この資料、全部PowerPointのCopilotが作りました。

使ったのは、ブランドキットに入れたテンプレートと、依頼文1本だけ。
スキルの設定も、長いプロンプトの工夫もしていません。
コツは1つだけです。
テンプレートの1枚1枚に、「何のために使うスライドか」を書いておくこと。
この記事で分かること
・目的を書いたテンプレートで、Copilotの資料が変わる理由
・目的の書き方と、そのまま使える見本
・ブランドキットに入れて、4行の依頼文で作るまでの手順
・ブランドキットが使えない人向け、PowerPointにテンプレートを登録するやり方
第1章:「スキルを使えばいい」で止まってしまう理由
PowerPointのCopilotで資料の質を上げる方法として、最近よく「スキルを使えばいい」と紹介されます。
スキルは、作り方の手順をCopilotに覚えさせる仕組みです。
ただ、ここで多くの人が止まります。
スキルに何を書けばいいのかが分からないからです。手順を言葉で書き切るのは、資料づくりに慣れた人でも難しい作業です。
さらには、スキルに1,024文字の制限があるため、必要なスキルを文字数に収めることにも苦労します。
そこで今回は、スキルを使わない方法を提案します。
言葉で手順を書く代わりに、見本のスライドそのものに「使い道」を書いておく方法です。
第2章:目的を書くと、Copilotが迷わなくなる
公式のサポートページでは、テンプレートを使った状態でCopilotに頼むと、そのデザインとレイアウトを使って資料を作ると案内されています。
つまり、テンプレートの見本スライドが、Copilotにとっての手本になります。
ところが、見本が並んでいるだけだと、Copilotはどの見本を何に使えばいいかを見た目から推測するしかありません。
比較の表を推移の説明に使ったり、結論のページを飛ばしたりするのは、この推測が外れたときです。
そこで、見本の1枚1枚に使い道を書いておきます。
「これは2つの案を比べるときのスライド」
「これは結論を3つ並べるスライド」
見本に目的が書いてあれば、Copilotは推測せずに、書かれた目的で選べる。
人に仕事を頼むときと同じです。
ひな形だけ渡すより、「これは報告の最初に使う」と一言添えたほうが、正しく使ってもらえます。
第3章:目的の書き方
書く場所は、ノート欄
目的は、各スライドのノート欄に書きます。
スライドの見た目を汚さず、Copilotだけが読む「説明書」を貼っておくイメージです。
私のテンプレートでは、次の8つの項目で書いています。
実際の表紙のスライドのノートが、こちらです。

1【スライドID】S0012【カテゴリ】表紙3【パターン】表紙4【用途】資料の最初のページ5【このスライドを選ぶ指示の例】表紙を作って/タイトルページ6【向いている内容】資料名、日付、部署名、発表者名7【使わない場面】途中の章の区切り(章扉を使う)8【注意】本文はすべて入力用の仮の文なので、内容に合わせて書き換えて使う。
8つの項目の役目
・スライドID、カテゴリ、パターン:Copilotと人が、どのスライドの話かをそろえる番号と分類
・用途:何を伝えるときに使うか(見た目の説明は書かない)
・このスライドを選ぶ指示の例:こう頼まれたらこのスライド、という合図
・向いている内容:このスライドに載せるもの
・使わない場面:間違って使われないための歯止めと、代わりに使うスライド
・注意:仮の文を書き換えて使う、などの約束
意外と効くのが、「使わない場面」です。
「途中の章の区切りには使わない(章扉を使う)」と書いておくだけで、表紙が資料の真ん中に紛れ込むような失敗を防げます。
コピーして使える、ノートのひな形
自分のテンプレートに使うときは、次のひな形をノート欄に貼って、項目の後ろを埋めてください。
1【スライドID】2【カテゴリ】3【パターン】4【用途】5【このスライドを選ぶ指示の例】6【向いている内容】7【使わない場面】8【注意】
スライドの中の文字の枠にも、「スライドのメッセージを1行で入力」のように、何を書く場所かを仮の文で入れておきます。
ノートの説明と、枠の仮の文。この2つがそろうと、Copilotはどこに何を書けばいいかで迷いません。
目的を書くのも、Copilotに頼めばいい
とはいえ、100枚のテンプレートに1枚ずつ目的を書くのは大変ですよね。
そこも、Copilotにお願いすればいいんです。
スライドのフォーマットを入れたファイルをPowerPointで開き、Copilotにこう頼むだけでOKです。
1それぞれのスライドに対し、どの用途で使うかを明示し、ブランドキットに登録した際に指示に対して最適なスライドが選ばれるようにすること。
右上のボタンでコピーして、そのまま送ってください。
ポイントは、「ブランドキットに登録した際に、指示に対して最適なスライドが選ばれるように」と、書かせる目的まで伝えていること。
Copilotは見本の1枚1枚を読んで、後から選ばれやすい形で用途を書き込みます。
書き込まれた目的は、最後に自分の目で一度だけ見直します。
ノートの項目名に合わせて「『使わない場面』を足したいスライドがあれば」、そこだけ手で書き足してください。ゼロから書くより、ずっと早く終わります。
それでも大変な人へ、そのまま使えるテンプレートを用意しました
それでも大変だという人のために、今回は、ブランドキットに登録してそのまま使えるテンプレートを2パターン作りました。
さらに、スライドのちょっとしたアクセントになるピクトグラムも、350種類以上作成しています。


