賃貸物件がない? 空室が消えた日本の住宅市場

@tkworks88
日本語2 か月前 · 2026年5月29日
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TL;DR

不動産価格の上昇と都市部への人口集中により、日本で賃貸危機が深刻化しています。供給不足と年齢による入居差別が、将来の住居の安定を脅かしています。

このまま何もしないと、住む場所がなくなる日が来る。

大げさではない。数字がそう言っている。

20年この仕事をしてきた。今の市場で起きていることを正直に書く。

第1章:分譲が買えない層が賃貸に流れている

分譲マンションの価格が上がり続けている。東京23区の建売住宅で1億円以上の物件が初めて2割を超えた。7ヶ月連続で販売価格の最高値を更新している。

「では中古を買えばいい」と思った人間に伝えたい。

首都圏の中古マンションの成約㎡単価は65ヶ月連続で上昇している。中古も高い。新築が買えないから中古に流れる。中古の需要が上がる。中古も高くなる。逃げ場がない。

買えない人間が賃貸に流れる。

業界関係者287名への調査で「分譲マンション価格の高騰」が賃貸市場にプラスの影響を与える要因のトップに挙げられた。新築も中古も買えない層が賃貸需要を押し上げている。

需要が増えれば何が起きるか。家賃が上がる。

第2章:人口が減っているのになぜ家賃が上がるのか

「人口が減っているなら空室も増えるはずでは」と思う人がいるかもしれない。そうならない理由がある。

世帯数は増えている。人口は減っていても世帯数は増えている。一人暮らし・離婚・高齢者の単身化が進んでいる。1人が1部屋を使う時代になった。人口が減っても世帯数が増えれば需要は減らない。

都市への集中が続いている。地方の人口は減っている。だが東京・大阪・名古屋への集中は続いている。都市部の需要は増え地方の空き家が増える。空室率の二極化が起きている。

外国人居住者が急増している。技能実習制度の拡大・留学生・就労ビザの緩和で外国人居住者が増えている。彼らも賃貸需要を生む。

供給が絞られている。建築コストの高騰で新規の賃貸物件が建てにくくなっている。需要が維持される中で供給が減れば空室率は下がる。

人口減少は「全体の話」だ。あなたが住もうとしている都市部の話ではない。

第3章:空室率が下がっている。借りたくても借りられない時代が来る

大阪市北区・中央区の空室率は4%台だ。大阪市は賃料上昇率で東京23区を上回り、掲載賃料が過去最高を更新している。

東京も大阪も同じ方向に動いている。

空室率が低いということは何を意味するか。借りたくても選べる物件が減っているということだ。条件を妥協しなければ借りられない状態に近づいている。

このまま供給が増えなければ、希望の場所に希望の価格で住めない時代が来る。

第4章:賃貸の家賃値上げは業界全体の既定路線だ

「賃料・共益費の値上げ」が業界関係者アンケートでディベロッパー・アセットマネジメント会社共通の最多回答だった。

個々の大家の判断ではない。業界全体のトレンドだ。

さらに賃貸マンション・用地の取得価格が「上がる」と答えた業者が71.1%。前回調査の55.8%から大幅に上昇した。取得コストは必ず家賃に転嫁される。

逃げ場がなくなっている。

第5章:老後に賃貸を借りられなくなる現実

若いうちは借りられる。問題はその先だ。

高齢者の入居を断る大家が増えている。収入が年金だけになった瞬間に審査が通らなくなるケースがある。孤独死のリスクを理由に断られる。保証会社に入れず断られる。

数字がある。65歳を超えて賃貸住宅を探した際に「苦労した」と回答した人が42.8%。約3人に1人(30.4%)が年齢を理由に入居を断られた経験がある。直近1年では36.7%と3人に1人以上が断られている。

収入や預貯金が十分にあっても断られるケースが少なくない。お金の問題ではなく年齢の問題だ。

家賃が上がり続ける中で収入は減る。審査は厳しくなる。住める場所の選択肢が狭まっていく。

今は借りられる。65歳を過ぎたら3人に1人が断られる現実がある。

第6章:このまま何もしなければ日本はこうなる

5年後。都市部の家賃が今より15〜20%上がっている。新築着工が減り続け供給不足が深刻化する。中古も高止まりが続く。新築も中古も買えない。賃貸も高い。逃げ場がなくなる。

10年後。団塊ジュニア世代が65歳に近づく。高齢単身世帯が急増する。賃貸を借りたくても借りられない高齢者が都市にあふれる。住宅難民が社会問題として表面化する。

20〜30年後。地方は空き家だらけ。都市部は住む場所がない。二極化が極限まで進む。持ち家がない高齢者が公営住宅・施設に流れ込む。その施設も不足する。

根本的な問題がある。少子化で建設業の職人が減る。家が建てられなくなる。供給が増えない。需要は都市部に集中し続ける。価格は上がり続ける。

これは予測ではなく、今起きていることの延長線上にある話だ。

第7章:では今、何をすべきか

答えは一つではない。人によって状況が違うからだ。

賃貸を選ぶ人間へ値上がりを織り込んだ資金計画を立てろ。今の家賃が10年後も同じだと思うな。老後に住む場所をどう確保するか、今から考えておけ。65歳を過ぎてから考えても遅い。

購入を考えている人間へ買うなら出口まで考えて買え。10年後に売れるか貸せるかを最初に考えろ。立地・管理状態・修繕積立金の状況を必ず確認しろ。買った瞬間ではなく売った瞬間に結果が出る。

どちらにも共通して言えること良い物件があったら迷わず買え。良い賃貸があったら迷わず借りろ。悩んでいる間に誰かが決める。

情報を持っている人間だけが選択肢を持てる時代になっている。知らないまま流されるのが一番のリスクだ。

何もしないことが、今一番危険な選択だ。

第8章:賃貸を選ぶことは正しい。だが何もしないことは違う

賃貸か購入かは性格と状況で決めればいい。賃貸を選ぶことを否定したいわけではない。

ただし今の市場で何が起きているかは知っておくべきだ。

賃貸を選ぶなら、値上がりを織り込んだ資金計画を立てろ。老後に住む場所の確保を今から考えておけ。

購入を考えるなら、出口まで考えて動け。買った瞬間ではなく売った瞬間に結果が出る。

何もしないことが一番のリスクだ。

良い物件があったら迷わず買え。同じように、良い賃貸があったら迷わず借りろ。悩んでいる間に誰かが決める。

出典:三菱地所リアルエステートサービス「賃貸マンション市場に関するアンケート調査(2025年第4四半期)」/日本賃貸住宅管理協会(2025年7月調査)/LIFULL HOME'Sマーケットレポート(2025年11月)

不動産業界実務経験20年による知見

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