DeNAの南場会長が、初めて会う人の前に必ずやっているリサーチ方法があります。
検索AIで相手の情報を集めて、NotebookLMに全部放り込んで、移動中に質問します。
それだけです。
正直、最初に知ったとき「日本のTOP経営者だから特別なツールを使ってるんだろう」と思っていました。
でも、中身を見たら違いました。
使っているのは、僕たちでも今日から触れる無料ツールばかりです。
この記事では、その南場会長のリサーチ術を、素人の僕がNotebookLMで再現した記録をお伝えします。
NotebookLMは6月8日に大きく刷新されましたが、この手順は無料の範囲でそのまま再現できます。
読み終わるころには、明日の商談相手を30分で丸裸にする手順が、自分の手に入ります。
すごいのはツールの性能ではありません。
「調べる」と「頭に入れる」を分ける、その役割分担なんです。
第1章:南場会長のリサーチ術の正体は「調べる」と「頭に入れる」を分けているだけ
まず、南場会長が何をやっているかを整理します。
出典は2025年2月のDeNAのAI Dayでの本人の発言です。
手順はこうです。
①検索AIのPerplexityで「この方についての必読記事は何ですか」と聞く
②挙がってきた記事・動画・XのURLを、すべてNotebookLMに入れる
③打ち合わせに向かうタクシーの中で、NotebookLMに「この人はトランプ政権についてどう考えていますか」などと質問する
これで、初めて会う相手の関心や考え方を、移動時間だけでインプットしているわけです。
ここで大事なのは、ツールを2つに役割分担している点です。
Perplexityは「広い海から関連する記事を拾ってくる」係です。
NotebookLMは「拾った記事だけを読み込んで、そこからしか答えない」係です。
なぜ分けるかというと、1つのAIに全部やらせると嘘が混ざるからです。
NotebookLMは入れた資料の中からしか答えません。
だから「ソースのどこに書いてあるか」まで引用で示してくれて、ハルシネーションが起きにくいです。
この役割分担には、ちゃんと理由があります。
検索AIに「要約して」と全部任せると、ネット中の情報を混ぜて答えるので、相手が言ってもいないことが紛れ込みます。
でもNotebookLMは、入れた記事の外には一歩も出ません。
だから「相手が実際に発言したこと」だけが手元に残ります。
商談前に一番怖いのは、間違った前提で相手を語ってしまうことです。
そこを構造で防げるのが、この2段構えの強みです。
僕がAIコンサルで中小企業に入るときも、最初に伝えるのはこの考え方です。
多くの会社は「何のツールを入れるか」から考え始めます。
でも本当に効くのは、その手前の「どの作業をAIに渡すか」を決めることです。
リサーチ、要約、資料の下書きはAIに渡します。
最後の判断と、人と向き合う仕事は人間が握ります。
新しいツールを増やすことより、この割り切りのほうが、何倍も成果に効きます。
南場会長がやっているのも、結局これと同じ役割分担なんです。
ここまでが手法の全体像です。次は、なぜ今これを「新しい」NotebookLMでやる意味があるのかを話します。
第2章:なぜ今"新"NotebookLMなのか|6月8日に頭脳がGemini 3.5になった
南場会長がこの使い方を語ったのは、2025年の初めです。
そこから1年以上が経って、NotebookLMは別物に進化しました。
一番大きいのが、2026年6月8日のアップデートです。
Googleは公式ブログで、NotebookLMをGeminiの新世代である3.5と、Antigravityという土台で動くようにしたと説明しています。
これによって、3つの進化が起きています。
①漠然とした質問からでも、AIが自分でWeb上のソースを探して提案する
②各ノートにクラウド環境を持ち、分析用のコードを書いて実行できる
③調べた結果を、PDFやWord、Excel、PowerPoint、画像など多彩な形式で出力できる
Googleの社内評価では、刷新後のシステムが主要項目の平均65%以上で従来版を上回ったとされています。
