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「投げちゃダメ!」と言う前に:2歳児のフラストレーションを言葉に変える方法

@Hanana_edu
日本語2026年10月03日
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TL;DR

幼児の癇癪は、自分のニーズを言葉で表現できないことから生じることが多いという専門家のガイドです。「投げる」といった行動の代わりに、「助けて」など簡単なリクエストの言葉を教える戦略を提供します。

ある日…親子教室で、こんなことがありました。2歳の子が、自分で上履きを履こうとしていたのですが、なかなかうまく履けません。

だんだんイライラしてきて、とうとう上履きをポイッ。

お母さんが拾いに行って「投げないよ」と差し出しますが、「イヤ!」と言いながら、またポイッと投げます。

そこで、「履かないのね」とお母さんが上履きをしまうと……「イヤァァァ~!!」と今度は怒る。

\どっちやね~ん!!/

……と思いますよね(笑)そんな様子にママもイライラ。いい加減にしてよ!と思わず言いたくなる場面です。

でも、この子の行動を「ことば」に翻訳してみると、少し違って見えてきます。

「自分で履きたい。でも、うまくできない。できなくて悔しい。でも、履きたくないわけじゃない。どうすればいいのか分からない。」

そんな状態だったのかもしれません。

さて、このような2歳児さんには、どのように働きかければよいのでしょうか?

発達の背景を知り、子どもの行動を理解できるようになると、親側のイライラが和らぎ、関わり方の選択肢も増えていきます。

私自身が、イライラを手放すうえで助けられてきた考え方をまとめたロードマップを作っています。よければ、こちらから受け取ってくださいね。

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この記事では、2歳児の発達の背景と、言語聴覚士の先生方から学んだ知見をもとに、「投げる・癇癪」をどう捉えるか考えていきます。

1|発達理解:すべての力が同じ速度で育つわけではない

えっこっこ@幼児教室 on X — cover

発達の不均衡と呼ばれます

2歳頃になると、自分で出来ることがどんどん増えてきます。歩ける、走れる、物を持てる、投げられる。そして、「こうしたい」という意思もかなりはっきりしてきます。

一方で、「自分でやりたかった」「うまくいかなくて悔しい」「ここだけ手伝ってほしい」「それは違う」といった状態を、瞬時にことばで説明する力はまだ発達の途中です。

さらに、イライラしたときに一度立ち止まったり、自分で気持ちを落ち着けたりする力も、まだまだ育っている最中です。

だから、

「やりたい!」はある。でも

「どう伝えたらいい?」が追いつかない。

そんなことが起こります。

もちろん、癇癪や投げる行動のすべてが「ことばの遅れ」で説明できるわけではありません。疲れ、眠さ、感覚刺激、切り替えの難しさなど、いろいろな要因があります。

ただ、「伝えたいのに伝えられない」ことが、イライラを強めているケースはよくあります。

2|投げない…なら何をすれば良いのか

先ほどの上履きの子。物を投げるという行動は、もちろん減らしていく必要があります。

ただ、投げることを止めるだけではなく、投げる代わりに使える行動(代替行動)を教えることが大切です。

そこで教えたいのが、とてもシンプルなことば。たとえば、

「やって」

です。

自分で上履きを履こうとしたけれど、できない。そんなとき、「やって」と言えば、大人が少し手伝ってくれる。

おもちゃが取れなければ「とって」。容器が開かなければ「あけて」。もっとほしければ「もっと」。

子どもが困っていることに共感し、ことばで表現する方法を根気強く伝え、少しずつ増やしていくのです。

えっこっこ@幼児教室 - inline image

3|「泣けば解決する」以外のルートをつくる

たとえば、子どもがうまくできなくて「うぇーーん!」と泣いたとします。そこで毎回、大人がすぐに全部やってあげれば、

困る → 泣く → 大人が解決してくれる

という経験が積み重なることがあります。

これは「甘やかした」という話ではありません。子どもからすれば単純に、「この方法で伝わった」と学習した、ということです。

だったら、もう一本ルートをつくればいい。

えっこっこ@幼児教室 - inline image

困る →「やって」と伝える → 手伝ってもらえる

まだ「やって」が言えなければ、「やって、だね」と大人が代わりにことばを添えながら助けてもいい。

そして、自分から「やって」と言えたときには、ちゃんと応える。ことばを使うと伝わる。ことばを使うと困りごとが解決する。

その経験そのものが大切なんです。

言えたら、要求に応えるだけではなく、ことばを使えたこと自体にも、しっかり注目してあげましょう。

えっこっこ@幼児教室 - inline image

4|実際に起きた行動の変化

さて、冒頭で登場した、靴を投げるお子様はその後どうなったのか。

私はお母さんに、「やって」「とって」などの簡単な要求言語を、日常の中で教えてみてくださいとお伝えしました。

困ったときに、ことばで助けを求められるようにしていく。つまり、「行動で訴える」以外の解決方法を増やしていったんですね。

それから1〜2か月後。ご家庭でも教室でも、物を投げる行動は見られなくなっていました。

もちろん、これは一人の子どもの経過です。「『やって』を教えれば、すべての子の癇癪がなくなる」という話ではありません。

でも私には、とても印象に残っています。

この子は「物を投げる子」だったのではなく、

困ったときに、どう助けを求めればいいのか分からなかった子だったのかもしれない。

そう考えると、大人ができることも変わります。

5|言葉を教える前に、コミュニケーションの土台はできていますか?

