DeNA の「AI 活用事例 100 本ノック」を NotebookLM でパーソナルコンサルタントに変える方法

@ai_jitan
日本語22 時間前 · 2026年7月16日
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TL;DR

DeNA が公開する膨大な「AI 活用事例 100 本ノック」を NotebookLM に読み込ませ、あなたのニーズを診断して具体的な実行ステップを提案してくれる、パーソナルコンサルタントとして活用する方法を解説します。

DeNAが無料公開した「AI活用100本ノック」。その記念すべき001本目は、NotebookLMでした。

日本を代表するAI企業が、現場の活用事例を100本選び抜いて、その先頭に置いたのが、僕が1年間毎日発信してきたツールだった——正直、ちょっと嬉しくなりながら、101ページを読み込みました。そして断言します。この資料は、いま無料で手に入るAI活用事例集として、間違いなく最高峰です。

ただし、です。この資料、ほとんどの人が「読んで、感心して、終わり」になります。ブックマークして、何本か眺めて、「DeNAすごいな」で閉じる。100本の技のうち、実行されるのは0本。——もったいなさすぎる。

だからこの記事のメッセージは、一言です。南場会長の100本ノック、読むな。NotebookLMに入れろ。

101ページのPDFをNotebookLMにストックした瞬間、この資料は「読み物」から「あなた専用のAI活用コンサルタント」に変わります。あなたの職種に効く技だけを診断してくれて、通勤中はラジオになり、Gemと繋げば毎朝「今日の1本」を提案してくれるコーチになる。

この記事では、その全手順——攻略ノートの作り方、診断プロンプト、コーチGemの雇い方、そして応用編の「自社版100本ノック」の作り方まで、まるごと書きます。

第1章:「AI活用100本ノック」とは何か——なぜこの資料は信頼できるのか

まず、この資料の正体から。中身の凄さは、生まれた経緯を知ると、もう一段深く分かります。

200件の現場事例から、選び抜かれた100本

「AI活用100本ノック」は、DeNAが2025年12月に無料公開した、全101ページのスライド資料です。登録不要、誰でもダウンロードできます。まだの方は、先に手に入れておいてください(この後の手順で、すぐ使います)。

https://fullswing.dena.com/pdf/AI_100tips_slide.pdf

中身は、同社のエンジニア職・ビジネス職・クリエイター職の現場で、実際に使われているAI活用事例が100本

この資料が机上の空論と決定的に違うのは、集め方です。発端は、南場智子会長の「AIにオールイン」という全社宣言。その後、社内から集まった約200件の活用事例から重複や類似を除いて厳選し、2025年7月から毎日1件ずつXで発信していく企画として始まりました。

途中でネタが尽きた後も、担当者が社内の勉強会に参加して、ニッチな活用法をヒアリングしてまで100本を集め切ったそうです。つまりこれは、広報用に作られた事例集ではなく、現場の草の根の工夫を、会社が本気で拾い上げた記録なんです。

成果も出ています。南場会長は2026年3月のイベントで、現場から草の根的にAI活用の話が出てきて全面的にAIネイティブ化が進んでいる、と手応えを語り、AIエージェントを使い倒せば「10倍、あるいはそれ以上」仕事ができる可能性が現実に感じられる、とまで言い切っています。100本ノックは、その変革のエンジンのひとつだったわけです。

資料の中身——全技が「課題→解決策→成果」の型

僕は101ページを読み込んで、構造も分析しました。特筆すべきは、100本すべてが「課題→解決策→成果」の同じフォーマットで書かれていることです。「何に困っていて、どのAIをどう使ったら、何がどれだけ良くなったか」。1本1本が、再現可能なレシピの形をしている。

登場するツールの分布も面白い。最多はGeminiで、Cursor、NotebookLM、GAS(Google Apps Script)、Claude、ChatGPT、GitHub Copilotと続きます。

NotebookLMは30回以上登場し、そして冒頭で書いたとおり、001本目がNotebookLM(Webサイトをソース化して、法律やガイドラインの読解を爆速化する技)。エンジニア向けの技からビジネス職の資料作成まで、職種横断で網羅されています。