この2つを、オープンチャット限定でプレゼントします。
ぜひオープンチャットに参加して、ご自身でも試してみてください。受け取り方は、この記事の最後にまとめています。
第4章:テンプレートをブランドキットに入れて、依頼文1本で作る
ブランドキットとは
ブランドキットは、会社のロゴ、色、フォント、テンプレートに加えて、画像やアイコンもまとめて、Copilotに使わせる仕組みです。
目的を書いたテンプレートと、よく使うピクトグラムをここに入れておけば、毎回ファイルを探して開く必要がなくなります。
登録する人
会社の公式のブランドキットを作ったり直したりできるのは、ブランド管理者に指定された人です。
場所はCopilotアプリの「作成」→「その他」→「ブランドキット」です。
公式情報:Create and manage official Brand kits in the Microsoft Copilot app
キットの管理画面は、ロゴ、テンプレート、フォント、色、画像、アイコン、ブランド トーン、スキルの8つの欄に分かれています。
今回は、テンプレートの欄に目的を書いたファイルを追加します。
あわせて「厳格なブランド準拠」をオンにしておくと、Copilotは承認済みのテンプレートのレイアウトだけを使い、新しいレイアウトは作りません。

作成したブランドキットは社内の関係者に共有することができます。
部署の全員が同じテンプレートで作れることで品質も安定しますね。
使う人の手順
実際に、ブランドキットを有効にする方法です。
1.PowerPointで新しいプレゼンテーションを開き、ホームタブの「Copilot」を押す
2.入力欄の「+」から「ブランドを選択」を押し、テンプレートを入れたキットを選ぶ
3.依頼文を送り、できあがった資料を第7章の3点で確かめる

今回使った依頼文は、これだけ
驚くかもしれませんが、この記事の資料を作ったときに送ったのは、次の4行です。
新商品と旧商品を比べて、顧客の役員に新商品を提案する資料を作りました。
1新商品と旧商品を比較して、新商品の良さをアピールして2内容は顧客の役員向け3スライドは10〜15枚4確実な情報でない場合は要確認と記載
右上のボタンでコピーして、1行目と2行目を自分の資料に合わせて書き換えてください。
「目的を読んで」とも「このスライドを使って」とも書いていません。どのスライドを何に使うかは、テンプレートの側に書いてあるからです。
依頼文は短くていい。考えることは、テンプレートに任せる。
4行の、それぞれの役目
・1行目:何の資料か(比べて、何を伝えたいか)
・2行目:誰が読むか(読む人で、言葉の硬さと深さが決まる)
・3行目:枚数の幅
・4行目:分からないことは推測で埋めず「要確認」と残させる
4行目は特に大事です。
要確認と書かれた場所は、人が確かめるべき場所の目印になります。
送ると、Copilotから3つの質問が返ってくる
この4行を送ると、Copilotはいきなり作り始めずに、選択式の質問を3つ返してきました。
答えるだけで、依頼文に書き忘れた条件が埋まっていきます。
・質問1:比べる新商品と旧商品は何か → 今回は「架空の例で作成」
・質問2:比較の根拠になる資料はあるか → 「公開情報で調査」
・質問3:役員向けに特に強調したい観点は → 「コスト削減・ROI」

