私はこれまで後輩力、戦略的愛嬌みたいな話をしつこく発信してきた。
で、その中でずっとやりたかったテーマがある。
「褒め方」です。
正直に告白すると、私は昔「すごい」「さすが」を連発する人間でした。で、ある日気づいた。相手の顔が思ったより嬉しそうではないことに。
届いてない。そんなに響いてない。
そこから褒め方を考え直した。結論から言うと「すごい」が届かない理由は、褒めてるようで"採点"しているから。
「すごい」は上から下への評価。先生が生徒に丸をつける構図に他ならない。だから言われた側は嬉しい反面、どこか品定めされた感覚が残る。
じゃあどうするか。公式はこれ。
褒め=「事実」+「自分への影響」
採点をやめて、相手から受けた影響を白状する。理屈より実例のほうが速いので、私が実際に使っている翻訳を一気に並べる。
保存して、明日から使ってほしい。
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仕事編
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「資料すごいね」は、
「あの構成、真似したくてスクショした」
「さすが、仕事早いね」は、
「あの速さのおかげで、私の午後が丸ごと空いた」
「プレゼンよかったよ」は、
「3枚目のスライド、帰りの電車でずっと考えてた」
「気が利くね」は、
「あれ先回りされてたの、あとで気づいてゾッとした」
「頼りになるね」は、
「あなたがいると思うと、挑戦する怖さが半分になる」
「発想が面白いね」は、
「その視点、会議のあと3人に話した」
「説明わかりやすいね」は、
「あなたの説明のあと、質問がひとつも浮かばなかった」
「メールの文面いいね」は、
「返信の書き出し、こっそり真似してる」
「フォローありがとう」は、
「あの一言がなかったら、たぶん今日心折れてた」
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日常編
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「料理うまいね」は、
「この味、外で出てきたら普通にお金払う」
「センスいいね」は、
「その組み合わせ、思いつかなくて二度見した」
「話が面白いね」は、
「気づいたら2時間経ってた。時間泥棒すぎる」
「聞き上手だね」は、
「あなたと話すと、考えが勝手に整理されていく」
「いつも明るいね」は、
「あなたが来た瞬間、その場の空気ゆるむの知ってる?」
「字がきれいだね」は、
「あの付箋、捨てられなくてまだ取ってある」
「写真うまいね」は、
「私が写ってる写真で、はじめて自分を好きになれた」
「頑張ってるね」は、
「あなたの姿見て、私もサボれなくなった」
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「目上の人」編
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じつは「さすがです」は、目上に使うと採点になって失礼にあたる。でも上司や先輩を褒めたい場面は多いはず。ここでも影響翻訳が効く。
「勉強になります」は、
「あの判断、ノートに書いて持ち歩いてます」
「尊敬してます」は、
「迷ったとき『●●さんならどうするか』で考えるようになりました」
「さすがですね」は、
「あの切り返し、家で妻に話しました」
「すごい経験ですね」は、
「その話、お金取れるレベルなので独り占めしたいです」
「お上手ですね」は、
「メモが追いつかなかったので、また聞かせてください」
「かっこいいです」は、
「●●さんって、男から見ても色気あります」
「きれいですね」は、
「お母さん、絶対美人ですよね?」
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番外編:「自分」への言い換え
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最後に、ここまで読んでくれた人だけに一番大事な話を。この翻訳、じつは自分にも使える。
「今日の自分えらい」は、
「今日の自分のおかげで、明日の自分がちょっと楽になった」
「よく頑張った」は、
「半年前の自分が見たら、たぶん驚いてる」
「もう歳だから」は、
「人生で一番経験値が高い自分が、今ここにいる」
自分を採点し続けると、しんどくなる。自分にも、評価じゃなくて影響を。
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褒め方の技術は、観察の技術
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この30個、暗記する必要はない。
「相手が自分に何をくれたか」を思い出せば、言葉は勝手に出てくる。
すなわち、褒め方の技術とは「観察の技術」に他ならない。
とはいえ最初は確実に言葉に詰まるので、詰まったときのカンペとして、この記事を保存しておいてほしい。
あなたが最近言った「すごい」は、誰に向けた言葉だったでしょうか。
その人から受け取った影響を、言葉にできているでしょうか。
今日、一人だけでいい。翻訳して渡してみてほしい。
…ここまで読んでくれたあなた、すごい。
いや、違うな。
あなたが読んでくれたおかげで、この記事は完成しました。
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