ミームコインのトレードを始めて 3 年になるが、今のトレンチ(草コイン最前線)の状況で最も気になっているのは、自分がトークンを見つける前にすでに仕組まれた需要と、本物の需要を見分けるのがいかに難しくなったかということだ。
こんな光景は何百回も見てきたはずだ。
Pumpfun で新しいトークンがローンチされ、少し勢いが出始める。ホルダー数が増え、出来高もそこそこで、見慣れたアカウントがいくつか話題にし始め、気づけば時価総額 5 万ドルに到達している。
そして死ぬ。
時には 10 万ドルや 20 万ドルに届くこともある。
たまに 30 万ドルまで行くが、結末はたいてい同じだ。チャートは崩壊し、みんな「買い手がいないせいだ」と責任転嫁を始め、数分後には別のトークンが登場する。
以前は、こうしたローンチの多くは単に需要が足りなくて失敗したのだと思っていた。
もちろん、本当にそうなるケースもある。
だが、もっと多くの人が理解すべき別の説明がある。
あなたが見ている需要のかなりの部分は、そもそも最初から実在していなかったのだ。
ゲームは 2024 年に変わった
ミームコインのトレードが今ほど競争的ではなかった頃は、トークンに早く入ることで本当に優位性を得られた。
面白そうなものを見つけ、誰よりも先に買い、ナラティブが広がるのを待ち、うまくいけばより強い需要に向けて売る。
当然リスクはあったが、少なくとも自分と一緒に買っている人たちが、それぞれ独立して判断している個人トレーダーである可能性は十分にあった。
今はどうだろう。あるグループが実質的に供給量の大部分を支配しているのに、トークンは何百人ものホルダーと活発な取引を抱えているように見えることがある。
そして最悪なのは、これが一般トレーダーの目にそのトークンが触れる前に起こり得るという点だ。
ここで登場するのがバンディング(bundling)だ。
バンドルを使えば、複数のトランザクションを同じ Solana ブロック内でまとめて実行できる。
Jito のようなインフラを利用することで、トークンの作成者はローンチと複数ウォレットからの購入を連携させ、最安値で供給量の大部分を確保できる。
最初にホルダーを確認したときは、それらのウォレットは無関係に見えるかもしれない。
しかし経済的には、すべて同一人物のものなのだ。
トークンをローンチし、10 個の別々のウォレットを通じてその供給量の 40% を取得するところを想像してほしい。
分布を見ている人には、10 人の独立したトレーダーが早期に買ったように映る。
実際には、1 つの主体が 10 個のウォレットを操っているだけだ。
数字は予想以上にひどかった
Bitquery は、2025 年 10 月から 2026 年 10 月までの間に Pumpfun でローンチされた 820 万件を分析した。
その結果はかなり示唆に富んでいる(そして醜い lol)。
ローンチの 21% では、開発者に関連するウォレットがローンチバンドルに参加しており、中央値で供給量の 10% を保有していた。
またこの調査では、対象期間中に開発者と関連するバンドルウォレットが合計 5 億 7,900 万ドルの利益を得たと推計している。
さらに、調査対象トークンの 65% で、開発者が最初の 1 分以内に売り始めていた。
最後の数字について少し考えてみてほしい。
大半の個人トレーダーが自分が何を買っているのか理解する時間すらないうちに、トークンをローンチして出口に向かい始めている人間がいるということだ。
Bitquery は、2026 年 6 月の特に馬鹿げた事例を記録している。
ある開発者がごく少額の初期購入でトークンをローンチした。
同じ Jito バンドル内の 4 つのウォレットが 6,000 ドールで供給量の 79% を取得し、トークンはほぼ即座に卒業(Raydium へ移行)した。続く 18 分間で 1,138 のウォレットが参入した。
その時点で、初期の 5 ウォレットは 1 万 1,000 ドールの支出に対してポジションを 12 万 1,000 ドールで売却済みだった。18 分で 11 倍のリターンだ。
そしてそのリターンの原資を出した誰かがいる。ネタバレすると、それは個人投資家だ。
出来高すらあなたに嘘をついている
これはただただ気が滅入る話だ。
かつて出来高は、トークンを評価する際に私が最初に確認する指標の一つだった。
時価総額に対して大きな出来高があれば、本物の関心が示されている可能性があった。
しかし、偽の出来高を生み出すことが誰でも買えるサービスになったらどうなるか?