ここが、私はすごく大事だと思っています。

ことばを増やしたいからといって、「なんて言うの?」「やって、でしょ?」「ほら、言ってごらん」と、ことばだけを何度も要求する。

それでは、コミュニケーションが子どもにとって「テスト」になってしまうことがあります。

ことばは本来、誰かに何かを伝えたいから使うものです。

だから私は、ことばそのものを教えるだけでなく、子どもが何を見ているのか、何をしようとしているのか、何を伝えようとしているのかを見ることも、とても大切だと思っています。

6|コミュニケーションの土台をつくる方法

ここで参考になるのが、インリアル・アプローチです。

インリアルでは、大人が一方的に教え込むのではなく、静かに待つ、よく観察する、子どもの意図を理解しようとする、ことば以外のサインにも耳を傾ける、といった姿勢を大切にします。

そのうえで、子どものしていることをことばにしたり、子どもの発したことばを少し広げたりして、やり取りを育てていきます。

えっこっこ@幼児教室 - inline image

日本でも、インリアルの考え方に沿って子どもの行動の意図を読み取りながら関わることで、それまで「固執」のように見えていた行動が、大人とのやり取りの接点に変化した事例研究があります。

もちろん、こうした研究は対象や研究デザインが限られているので、どんな子にも同じ効果があるとは言えません。

ただ、まず子どもの伝えようとしていることを受け取り、そこにことばを添える。

この考え方は、日常の親子のやり取りでも、とても参考になります。

7|大人が見せたいものより、まず子どもが見ているものを見る

たとえば道を歩いているとき、お母さんがパトカーを見つけて「ほら! パトカーがいるよ!」と指差したとします。

でも、そのとき子どもが見ていたのは、目の前の犬だった。

えっこっこ@幼児教室 - inline image

そんなときはまず、「ワンワンいたね」と、子どもの視線の先にあるものをことばにしてみる。

これだけでも、「あなたが見ている世界を、私も見ているよ」というやり取りになります。

そこから子どもがこちらを見る。また大人が応える。

こうした小さな往復の積み重ねが、コミュニケーションの土台になっていきます。

教室でも、ここがすれ違っている親子を本当によくお見かけします。

8|ことばは「水鉄砲」に似ている

私は、ことばの発達を水鉄砲に例えて説明することがあります。

タンクの水は、語彙。

水の出口は、口の動き。

そして引き金は、「誰かに伝えたい」という気持ちです。

えっこっこ@幼児教室 - inline image

たくさん理解していても、発音する力がまだ追いつかないこともあります。

反対に、ことばを口にできても、「誰かに伝えたい」「伝えたら返ってきた」という経験が少なければ、コミュニケーションとしてのことばは育ちにくいかもしれません。

だから、「言ってごらん!」だけではないんです。

子どもが見ているものをことばにする。子どもの行動にことばを添える。そして、伝えたらちゃんと伝わる。

そうやって、「ことばって便利だな」「また伝えてみたいな」という経験を増やしていく。

私はこれが、ことばが育ちやすい環境をつくることだと思っています。

まとめ:「物を投げる・癇癪を起こす」に困った時、思い出してほしい3つのこと

子どもの困った行動に悩んでいる方は、ぜひスクショして、子どもが荒れている時に思い出してみてくださいね。

✔ 「この子、本当は何て言いたい?」と考える

投げる、泣く、噛む。その行動だけを見るのではなく、「やって」「とって」「自分でやりたかった」など、行動の後ろにある気持ちを翻訳してみます。

✔ 投げる代わりに使える行動を教える

「やって」「とって」「あけて」など、困った時に使えるシンプルな要求言語を増やします。行動を止めるだけでなく、代わりの伝え方を渡すことが大切です。

✔ ことばを言わせるより、まず“伝わる経験”を増やす

子どもが見ているものに言葉を添える。伝えたら応えてもらえる。その小さなやり取りの積み重ねが、「ことばを使ってみよう」につながっていきます。

子どもと向き合うと、どうしてもイライラしてしまう。優しく接しようと我慢すればするほど、ある日爆発してしまう。

実は……私もそうでした。

なぜ私が、イライラを手放し、子どもを信じて待てる母へと変わることができたのか。その過程を、ロードマップにまとめています。

また、私自身が助けられてきた心理学・脳神経学の知見をもとに、小冊子や明日から使えるシートなど、10点を配布しています。

私自身の「もっと早く知りたかった」を、ぎゅっと詰め込みました。

えっこっこ@幼児教室 - inline image

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はじめて私を知ってくださった方へ。

幼児教室の教員として、そして母として、子どもと関わる中で学んできたこと、気づいたことをまとめています↓

https://x.com/Hanana_edu/status/2103282481118253412

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