長く精神科医として活動していると、こんな質問をいただくこともあります。
「最近、死ぬのが怖くない。」
「衝動的になっている気がする。」
「この場合、入院になりますか?」
「まだ私は大丈夫でしょうか?」
まず最初にお伝えしたいのは、
「死にたいと思うこと自体は、
実は珍しいことではない」ということです。
もちろん、
軽く扱っていい問題ではありません。
でも、
自分だけがおかしい、
自分だけがこんなことを考えている、
と思わなくていい。
実際、
死にたいと思いながらも、
誰にも言えずに苦しんでいる人は、
非常にたくさんいます。
だからこそ、「一人で抱え込まないことが、最初の一歩」になります。
悩みは、一人では解決できない
自殺に限らず、
深刻な悩みというのは、
一人で抱え込むほど悪化していきます。
世の中の問題解決方法は、
基本的に2つしかありません。
- 自分一人で解決する
- 誰かの力を借りて解決する
このどちらかです。
そして、
本当に苦しくなっている時というのは、
もう一人では解決できない状態なんですね。
だからこそ、「相談する」
ということが必要になります。
誰にも相談しない人ほど危険
実際、
自殺で亡くなった方の調査では、
「3分の2の人が、誰にも相談していなかった」
と言われています。
家族にも言わない。
友達にも言わない。
職場にも言わない。
何も言わず、
突然亡くなってしまう。
逆に言えば、
相談していれば、
助かった可能性もあるわけです。
だから私は、
「死にたいと思ったら、
絶対に相談してください」
とお伝えしています。
死にたい気持ちの背景には、必ず理由がある
大事なのは、
「死にたい」という言葉だけではありません。
その背景です。
人間関係がつらい。
仕事が苦しい。
失恋した。
孤独。
疲れ切っている。
あるいは、
幼少期からのトラウマがあるかもしれない。
何もない状態で、
突然死にたくなることは、普通はありません。
いろんな苦しみが積み重なって、
最終的に、「死にたい」という形になって現れているんですね。
だから、
カウンセラーさんに相談する時には、
「なぜそこまで苦しくなったのか」も含めて、
話してほしいと思います。
「死にたい」は、脳のフリーズ状態
私は脳科学的な立場から、
この問題を考えています。
「死にたい」という状態は、
パソコンで言うと、
フリーズしている状態に近い。
パソコンって、
フリーズしても、
再起動すると直ることがありますよね。
でも、
その瞬間は、「もうダメだ」と思ってしまう。
人間も同じです。
脳が疲れ切って、
フリーズしている。
視野が極端に狭くなって、
「もう方法がない」と感じてしまう。
でも、
休養したり、
相談したり、
治療したりして、
再起動すると、
元気になる人は本当に多いんです。
実際、
当時は本気で死にたいと思っていた人が、
半年後、1年後には、
「なんであんなに追い詰められていたんだろう」と話すケースは珍しくありません。
相談は「問題解決」のためだけじゃない
多くの人が、「相談しても解決しないから意味がない」と思っています。
でも、
相談にはもっと大事な役割があります。
それが、「ガス抜き」です。
人間の心って、
ストレスが溜まると、
風船みたいに膨らんでいきます。
そして、
限界を超えると、
バーンと爆発する。
それが、
メンタル疾患だったり、
自殺だったりする。
でも、
途中でガスを抜けば、
爆発しません。
そのガス抜きが、
相談なんです。
話すだけでも、人は少し楽になる
もちろん、
話しただけで、
全部解決するわけではありません。
でも、
脳科学的にも、苦しみは軽くなるのです。
ストレスは減るのです。
だから、
家族でも、
友達でも、
専門家でもいい。
話してください。
逆に、
あなたの周りに苦しんでいる人がいたら、
全部解決してあげようとしなくていい。
ただ、
話を聞いてあげる。
それだけでも、
相手のガス抜きになる。
相手を少し楽にすることができる。
それは、
とても大きな支えなんです。
一人で抱え込まないでほしい
死にたい。
消えたい。
限界。
そう思った時、
一番危険なのは、
誰にも言わないことです。
だから、
相談してください。
病院でも。
カウンセラーでも。
友達でも。
家族でも。
一人で抱え込まない。
それが、
最初の一歩です。
周りに話す人がいないなら、まずは紙にアウトプット(書き出す)のも良いでしょう。
追伸
最後までお読みいただきありがとうございます。
樺沢のビジョン
「情報発信で、メンタル疾患・自殺を予防する」
この想いで、
毎日、XやYouTubeを更新し、本を書き続けています。
この情報が、今まさに悩み、苦しんでいる人へ届くといいなと思います。
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