Bitquery の別の調査によると、30 日間の分析対象プールにおける Solana DEX 出来高 2,014 億ドルのうち、1,177 億ドルが「本物ではない取引」に分類された。
58% だ。
しかもその大部分は極めて単純な行動、つまり 1 つのトランザクション内での同一トークンの協調的な売買によるものだった。
言い換えれば、人が取引しているように見える数字が、実際にはボットが資産を何度も移動させているだけの数字になり得るということだ。
これに人為的なホルダー数を掛け合わせてみよう。
開発者は少量のトークンを数十のウォレットに分散させ、反復的な取引活動を生み出し、プロジェクトを実際よりはるかに人気があるように見せかけることができる。
次にマーケティングが来る。このゲームの仕組みはもう分かっているだろう。いくつかの Telegram グループで言及が始まり、X のアカウントがチャートのスクショを投稿する。
KOL がコールし、あなたがそれを見た瞬間にはもう遅い。ゲームオーバーだ兄弟。
ただし、その多くは売り抜けを待つ同じ連中によって仕組まれている可能性がある。
だからこそ、これほど多くのトークンが時価総額 5 万ドルで死んでいくのだと思う。今じゃ 20 万ドルで天井を打ったことを祝っているんだぜ、冗談だろ。
KOL という大問題
CT(Crypto Twitter)に十分長くいると、トークンを宣伝している全員が組織的な工作に加わっているわけではないことは分かる。
自分が買っているものを心から信じている人もいる。
単に見当違いの人もいるし、そう、報酬をもらっている人もいる。
問題は、X をスクロールしている人にとって、この 3 つのグループがまったく同じに見えることだ。
投稿直後に売り始めれば、あなたの推薦を信じた人たちは実質的にあなたの出口流動性を提供することになる。
それを繰り返すところを想像してほしい。
違うトークン、違うティッカー、違うナラティブ。
結果は同じ。
だからこそ、トークン自体を見るのと同じくらい、その人の取引履歴を見ることが重要になってきていると思う。
KOL が利益の出るエントリーをしているからといって、必ずしもチャンスを見つけるのが上手いとは限らない。
単に、自分が送り込むオーディエンスより先に入っていたというだけの場合もある。
コールが行われている最中に誰が売っていたのかを語る者はいない。ここではみんな忘れるのが早すぎる。
では実際にどう身を守るのか?
バンドルがあるトークンすべてでトレードをやめるのが解決策だとは思わない。
すべてのバンドルが悪意あるものではない。スナイパー対策として協調ローンチを使うチームもあるし、開発者と無関係な独立したスナイパーが最初のブロックで買うこともある。
重要なのは、その後それらのウォレットが何をするかという区別だ。
個人的には、トレーダーは誰が供給量を保有しているかを理解するためにもっと時間を割くべきだと思う。
Bubblemaps、Trench Radar、Solscan のようなツールを使えば、初期購入者、ウォレット間のつながり、トークン分布を調査できる。
あるウォレット群がローンチブロックで供給量の大部分を買ったなら、まだ保有し続けているかどうかを知りたい。
上位ホルダー数人が同じ資金源から SOL を受け取っているなら、その理由を理解したい。
流動性が限られているのに突然異常な出来高がついたなら、それが独立した売買を反映しているのかどうかを知りたい。
そして誰かが激しく宣伝しているなら、そのウォレットが買い集めているのか、ばら撒いているのかを知りたい。
ただし、もう一つ問題がある。
こうした工作を仕掛ける側も上達しており、適応してくるのだ。
彼らは異なる資金源を使い、購入を複数のブロックに分散させ、ウォレットを使い回し、協調的な活動を自然に見せる新しい方法を見つけ出す。
つまり、個人投資家が操作を見抜くためのツールは、決して完璧な解決策にはならないということだ。
結局のところ、自分で考えなければならない。
トレンチのより大きな問題
Solidus Labs の推計では、調査期間中の Pumpfun トークンの 98.6% にポンプ&ダンプの特徴が見られたという。
そして私は、これが今のトレンチがかつてと全く違ってしまった理由の一つだと考えている。
みんな「次の PNUT はどこだ」と探し続けている。
数千ドルから数億ドルへと駆け上がる次のトークンはどこにあるのか。
なぜ何もかもがナラティブを維持できなくなったのか。
おそらくその答えの一部は、私たちが「ナラティブが育つ機会を得る前に流動性を吸い上げる」ことを軸にした巨大産業を作り上げてしまったからだ。
コミュニティ全体をビジネスモデルとして「演出」する連中に対し、本物のコミュニティが対抗するのはますます難しくなっている。
そしてこれは、人々が思っているよりもずっと深刻な問題だと思う。
私たちはどこへ向かうのか
それでも私は、ミームコインにチャンスがあると信じている。
そうでなければ、この市場を追いかけることに時間を使っていない。
だが同時に、トレンドになり始めたものに盲目的に飛びつき、市場が報いてくれると期待する時代は消えつつあるとも思う。
あなたが到着する前に誰かがすでに供給量の半分を握っているなら、「早い」だけでは不十分だ。
今や、トレードの構造そのものを理解する必要がある。
繰り返すが、ミームコインが消えてなくなるわけではないと思う。
しかし、この絶え間ない搾取が、そもそもトレンチを面白くしていた条件をゆっくりと破壊しているとも感じている。
そしてそれが変わらない限り、時価総額 50 万ドルを超えて生き残ったトークンを祝い続ける事態が続いても驚かない。
この市場がかつてどんな場所だったかを思い返すと、実に悲しいことだ。