雰囲気が伝わるように、中身をいくつか拾ってみます。

  • SQLを自動生成させて、4時間かかっていた作業を30分に圧縮した技
  • AIに自分専用のChrome拡張機能そのものを開発させた技
  • メールの内容からカレンダー登録までを一気に済ませる技
  • 資料作成が3日早くなった、という制作系の事例

読んでいて気持ちいいのは、どの技にも「盛った感」がなく、現場の人が自分の面倒を潰した生々しさがあることです。そして面白いことに、この連載で紹介してきたNotebookLM活用の型(ストックして聞く、チャットボット化する、GASと組む)と重なる技が、いくつも出てきます。日本最高峰の現場と同じ方向を向いていた、というのは、読者のあなたにとっても心強い答え合わせのはずです。

——ここまでが、調査パートです。文句なしの一級資料。では、なぜこれが「読んで終わり」になってしまうのか。次の章で、その構造を解いてから、解決に入ります。

第2章:なぜ、100本読んでも1本も実行されないのか

厳しい問いから始めます。あなたはこの資料を、もうダウンロードしましたか。ダウンロードした人——何本、実行しましたか。

責めているのではありません。実行されないのには、資料の質とは関係ない、構造的な理由が3つあるんです。

理由①:100本のうち、あなたに効くのは20本くらいだから

100本は、エンジニア・ビジネス・クリエイターの全職種向けです。つまり、どんな読者にとっても、8割は「自分の仕事には直接関係ない技」

営業職の人がCursorのコーディング技を読んでも、明日の仕事は変わりません。問題は、その「自分に効く2割」がどこにあるか、101ページをめくって自力で探すしかないことです。宝は確かに入っているのに、宝の地図がない。

理由②:これは「読む資料」ではなく、「引く資料」だから

事例集の正しい使い方は、小説のように頭から読むことではありません。困ったときに、該当する技を引くことです。辞書を頭から読破する人がいないのと同じ。ところがPDFという形式は、「引く」のが苦手です。検索はできても、「経費精算がつらいんだけど、効く技ある?」という曖昧な悩みでは引けない。だから、一度通読して、そのまま二度と開かれない。

理由③:「読んだ」と「できる」の間には、翻訳が必要だから

そして最大の理由がこれです。事例には「DeNAの現場でこう使った」と書いてある。でも、あなたの会社のツール環境、あなたの業務フローは違います。事例を自分の仕事に「翻訳」する工程——ここで、ほとんどの人の手が止まる。感心と実行の間にある谷は、意欲の谷ではなく、翻訳の谷なんです。

——お気づきでしょうか。この3つ、「診断してくれる誰か」「曖昧に聞ける誰か」「自分用に翻訳してくれる誰か」がいれば、ぜんぶ解決します。その誰かを、いまから作ります。

第3章:「100本ノック攻略ノート」を作る——資料が、コンサルタントに変わる

やることは、シンプルです。NotebookLMで新規ノートブックを作り、「AI活用100本ノック」のPDFをソースとして追加する。

名前は「100本ノック攻略ノート」。以上、開店です。ここから、この1冊が3つの顔を見せてくれます。

①あなた専用の「診断コンサルタント」

まず、第2章の理由①と③を、一撃で潰します。開いたノートに、このプロンプトを打ってください。

私は〔職種・役割〕です。いま特に困っているのは 〔悩み・時間を取られている業務〕です。

ソースの「AI活用100本ノック」から、私に効果が大きい順に 技を5本選んでください。それぞれについて、 ・何本目の、どんな技か ・私の業務に、どう当てはめるか(翻訳して) ・今日できる、最初の一歩 をセットで示してください。

〔職種〕と〔悩み〕を埋めるだけです。「営業事務で、毎月の報告書づくりに追われている」——そう伝えれば、100本の中からあなたに効く技だけが、あなたの業務に翻訳された状態で、優先度順に出てきます。

返ってくる答えのイメージは、こうです。

「1本目のおすすめは◯◯本目の技です。DeNAではSQL生成に使われていますが、あなたの報告書業務なら、スプレッドシートの集計指示に置き換えられます。最初の一歩は、いつもの集計作業を1つ選んで、その手順をAIに文章で説明してみることです」

