AI は、とんでもなくチート級の人間を生み出していく。
想像してみてほしい。自分の発明を軸に 1000 億ドル規模の企業を築き、オリンピックで金メダルを獲得し、アカデミー賞受賞作を監督した人物を。そのうえ、医学研究で 5 つの病気を完治させ、体つきはギリシャ神話の神々のようだとしたら。
今は狂っているように聞こえるだろう。だが 15〜20 年後には、そうでもなくなる。
時代は猛烈なスピードで変わっている。「一つの道を選んで集中しろ」という考え方は、前の世代のメタだ。
今では、かつては特定のスキルを持つ 10 人の従業員が必要だった会社全体を、その 10 の分野について大して詳しくなくても、ほぼ一人で回せてしまう。
これがパラダイムシフトだ。以前なら始めるだけでもチーム総出だった仕事を、一人で引き受けられるようになった。
だが、多くの人が見落としていることがある。
これらのツールを使っているほとんどの人は、それをしていないのだ。
ツール、またツール、さらにツール。新しいプラグインが出れば試す。新しいモデルが出ればベンチマークを取る。新しいワークフローのスレッドがバズれば、スタックを組み直す。
半年後、どこにも到達していないことに気づく。フィードが報いるのは「新規性」であって、「リリースすること」や「稼ぐこと」ではない。だからあなたは、フィードに餌を与え続ける。
自分は時代の先を行っていると思うかもしれない。これを読んでいる大半の人はそう思っている。それこそが問題なのだ。
去年、「自分は AI の最前線にいる」と思い込んでいた人間が 100 万人はいた。彼らはもう発信していない。諦めたからではない。自分が考えていたことを、他の誰かが先にリリースしたからだ。
競争相手はモデルではない。あなたがスクロールしている間に、それを使いこなしている人間だ。
ユーザーが一向に見つからないサイドプロジェクトをリリースし続けている人もいる。30 人しか必要としていないものの 14 個目のバージョンを作っている人もいる。AI を、複数の領域で脅威になれる「武器」ではなく、カジュアルなビデオゲームのように扱っているのだ。
30 人しか抱えていない課題のために、14 個目の AI エージェントを作るのはやめろ。道路を渡るためにロケットを作っているようなものだ。より優れたモデルが出れば、あなたのツールは数ヶ月で無料機能に成り下がる。その間も一貫して発信し続けた男には、彼を愛する 1 万 5000 人のファンがついている。売ってマネタイズするのは、あなたではなく彼だ。
だからこそ、今この瞬間、ディストリビューション(流通・集客力)がかつてないほど重要になる。ディストリビューションこそが、疑いようのない「堀の中の堀」だ。センス(Taste)が新たなキングメーカーとなる。
AI についての最大の嘘は、「競争条件を平等にする」というものだ。実際は真逆のことをする。
主体性の高い人間は、フルスペックの脳とフルスペックの AI を駆使して、かつては企業丸ごと必要だったことをやってのける。怠惰な人間は、もっともらしい言い訳を作り、書き連ねるのに使っている。
今は歴史上、物事を「やり遂げる」のに最高の時代であり、「待つ」には最悪の時代だ。
私は毎日、過去の思考法に縛り付けられたままの人々と数多く出会う。
「資金調達ができたら…」
「ちゃんとしたチームが揃ったら。」
「デザイナーさえいればいいんだけど。」
悲しいことに、彼らはその場に留まり続けるだろう。
主体性。主体性。主体性。
言い訳メーカーのカテゴリーに入り、「できない理由」を探し続けることもできる。あるいは、AI を使いこなしながらリスクを取り、手を動かして解決策を見つけ出し、リリースする側になることもできる。
今でも、ピッチデッキだけでアイデアを売り込んでくる人がいる。デモもない。画面もない。モックデータすらない。
実物を見せてくれ。ダッシュボードにダミーデータを入れろ。プロダクトの感触を味わわせてくれ。ワクワクさせてくれ。AI を使えばできる簡単なことすらやらないのに、資金を得た後の難しいことをやり遂げると、なぜ誰も信じられようか?
今、希少なリソースは「主体性」と「センス」だ。実際に何が求められるのかを見極め、たとえ自分の専門外であっても、最初は下手であっても、それをやり遂げる意志のことだ。
22 歳である必要はない。
すでにこれらのツールを使っていて、まだブレイクスルーを起こせていないなら、倍プッシュし、さらに 3 倍プッシュする人間が、あっという間に差をつけていく。残りの人々は、周囲でツールが強力になっていくのを横目に、どうでもいいものを作り続けるだろう。
私はこれからの 10 年を、まだ挑戦したことすらない分野で自分がどこまで上手くなれるかを試すことに費やす。
ツールは進化し続ける。
勝つのは、最も多くのツールを知っている人間ではない。一つを選び、徹底的に深く掘り下げる人間だ。
すでに AI をそれなりに使いこなせているのに勝てていないなら、問題はモデルではない。あなた自身だ。言い訳をしている。王になろうとする吸血鬼のような思考ができていないのだ。





