上司に迷惑をかけたとき、すぐに謝れる人は誠実だと思われます。
ただ、謝っているだけで、結局は相手の仕事を1つも減らせていない人が、意外と多い。謝られた上司のほうは、謝られたぶん気をつかって、最後はその仕事を自分で片づけていたりします。
僕は以前いた会社で、経営会議の書記をしていました。書記といっても、アジェンダの準備から当日の司会、時間の管理、議事録まで、ひと通り全部です。経営陣のすぐ横で仕事をしていたので、評価がぐんぐん上がっていく人と、そうでない人の違いを、かなり近くで見ることになりました。
そこで見えた共通点を一言でいうと、仕事ができる人は「上司の仕事を奪う人」です。
上司の仕事を増やしているかぎりは、どれだけ頑張っても評価されない。減らして、減らして、「全部この人に任せておけば、自分はめちゃくちゃ楽だ」と思わせる…そういうゲームです。
ただ、いきなり上司の判断まで奪おうとしても、まずうまくいきません。奪うのには、順番があります。
━━━━━━━━━━━━━━
奪う順番は、下から5段
━━━━━━━━━━━━━━
任せてもらえる範囲は、下の段が片づいてから、ひとつずつ上に広がっていきます。「段ごと」に、やりがちなことと、奪う人がやっていることを並べておきます。
①段取り
やりがち … 頼まれてから、日程の調整を始める
奪う人 … 頼まれる前に、日程と議題を押さえている
上司が自分で手を動かしている細かい仕事から、まず引き取る段です。
②情報集め
やりがち … 分からないことを、そのつど上司に聞く
奪う人 … 「誰に聞けばいいか」を一覧にして渡す
上司が探しものをする時間を、なくす段です。
③たたき台
やりがち … 「どうしましょうか」と白紙のまま相談する
奪う人 … 外れていてもいいので、先に1枚作って持っていく
ここから先は、上司の”考える時間”を奪う段になります。
④仕分け
やりがち … 上げなくていい話まで、全部上げる
奪う人 … 上げる話と自分で片づける話を分け、上げる量そのものを減らす
上司がやるべき仕事量が減るので、上司の1日が目に見えて軽くなります。
⑤決まる状態づくり
やりがち … 背景に「〜らしい」と書いたまま、資料を出す
奪う人 … 背景と課題を事実で固め、上司は決めるだけの状態で場に出す
書記をしていた頃、いちばん気をつかっていたのがここでした。アジェンダの背景と課題に「〜らしい」「〜と思う」を書かず、数字と事実だけにしておくと、会議は決めるだけで終わる。
①と②までは「助かる人」で終わりますが、③から上に手が届くと「任せられる人」になります。評価の上がり方が変わるのは、ここからなんです。
━━━━━━━━━━━━━━
奪っていいのは、仕事まで
━━━━━━━━━━━━━━
ひとつだけ、気をつけたいことがあります。
奪っていいのは作業と準備までで、決める役目は上司に残しておくこと。⑤まで手が届くようになると、つい自分で決めてしまいたくなるのですが、それをやると上司の仕事は減るどころか、確認とやり直しで増えてしまいます。
決めるところまで整えて、最後の「それでいこう」は上司に言ってもらう。それで初めて、奪ったことになります。
━━━━━━━━━━━━━━
いま、何段目にいるか
━━━━━━━━━━━━━━
自分がいまどの段にいるかは、次の5つを上から順に見ていくと分かります。
①会議の日程調整を、上司にさせていない
②上司が探しものを始める前に、情報を渡せている
③相談するときは、たたき台を持っていっている
④上司に上げる話を、自分で選んでいる
⑤上司が決めるだけの資料を、出せている
最初に「できていない」と思った番号が、次に奪いにいく段です。
━━━━━━━━━━━━━━
振り返ってみると、経営会議の書記というのは、経営陣の仕事を下から奪い続ける仕事でした。日程を押さえ、資料を整え、決めるだけの状態にして場に出す。毎回やっていたのはそれだけで、特別な才能が要る仕事ではありませんでした。
上司の仕事が1つ減ると、上司はその時間で、上司にしかできない仕事ができます。明日、上司の手元にある仕事を1つだけ、黙って先に片づけておいてください。
━━━━━━━━━━━━━━
「世界中のすべての企業で、お客さまとの距離が一歩もう一歩近づく世界を創る」をミッションに、パキシーノ株式会社をやっています。
みなさんの会社の役員のような形で他社の中に入って、マーケティングと開発と新規事業を、代わりに担当しています。
・代理CMO … 集客を上流から実行まで(SEO/LP+広告/YouTube/SNS)
・代理CTO … 開発を上流から実行まで
・代理COO … 売上を上げるために、できることを何でも
どんな人間が書いているかは、こちらに置いています。
「点を取る人には、なれませんでした」
https://x.com/masudak/status/2104511612552130583
名前:増田 謙一
仕事:パキシーノ株式会社 代表取締役
ファンコミュニケーションズ、サイバーエージェントを経て、2016年からメルカリ。エンジニア、PMO、HD経営戦略室で、経営会議の運営と中長期計画のPDCA、社員200名へのインタビューによる組織課題の改善を担当。2022年に独立。
会社の中で「決まらない・動かない」に困っている方に向けて発信しています。
フォローしていただけたら嬉しいです。
https://x.com/intent/follow?screen_name=masudak━━━━━━━━━━━━━━