——技の紹介ではなく、あなたの月曜日の行動が出てくる。これが「引ける」ということです。101ページをめくる旅は、もう不要。悩みが変わるたびに何度でも聞き直せるのが、PDFを「引ける資料」に変えた最大の恩恵です。

②一枚で見渡せる「100本の地図」

次に、マインドマップをワンクリック生成してください。100本の技が、テーマごとに枝分かれした一枚の地図になります。

これが効くのは、「何を聞けばいいかすら分からない」段階です。地図を眺めて、「へえ、議事録系だけでこんなにあるのか」「このデータ分析の枝、気になるな」と、気になる枝をクリックすれば、そのままチャットで深掘りできる。全体像を掴んでから引く、という辞書の正しい歩き方が、視覚的にできるようになります。

③通勤中に聴ける「100本ノック解説ラジオ」

仕上げに、音声概要を生成しましょう。2人のAIが、100本ノックの内容を対話形式で解説してくれる音声番組が、ボタン一つで出来上がります。

101ページを読む時間は取れなくても、通勤の20分なら毎日ある。日本最高峰の事例集の解説ラジオを、朝の電車で流す。「今日、あの技を試してみようかな」という気持ちは、たいていこういう時間に生まれます。机に向かう気合いより、耳に流し込む仕組み。学びを続ける秘訣は、いつだってこっちです。

第4章:Gemと繋いで、「今日の1本コーチ」を雇う

攻略ノートで「引ける」ようになりました。この章では、もう一段進めます。向こうから毎日、技を持ってきてくれる存在を作るんです。

「引く」から「届く」へ——コーチが要る理由

診断プロンプトは強力ですが、1つだけ弱点があります。あなたが聞きに行かないと、始まらないことです。人間は、便利なものでも「自分から取りに行く」ことを、驚くほどサボります。ジムの会員権と同じです。

だから、コーチを雇います。GeminiのGem(自分専用のAIアプリ)に攻略ノートを紐づけて、「私の職種を理解した上で、毎朝『今日の1本』を提案し、実装まで伴走せよ」という人格を仕込む。すると、あなたは毎朝Gemを開いて「今日の1本」と打つだけ。100本ノックが、読む資料から、届く習慣に変わります。

「今日の1本コーチ」Gem用プロンプト全文

GeminiでGemを新規作成し、ナレッジに攻略ノート(NotebookLM)を紐づけて、指示欄にこれを貼ってください。

# あなたの役割 あなたは、紐づけられたNotebookLM(DeNA「AI活用100本ノック」を ストック済み)を教材とする、私専属の「AI活用コーチ」です。 100本の技を熟知し、私の仕事に合わせて「今日の1本」を提案し、 実装まで伴走してください。

# 最初のセッションでやること 私の「職種・主な業務・使えるAIツール・1日のうちAIの練習に使える 時間」をヒアリングして、以降の提案の前提にしてください。

# コマンド ・「今日の1本」→ 私の職種と、これまで実施した技の履歴を踏まえて、  次に取り組むべき技を1本だけ提案する。  提案の形式:何本目のどんな技か/私の業務への当てはめ方(翻訳)/  所要時間の目安/今日やる最初の一歩 ・「実装」→ 直前に提案した技を、私の環境で実行できる具体的な  手順に落とす。作業に必要なプロンプトがあれば、その場で作成する ・「別の」→ 提案が合わないとき。合わなかった理由を一言聞いてから、  別の1本を提案する ・「できた」→ 実施を記録し、簡潔にねぎらい、その技の応用先を  一言だけ添える ・「振り返り」→ これまでに実施した技の一覧と、まだ手をつけて  いない有望な領域を整理して示す

# ルール ・一度に提案するのは、必ず1本だけ。焦らせないこと ・技の内容は、必ずソース(100本ノック)の記述に基づき、  何本目かを明示すること ・私の職種に合わない技を、無理にすすめないこと。  100本の制覇がゴールではなく、私の仕事が楽になることがゴールです