質問2で「社内資料を検索」を選べば、メールやファイルから商品の情報を探して使うこともできます。
モデルは、画面右上の切り替えでClaude Opus 5.5を選択。文章の品質が高く、私のおすすめです。
素材は、会社がつないだサービスからも取れる
9月から、PowerPointのCopilotで「コネクタ」が使えるようになりました。
会社がつないだ外部のサービスの情報を、PowerPointを出ずに素材として資料に取り込めます。
公式の説明では、外部のサービスの情報はその場で取りに行き、資料の中に保存はしません。
Copilotの答えには使った出どころが示されるので、数字の出所を確かめる手間も減ります。
公式情報:Use connectors with Copilot in PowerPoint
注意:使えるのは、有償のMicrosoft 365 Copilotの契約があり、会社がそのサービスを許可している場合です。
つながっていなければ、これまでどおり依頼文に素材を貼ってください。
10月から、作っている間にPowerPointを閉じられる
見本の多いテンプレートで枚数の多い資料を作ると、できあがるまで少し待つことがあります。
Microsoftのロードマップによると、10月から、Copilotが作業している間にPowerPointを閉じても大丈夫になる予定です。
別の端末に移っても、仕事を終えても、終わったときや確認が必要なときに通知が届きます。
Windows版、Web版、Mac版のそれぞれで予定に入っています。
届けば、依頼文を送ったあとは画面を見張らずに、ほかの仕事に移ることができます。
公式情報:Microsoft 365 ロードマップ(570437)
ブランドキットが使えない人は
キットがない会社でも、同じ考え方はそのまま使える。
次の章のやり方でテンプレートをPowerPointに登録し、そこから開いた資料でCopilotに依頼文を送ってください。
第5章:ブランドキットが使えない人は、PowerPointにテンプレートを登録する
Copilotは使えるのに、ブランドキットやスキルは出てこない。
会社がまだキットを作っていない、機能が届いていない、という人は少なくないはずです。
その場合は、目的を書いたテンプレートをPowerPoint自体に登録しておきます。
PowerPointでテンプレートを開いたら、その中でCopilotに頼めば、ブランドキットとほぼ同じ形で使えます。
手順1:テンプレートとして保存する
まず、目的を書いたファイルを開いて、「ファイル」→「名前を付けて保存」へ。
ファイルの種類で「PowerPoint テンプレート (*.potx)」を選ぶと、保存先は自動で「Office のカスタム テンプレート」のフォルダーに変わる。
そのまま保存すれば登録は完了です。
手順2:「新規」から呼び出す
次からは「ファイル」→「新規」を開くと、「個人用」のタブに登録したテンプレートが並びます。
選ぶだけで、ノートに目的が書かれた見本スライドのそろったファイルが、新しく立ち上がります。元のテンプレートは書き換わりません。
手順3(任意):いつもの白紙を、このデザインにする
白紙のプレゼンテーションを開くたびにこのデザインにしたいときは、「デザイン」タブのテーマの一覧で、登録したデザインを右クリックし、「既定のテーマとして設定」を選びます。
色やフォントの設定が、白紙のときから会社の型になります。
手順4:開いた資料で、Copilotに依頼文を送る
「新規」から開いた資料で、ホームタブの「Copilot」を押し、第4章の依頼文を送ってください。
Copilotは、開いているテンプレートの見本スライドと、そこに書かれた目的を手がかりに資料を作る。
ブランドキットを選ぶ手順が、「新規から開く」に置き換わるだけです。
第6章:実際に作った資料
ここからは、目的を書いたテンプレートと、第4章の4行の依頼文だけで作った資料を、そのままお見せします。
業務用空調の新商品への更新を、顧客の役員に提案する13枚の資料です。商品名と会社名は架空です。
見てほしいのは、スライドの選ばれ方。
比較のページ、結論のページ、要確認のページが、それぞれ目的どおりの場所に使われているかを見てください。

数字の下をよく見ると、「(想定・要確認)」が付いています。
依頼文の4行目がそのまま効いて、確かめるべき数字に目印が付いた形です。
スキルは1つも使っていません。
違いを生んだのは、ノートに書いた目的だけです。
第7章:人に出す前に、自分で見る3つのこと
・数字:素材の数字とスライドの数字を、1つずつ突き合わせる
・ノート:テンプレートの説明(【用途】など)が、完成した資料のノートに残っていないか
・公開範囲:社外に出すなら、社内の数字や人名が混ざっていないか
2つ目は、この方法ならではの確認です。
発表者ノートを使う資料なら、テンプレートの説明が残っていないか、ノート欄を全ページ見てから出してください。
ノートに目的がないと、何が起きるか
ノートに目的が書いていないテンプレートだと、Copilotはどの見本を何に使うかを、スライドの見た目から推測するしかありません。
同じ4行の依頼文でも、推測が外れれば、比べる必要のない場所に比較の表が使われる、といったずれが起きえます。
ノートの目的は、その推測をなくすためのものです。
同じテンプレート、同じ依頼文。違うのは、見本の1枚1枚に使い道を書いたかどうかだけです。
この記事のテンプレートを受け取る方法
オープンチャットに参加した方に、次の2つをお渡ししています。
・ブランドキットに登録してそのまま使えるテンプレート(2パターン・各スライドのノートに目的入り)
・スライドのアクセントになるピクトグラム(350種類以上・共通と業界別)


ブランドキットに登録しても、第5章のやり方でPowerPointに登録しても、そのまま使える形です。
参加方法は、この記事のいちばん下をご覧ください。
まとめ:見本に、使い道を書くだけ
最後に、この記事の芯をもう一度だけ。
スキルで手順を書く前に、テンプレートの1枚1枚に使い道を書く。
とはいえ、いきなり100枚そろえる必要はありません。
やることは、1つだけです。
いつも使っている資料から、結論のスライドを1枚だけ選び、ノート欄に【用途】と【使わない場面】の2行だけ書き足してください。
そのファイルを開いてCopilotに頼むだけで、1枚目の作られ方が変わります。
一度この差を見ると、目的を書いていないテンプレートには戻れなくなります。
※2026年9月30日時点の情報です。提供状況は契約・管理者設定・展開段階で変わります。
Copilotは進化が本当に速いです。
一人で最新を追い続けるより、実践している人から学ぶほうが、圧倒的に速いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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