Googleカレンダーには使われていない情報がたくさん眠っている
AIツールを契約したのに何も変わっていない。 そう感じているなら順番を間違えているのかもしれない。
うまくいっている現場は逆から始めている。 先にデータと業務のルールを整えて、その上でAIを入れていく。
自動化はそのあとに勝手についてくるものだ。
Google Workspaceを使っているなら最初にやるべきはAIツールの契約ではない。 Googleカレンダーを情報の入れ物として使うルールづくりだ。
毎日入力している予定こそが仕事の記録になっている。
- 誰と会うのか
- いつ実施するのか
- どこで行うのか
- どれくらい時間がかかるのか
- 何のためにやるのか
- 誰が同席するのか
仕事が動いた瞬間の情報がそのまま入っている。
Googleカレンダーには予定にメモのような追加情報を書き込める仕組みがある。 この仕組みを使うと予定に顧客IDや案件の種類などを追加で持たせられる。
この仕組みには次のルールがある。
- 項目名は44文字までで超えた分は自動で消える
- 値は1024文字までで超えた分は自動で切られる
- 1つの予定につき300個まで登録できて合計は32KBまで
- 登録した情報をもとに予定を検索したり絞り込んだりできる
この枠に顧客IDや案件番号や業務の種類を入れておく。 予定そのものが顧客管理システムや会計システムとつながる検索できるデータに変わる。
場所の情報を経費精算にそのままつなげる
予定の場所欄に訪問先の住所を入れておくと、あとから「どこへ行ったか」をたどれるようになる。
例えば「6月8日11:30顧問先A訪問」という予定にA社の住所を登録しておくと、Claudeが予定を読み取りGoogleマップで移動ルートを推定してくれる。
そこからfreeeやマネーフォワードやkintoneに連携すれば交通費の申請案が自動でできあがる。
手作業だった経路と運賃の計算がいらなくなる。 今日決めるのは場所欄を空欄にしないというルールだけだ。
予定の時間をそのまま作業時間の記録にする
予定の開始時刻と終了時刻はそのまま作業時間の記録になる。
ここに顧客IDを一緒に入れておくだけで、予定と売上と請求と案件の情報がつながりやすくなる。
nethuntによると顧客管理システムとGoogleカレンダーをリアルタイムでつないでいる組織では二重入力がなくなり平均で週5から10時間の削減効果が出ているという。
面談や電話のたびに顧客管理システムへ手で入力していた作業が、そのままなくなる計算になる。
会議の議事録をAIにそのまま渡す
Google Meetの会議URLがついた予定なら録画や文字起こしと紐づけられる。
Spinach AIというサービスを使うと会議に自動で参加するbotが話した人ごとに分けた文字起こしを記録してくれる。 Claudeがそのデータを直接読み取れるようになる。
最大100件の会議にアクセスできる権限で複数の会議をまたいで決まったことや保留になっている宿題を自動で拾い出せる。
議事録を手でコピーしてまとめる作業がなくなる。
顧客とのやり取りをAIに聞けるようにしておく
カレンダーを顧客とのやり取りの記録として使う。
Claudeに「この顧客との直近3ヶ月のやり取りをまとめて」と聞くだけで面談の履歴と話した内容とまだ終わっていないことが整理されて返ってくる。
そのやり取りを正しく拾ってもらうには前提がいる。 ここで効いてくるのがタイトルと説明欄の書き方のルールだ。
入力の仕方がバラバラだとAIも人間と同じで読み取れない。 書き方さえ揃えば拾える情報の質がまるで変わってくる。
決めるルールは4つだけでいい
ルールを増やしすぎると誰も守らなくなるから最初は次の4つだけに絞る。
- タイトルルール 【顧客名】業務内容の形で統一する。「面談」「打合せ」だけの予定名は禁止にする
- 場所ルール 訪問先の住所か会議名を必ず入れる
- 説明欄ルール 自由に書くのをやめてテンプレートにする。目的と話した内容と確認事項と宿題と次回予定の5項目を空欄でも残しておく
- 色ルール 業務の種類ごとに色を固定する。予定表を見返すときの見やすさにも直結する
タイトルルールでいえば「面談」「打合せ」「A社」「訪問」ではなく
「【A社】月次面談」「【B社】決算報告」のように顧客名と業務内容を必ず入れる形にする。
ルールを守らせるのは個人の頑張りに頼らない
ルールを決めてもマニュアルを配るだけでは守られない。 やる人とやらない人が必ず出てくるからだ。
そこでGoogleフォームで予定の情報を入力すると自動でカレンダーに登録できる仕組みを作る。 簡単なプログラムを一度組んでおけば実現できる。
実装例ではカレンダーIDを設定画面から取得したうえでフォームの選択肢にタイトルと開始時刻と終了時刻と説明欄のテンプレートを用意しておく。
こうしてフォーム経由の入力にしてしまえばルールを守るかどうかを個人の意識に任せなくて済む。 プログラムを組まなくても使えるノーコードツールで「カレンダー入力専用フォーム」を作るのも同じ考え方だ。
今日決めるのはタイトルルールだけでいい
2026年のGoogle WorkspaceはGeminiがカレンダーやメールやファイルのデータを横断して分析し始めている。
Workspace Intelligenceのような機能が示しているのはAIが使えるデータをこちらが先に用意しておくほど恩恵が大きくなるという流れだ。
全部を一気に整える必要はない。 今日決めるのはタイトルに顧客名と業務内容を入れるというルールひとつだけでいい。
そこから経費精算も作業時間の管理も議事録の連携もあとから積み上げられる。