このコーチの設計思想は、「1日1本、あなた用に翻訳して、最初の一歩まで」に尽きます。100本を一気に浴びせるのではなく、今日の1本だけ。しかも「実装」コマンドで、必要なプロンプト作成まで面倒を見てくれる。

第2章で話した「翻訳の谷」に、毎日橋を架けてくれる存在です。週2〜3本のペースでも、3か月後には、あなたの仕事にDeNA仕込みの技が20〜30本、実装されている計算になります。

第5章:応用編——「自社版100本ノック」を作る

最後は、視点を個人から組織に上げます。この章は、社内でAIを広めたい人への提案です。

DeNAの本当の凄さは、100本ではなく「集めた仕組み」

第1章を思い出してください。100本ノックの原資は、南場会長の宣言のあとに社内から集まった約200件の現場事例でした。つまりDeNAの本当の凄さは、100本の技そのものより、現場の工夫が自然に集まり、共有される仕組みを作ったことです。

そして、この仕組みは、あなたの会社でも再現できます。必要なのは、大企業の予算ではありません。Googleドキュメント1枚と、NotebookLM1冊です。

作り方——ドキュメント1枚から始める

Googleドキュメントを1枚作り、「自社版AI活用100本ノック」と名付けます。書式は、本家に倣ってこれで統一。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【何本目】001

【使ったAI】

【課題】(何に困っていたか)

【解決策】(どのAIを、どう使ったか)

【成果】(何が、どれだけ良くなったか)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

社内で「AIでこれ楽になったよ」という話を聞くたびに、本人に頼んでこの型で書いてもらう(あるいはあなたがヒアリングして書く)。書けたらドキュメントに追記して、このドキュメントをソースにした「自社版100本ノックノート」を全社に共有する。

Googleドキュメントは自動でNotebookLMに同期されるので、事例が増えるたび、ノートは勝手に賢くなります。社員は「うちの会社で、実際に動いた事例」を、いつでも診断プロンプトで引ける。

大事な注意をひとつ。事例に含まれる取引先名・個人名・具体的な数値は、書式に落とす段階で匿名化してください(「A社」「Bさん」に置き換え)。事例集は共有してこそ価値がある分、機密の管理はいつも以上に厳格に。

それから、本家DeNAの資料をチームで使いたい場合は、あなたのノートを配るのではなく、公式の公開ページのリンクを共有して、各自のノートに入れてもらう形がスマートです。

月1本でもいい。1年後、あなたの会社に「12本ノック」がある

「100本なんて集まらないよ」——大丈夫です。月に1本でも、1年で12本。12本の自社事例集を持っている会社は、日本にほとんどありません。

そして事例集には、不思議な力があります。載った人は嬉しくて次の工夫を探し、読んだ人は「自分もやってみようかな」と真似を始める。DeNAで起きた草の根の連鎖の、ミニチュア版が回り出す。

かつて僕は、凄いプロンプトを配って誰にも使われない孤独を味わいました。いま思えば、配る前に「集める」から始めるべきだったんです。人は、他人の凄い技より、隣の席の人の小さな工夫に動かされる。自社版100本ノックは、その連鎖の装置です。あなたの会社の001本目を、まずあなた自身の事例で書いてみてください。

まとめ:最高の教材は、ストックした人のものになる

整理します。DeNAの「AI活用100本ノック」は、200件の現場事例から選び抜かれた、いま無料で手に入る最高峰のAI事例集。でも、PDFのまま読むだけでは、あなたに効く2割は埋もれ、翻訳の谷を越えられず、実行は0本で終わります。

だから、NotebookLMに入れる。すると診断コンサルタントになり、一枚の地図になり、通勤ラジオになる。Gemと繋げば「今日の1本」を届けてくれるコーチになり、仕組みごと真似すれば、あなたの会社の事例集の種にもなる。資料の価値は、読んだ人ではなく、ストックして使い倒した人のものになります。

今日の一歩は5分です。第1章のリンクからPDFをダウンロードして、NotebookLMに入れて、診断プロンプトにあなたの職種と悩みを入れて送る。返ってきた5本の中の1本が、あなたの明日の仕事を変えるかもしれません。001本目にNotebookLMを選んだDeNAに敬意を込めて——その入口から、100本の世界へどうぞ。

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