ここから先は、誤解を生まないように正直に書きます。
この6月8日の新機能群は、今のところ一番上のUltraプラン(月額14,500円〜)と、一部のWorkspaceビジネス向けが先行で提供されている段階です。
これから順次、ほかのユーザーにも広げていくと公式が明言しています。
つまり「今日から全員が無料でこの新機能を使える」わけではありません。
ここを無料で全部できると書くのは嘘になります。
ただ、ここが大事なところです。
南場会長のやり方は、もともと「自分でPerplexityでソースを集めて入れる」型です。
①の自動探索を待たなくても、手順そのものは今のNotebookLMで再現できます。
しかも「入れた資料の中だけから、出典付きで答える」という核は、元から無料で使えます。
商談相手のリサーチに必要なのは、まさにこの核の部分です。
NotebookLMは無料でも、1つのソースに最大50万語まで入れられます。
50万語は文庫本だと4〜5冊分です。
相手の記事や動画の文字起こしを10本以上放り込んでも、まだ余裕があります。
しかも1つのノートに最大50個のソースを入れられます。
新しい頭脳を使ったフル機能はこれから広がる楽しみとして、まず無料でできる手順から試すのが現実的なんです。
ここまでで道具はそろいました。次は、僕が実際に30分で再現した手順を、そのまま見せます。
第3章:素人の僕が10分で再現した全手順|商談相手を丸裸にする
ここからは、僕が架空の商談相手を想定して再現したログです。
専門的な操作は一切ありません。コードも書きません。
①Perplexityで必読記事を集める
まずPerplexityを開いて、こう聞きます。
「○○株式会社の△△さんについて、必読の記事・インタビュー・登壇情報を教えてください。出典URL付きで」
すると、関連する記事や動画のURLが、出典リンク付きで返ってきます。
ここで全部を鵜呑みにせず、関係ありそうなURLだけを選びます。
②URLを新NotebookLMに入れる
次にNotebookLMで新しいノートを作り、左の「ソースを追加」から、集めたURLを貼り付けます。
複数のURLは、改行で区切ればまとめて入ります。
YouTube動画もそのまま入りますし、Xの投稿はテキストでコピペして足します。
ここでコツがあります。
相手のインタビュー記事、登壇動画、最近のX投稿と、種類をバラけさせて入れることです。
公式な発言だけだと建前が多く、X投稿だけだと断片的になります。
両方を混ぜると、相手の「本音と建前の幅」まで見えてきます。
入れた瞬間に、新しい頭脳が全部を読み込んで、数十秒で全体の要約を出してくれます。
③チャットで相手を掘り下げる
ここが本番です。中央のチャット欄で、商談に効く質問を投げます。
プロンプト例の紹介です。
1商談準備を手伝うアシスタントとして動いてください。2アップロードした資料だけを根拠に、以下を整理してください。341. この人物が最近くり返し語っているテーマ(3つ)52. 大事にしている価値観・判断基準63. 触れると危なそうな話題(地雷)74. 商談で刺さりそうな切り口(根拠となる発言とセットで)89資料に書かれていない点は「記載なし」と明記してください。10推測は推測だと分かるように書いてください。
返ってきた答えには、すべて「どのソースのどこ」という引用が付きます。
たとえば僕が試したときは、「相手は短期の数字より長期のブランドを重視しています。根拠は登壇動画の中盤の発言です」という形で、発言の場所まで添えて返ってきました。
だから、気になった点はその引用をクリックして、元記事をその場で確認できます。
ここで一次情報を自分の目で見る一手間を入れると、AIの取り違えにも気づけます。
④商談メモに落とす
最後に「この内容を、商談前に3分で読めるメモにまとめてください」と頼みます。
これで、相手の関心・価値観・地雷・刺さる切り口が1枚にまとまります。
ここまでで、かかった時間はだいたい10分でした。
