業務マニュアルが厚くなりすぎると現場の誰も読まないのと、構造はまったく同じです。薄いコア + 必要時に参照されるサブ資料、という構造が「使われるスキル」になります。

整理するとこうなります。

  • SKILL.md 本体:何のスキルか / 入力 / 出力 / 手順の概要だけを薄く保つ
  • references/:詳細な仕様 / 判定基準 / フォーマット定義をサブファイルに分離
  • scripts/:実行コードや変換スクリプトを分離
  • assets/:ブランドアセットや参考資料を分離

これは作業の話ではなく、判断の話です。「全部 1 つのファイルに書き出す」ことは作業の発想で、誰でもできます。

「読む側 (この場合は Claude Code) のために構造化する」ことは判断の発想で、これが本記事の中核メッセージとも繋がります。フォルダ AI と一緒に働くということは、フォルダ AI が読みやすい構造をこちらが先に用意しておく、ということでもあります。Skills の薄いコア化は、その思想をいちばん小さい単位で実装したものです。

使い回しが効く例を 3 つ挙げます。

  • 議事録から ToDo を抽出する Skill (全職種で使う)
  • 競合 IR を社内向け 1 ページサマリーに整える Skill (経営企画で使う)
  • 商談記録から共通ニーズを抽出する Skill (営業企画 / マーケで使う)

CLAUDE.md (全体への引き継ぎ書) と Skills (タスクごとの担当者) と自動メモリ (会話から拾われたメモ) の 3 つが連携して Claude Code の応答を作ります。使い続けるほど自分専用のフォルダ AI が積み上がっていく構造です。

ただし最初から Skill を量産する必要はありません。

最初の 1 ヶ月は CLAUDE.md と Open Folder と最初の指示の 3 つだけで十分です。「これは毎週 3 回やっている」と気付いたタスクが出てきたタイミングで、初めて Skill 化する順序が安全です。早すぎると、本当に必要だった指示の形が固まる前にパッケージングしてしまいます。

ここまで来ると、Claude Code に渡せる仕事はかなり広がります。では、どこからは AI に任せて、どこからが自分の仕事か。最後にそこを整理します。

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作業はフォルダ AI に 判断はあなたに

ここがいちばん大事な章です。

Claude Code を使い始めると、必ず出てくる問いに答えます。「では結局、どこまでを AI に任せて、どこからを自分の仕事と考えればいいのか。」

シンプルに言うと、Claude Code が得意なのは「労働集約型・反復・整理・要約・分類」です。

同じ作業を大量に繰り返すこと、決まったルールに従って分類すること、長い資料から要点を抜き出すこと。これらは渡したほうが目に見えて早く、しかも精度のブレが少なくなります。30 本の競合 IR、50 本の商談記録、50 本の PDF リネーム、全部このカテゴリです。

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逆に、人間が握り続けるべきものも 3 つあります。

1 つ目は「主張」です。何を主張するか、自社のポジションをどう取るか、市場をどう読むか。素材は AI が並べてくれますが、その上にどんな線を引くかは経営者・事業責任者・マーケ・営業企画の判断領域です。

2 つ目は「新規性」です。誰もまだ言っていない、まだ見えていないことを言葉にする。AI は既存の情報から構造を抽出することは得意ですが、まだ存在しない切り口を最初に作ることはできない。元記事の著者である研究者本人も、これを「研究者にとって最も大事な仕事」として分けています。ビジネスでも同じで、新しい事業の切り口、新しい商品の方向性、新しいキャンペーンの軸は人間の仕事です。

3 つ目は「誰に届けるかの判断」です。同じ素材でも、経営層に出すのか、現場に出すのか、社外に出すのか、メディアに出すのかで、出すべき形は変わります。読み手を読むことは、人間の判断領域に残ります。

元記事の著者は最後にはっきり書いています。Claude Code を成功して使う人は、これを「リサーチアシスタント」として扱う人だと。思考と判断ごと丸投げする人は失敗する、と。

研究の世界の話ですが、ビジネスの世界にもそのまま当てはまります。リサーチアシスタントとして雇うつもりで使うと、いちばんうまく回ります。

これは AI に作業を引き受けてもらう話です。作業に溶けていた時間が、判断と思想に使える時間に置き換わる。

あなたのカレンダーを見て、リサーチ作業の時間と意思決定や提案の時間の比率を見比べてください。多くのビジネスパーソンが前者に時間を取られすぎ、後者に時間を投じられていないはずです。

これまで個別に扱ってきた話を並べると、「以前『プロンプト税』として会話レイヤーの作業 / 判断を扱った」「『設計レイヤー』として .claude フォルダで方針側の作業 / 判断を扱った」「『フォーマット税』として出力レイヤーの作業 / 判断を扱った」となります。今回のフォルダ AI という捉え方は、これら全てが乗る土台です。

最終的には「作業 vs 判断」をどう分けるかという 1 点に収斂します。月曜の朝に資料整理で 3 時間溶けそうになったら、その作業は本当にあなたの仕事か、と問い直してみてください。

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AIエージェント活用は知的労働者こそ全員身につけるべき

ここまでで、最後の視座転換に入ります。

元記事は「学術研究者向けの 101」として書かれています。タイトルにも明記されています。それでも 224 万人がこの記事を読みました。なぜか。

理由はシンプルです。「フォルダの中で大量の資料を読み、横断して、判断材料を作る」という業務は、研究者だけのものではないからです。

経営企画、事業開発、マーケ、営業企画、コンサル、編集、リサーチャー。職種が違うだけで、やっていることはほぼ同じです。本記事の第5章で並べた 5 シーンと、元記事の学術シーン (45 本の論文の目的・方法論抽出 / インタビュートランスクリプトのテーマ抽出 / messy CSV の整理 / 50 本の PDF リネーム / 査読コメントへの応答) は、構造としてそのまま重なります。

ブラウザ AI とフォルダ AI、AI の置き場所が違うだけで、月曜の朝が比較にならないほど変わります。これまでブラウザのタブで「ファイルを AI のところに持っていく」モデルだったところを、今週から「AI を自分のフォルダの中に置く」モデルに切り替える。それが本記事のすべてです。

最後にもう一度言うと、博士号を持つ大学研究者が、コーディング経験ゼロで Claude Code を主力ツールとして使い倒している、という事実があります。

これは「全員同じスタートラインに立っている」というメッセージです。長くツールを触ってきた人でも、今日インストールしたあなたでも、フォルダ AI として使いこなす地点としてはほぼ同じ位置から始まります。

シリーズで書いてきた『プロンプト税』(会話レイヤー)、『設計レイヤー』として .claude フォルダを扱った話、『フォーマット税』(出力レイヤー) は、全部「作業 vs 判断」を別の階層で語ったものでした。

今回のフォルダ AI という捉え方は、その 3 つが乗る土台です。会話を効率化する前に、設計を整理する前に、出力フォーマットを選び直す前に、まず「AI の住所がブラウザのタブで合っているのか」を置き直す。今回はその土台への立ち戻りです。

月曜の朝のリサーチ業務を Claude Code に渡せるようになる。それだけで、来週からの 1 週間が、目に見えて変わります。

まとめ

  • ブラウザ AI とフォルダ AI は、AI と自分のファイルの位置関係が逆。ブラウザ AI は「ファイルを AI のところに持っていく」モデル、フォルダ AI は「AI を自分のフォルダの中に置く」モデル
  • アプリのように使えるツール、コーディング知識ゼロで OK。Zoom や Zotero と同じ感覚でインストールできる
  • インストールから初回セッションまで 5 分。最初の指示は「このフォルダの全 PDF を読んで主張をまとめて」の 1 行
  • CLAUDE.md は AI への引き継ぎ書。役割 / 基準 / 文体 / 批評観点の 4 セクションを自然言語で書くだけで「自分の代理」が育つ。自動メモリと組み合わさることで、使うほど自分専用になる
  • フォルダ単位の業務に切り替えると、競合 IR 横断 / 商談記録分析 / CSV 整理 / PDF リネーム / 上司コメント応答が、目に見えて早く、確実に正確になる
  • Skills は特定タスク用のミニ秘書。SKILL.md 本体は薄いコアに保ち、詳細は references/ scripts/ assets/ に分けるのが「使われるスキル」の作り方
  • 作業はフォルダ AI に、判断はあなたに。AI に作業を引き受けてもらえば、自分は意思決定と思想に時間を使える

次に読むと深まる記事

ここまで読んでいただいた方は、以下の記事も合わせて読むと理解が深まるはずです。

記事が少しでも参考になった方へ。

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