半分以上はPerplexityで記事を選ぶ時間で、NotebookLMの操作自体は5分もかかりません。
初めて触る人でも、慣れれば移動時間の10分ほどで回せる感覚です。
先日、この手順をサロンのメンバーにそのまま共有したら「商談の緊張が減った」と喜ばれました。
相手を知っている状態で会うと、気持ちの余裕がまるで違うんです。
ここで、正直に言っておきます。
この10分が成り立ったのは、相手の公開情報がそれなりにあったからです。
記事も発信もほとんど出てこない相手だと、集まる材料が少なく、ここまでは固まりません。
その場合は、AIに頼りきらず、紹介者経由の下調べや、昔ながらのヒアリングを足す必要があります。
そして、もう1つ伝えておきます。
AIが出してくるのは、あくまで公開情報から組み立てた仮説です。
決めつけて臨むのは危険なので、当日その場で確かめる前提で持っていきます。
ここまでが個人の再現手順です。次は、これを会社の営業でどう武器にするかを話します。
第4章:会社の商談で本当に効く使い方|「取引先専用ノート」を育てる
ここまでは「1回の商談のための準備」でした。
会社で本当に効いてくるのは、その先です。
取引先ごとに「専用ノート」を作って、育てていく使い方です。
やり方はシンプルです。
A社専用のノートを1つ作り、そこにA社の記事だけでなく、過去の議事録・提案書・メールのやり取りも足していきます。
すると、そのノートはA社のことだけを知っている専属アシスタントになります。
次の商談前に「前回A社と決めた方針は何だっけ」と聞けば、その場で出てきます。
「A社が過去に難色を示した点は」と聞けば、地雷も教えてくれます。
社内で担当が変わるときも、このノートを引き継げば、相手の経緯がそのまま渡せます。
属人化していた「あの取引先のことはあの人しか分からない」が、ノート1つで解消するわけです。
1つだけ注意があります。
取引先の機密が混ざる資料を入れる場合は、個人の無料アカウントではなく、会社のWorkspaceなど管理されたアカウントで使うことです。
入れる場所を間違えなければ、これは強力な武器になります。
ここで僕の昔の失敗を話します。
ベンチャー企業で営業をやっていたころ、僕は数で押すタイプでした。
新規開拓のメッセージを300通近く送って、返信は5通あればいいほうでした。
あるとき、量で押すのをやめて、1社ずつ相手のことを調べてから、その会社に合わせた1通を送るようにしました。
そうしたら、返信率が明らかに上がったんです。
リサーチの質が、そのまま結果に直結すると体で分かった瞬間でした。
今は、あのとき手作業で何時間もかけていた相手の下調べが、AIで10分に縮まります。
正直、当時これがあれば、と思います。
1社ずつ丁寧に調べる価値は変わっていません。
変わったのは、その下調べにかかる時間だけなんです。
ここまでで、個人の再現から会社の運用までつながりました。最後に、今日からの動きを3つにしぼります。
第5章:今日からできる3ステップ
長くなったので、最初の一歩を3つに絞ります。
①商談相手を1人だけ決める
→ いきなり全部はやりません。来週会う1人を選ぶだけにします。
②Perplexityで集めたURLを、全部NotebookLMに入れる
→ 集める係と読む係を分ける。これが南場会長の型の核心です。
③移動時間に、チャットで相手を掘り下げる
→ 第3章のプロンプトを貼って、相手の関心と地雷を聞くだけです。
最初は、出てきた答えが少し的外れに感じることもあります。
でも、入れる記事の質を上げれば、答えはどんどん鋭くなります。
大事なのは、いきなり完璧を狙わず、1人分を回しきってみることなんです。
この役割分担を知らないまま、毎回ゼロから相手を下調べし続けるのは、正直もったいないです。
商談1件あたり1時間の下調べが、年に何十件も積み上がれば、それだけで数十時間が消えていきます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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