9月25日、Microsoftが「新しいCopilot」を発表しました。
公式ブログの締めくくりの言葉は、「聞く、任せる、作る、自動で進める」が1カ所でできる場所。
これまでのCopilotは、ワードやエクセルの横にいて、聞けば答える相手でした。
今回の発表は、その前提を大きく変えるものです。
Copilotの中にワード、エクセル、パワポが入り、仕事を任せ、道具を作り、自分がいない間も仕事を進める。
ただし、今日から会社の画面が変わるわけではありません。
多くは先行プログラムやプレビューから始まり、会社員の手元に届くのはこれからです。
この記事で分かること
・9月25日に発表された13の変化と、仕事の形を変える4つの使い方
・いつ、誰の画面に届くのか
・届く前の今日から、会社員がやっておける準備3つ
日系大手のAI推進マネージャーとして、公式ブログの全文を読んで整理しました。
プログラミングなどは一切いりません。
先に、この発表の元になった投稿を紹介します。
MicrosoftのCEO、Satya Nadella氏自身の投稿です。
https://x.com/satyanadella/status/2103455884366188544
CEOが自分の言葉で紹介するほどの発表だということです。
ここから、13の変化を順に見ていきます。
9月25日に発表された13の変化、まず一覧で
新しい機能
1.Home(仕事の入口がCopilotになる)
2.Office in Copilot(ワード、エクセル、パワポがCopilotの中に入る)
3.Code(自分専用のアプリやダッシュボードを作る)
4.Copilot Managed Runtime(作った道具を社内で安全に動かす)
5.Autopilot(寝ている間も働くデジタルな同僚)
近く来るもの
6.ChatとCoworkとCodeを自動で振り分ける
7.Today(朝の司令塔)
8.Teamsの@Copilot(チーム全員で文脈を共有)
データとつなぐ仕組み
9.Power BIのデータがChatとCoworkで使える
10.Dynamics 365とPower Platformのデータ
11.プラグインをまとめて管理する一覧
お金の仕組み
12.料金が定額と従量課金に分かれる
13.AIの利用額を管理する機能

中でも、会社員の仕事の形を変えるのは、4つの使い方です。
聞く:Chat その場で答えや下書きを返す
任せる:Cowork 成果物まで丸ごと仕上げる
作る:Code 自分専用の道具を作る
自動で進める:Autopilot 指示を待たずに仕事を続ける
そして、この4つの入口が、新しい「Home」。
Copilotを開いたら、まずここから仕事を始める形になります。
1.Home 仕事の入口がCopilotになる

出典:Microsoft公式ブログ
公式の説明では、HomeはChatとCoworkが1カ所に集まる、新しい出発点です。
最近の作業を見返し、Copilotに頼めることの提案を受け、途中だった仕事をそのまま再開できます。
一番大きいのは、Office in Copilotです。
Homeから「提案書を書いて」「予算のモデルを作って」と頼むと、返ってくるのはテキストの答えではありません。編集できる本物のワード、エクセル、パワポのファイルです。
チームがすでに作業しているファイルを開いて続きを頼むこともでき、同僚を@で呼べば、その人の編集もその場で反映されます。
公式ブログによれば、崩れた書式も、散らばった版も、別のアプリで文脈を説明し直す手間もなくなる。
会社員にとっての意味は、「Copilotで文章を作る→ワードに貼る→書式を直す」の往復が消えること。
そして、仕事の始め方が「アプリを開く」から「Copilotを開く」に変わることです。
さらに近いうちに、ChatかCoworkかCodeかを自分で選ばなくても、やりたいことを伝えれば、Copilotが合う方へ振り分けるようになると予告されています。
2.聞くと任せる ChatとCoworkの役割がはっきり分かれる
Chatは、すぐに返ってくる会話型です。
ちょっとした質問、調べもの、下書き、状況の確認に向いています。
Coworkは、任せる仕事のためのものです。
仕事を決めて渡すと、最初から最後まで進めて、完成した成果物を返します。
公式の例は、提案依頼書への回答、製品の発売キット、顧客向けのブリーフィング、決算のまとめ資料です。
言いかえると、Chatは相談相手、Coworkは仕事を任せる担当者。
この区別が、新しいCopilotを使いこなす最初の分かれ道になります。
この使い分けは、新しい画面が届く前から練習できます。
今のCopilotのチャットで、自分の仕事を2つに仕分けておく頼み方です。
1私の今週の予定とメールをもとに、今週の仕事を2つに分けてください。21つ目は、その場で答えや下書きがほしい仕事。32つ目は、成果物まで丸ごと任せたい仕事。4それぞれ理由を1行ずつ添え、判断できないものは無理に分けずに挙げてください。
2つ目に挙がった仕事が、Coworkに渡す候補です。
任せるときは、完成の条件を先に決めておくと、やり直しが減ります。
1(任せたい仕事 例 来月の定例報告資料)を任せる前提で、完成の条件を5つ書き出してください。2誰が読むか、何枚か、どの資料を材料にするか、締め切り、確認してほしい点を必ず含めてください。
3.作る Codeで自分専用の道具を作る

出典:Microsoft公式ブログ
今回いちばん新しいのが、Codeです。
公式ブログによると、これまでの知識労働の単位は、文書、表計算、スライドのファイルでした。そこに4つ目として加わるのが「小さな専用の道具」です。
作りたいアプリ、進捗表、ダッシュボード、自動化を普通の言葉で説明すると、Copilotが作り方を選んで組み立てます。
例に挙がっているのは、デスクトップに置く小さな表示、データを動かして確かめるダッシュボード、チームで共有する社内アプリまで。
中身はGitHub Copilotと同じ技術です。
隔離された環境で動き、会社のMicrosoft 365の中に置ける作り。
作った道具を会社の中で安全に動かす仕組み(Copilot Managed Runtime)も、同時に発表されました。
公式ブログには、こうした道具を作れることが、メモを書いたり予算を組んだりするのと同じくらい基本のスキルになりつつある、という一文があります。
届く前にできる準備は、「道具にしたい手作業」を見つけておくことです。
1私が毎週エクセルで手作業している集計や転記を、最近のファイルとメールから推測して一覧にしてください。2それぞれ、アプリやダッシュボードにすると楽になりそうかを、理由を添えて判定してください。
4.自動で進める Autopilotがデジタルな同僚になる

出典:Microsoft公式ブログ
Autopilotは、以前Scoutと呼ばれていたものです。
名前と役割と目標を渡すと、指示を待たずに仕事を進めます。
チャネルを見張る、スレッドの返信を追いかける、定期の仕事を回す、数日後に止まっていた案件を再開する。
公式の例では、取引先の評価の進め方を丸ごと任せ、日程と逆算の計画づくり、会議の準備と対応、関係者への進捗確認までを進めます。
クラウドで動くので、自分が寝ている間や別の仕事をしている間も働き続けます。
会社の中に自分専用の身元、記憶、作業環境を持ち、TeamsやOutlookでは、同僚と同じように@で呼び出せる存在。
その裏側で効くのが、権限、監査、管理の仕組み。
任せる側に求められるのは、目的と範囲を決めることです。
公式ブログも、目的と境界線を決めるのは人で、Autopilotはその中で動き、人に状況を知らせ続けると書いています。
だから今から練習できるのは、「任せ方を書く力」です。
1私の仕事の中で、毎週同じ手順で繰り返している確認やフォローの作業を3つ挙げてください。2それぞれを、役割、目標、やってはいけないこと、私に報告するタイミングの4つで書き出してください。
部下に仕事を渡すときに書く指示書と、ほとんど同じ形です。
管理職ほど、この準備は早く効いてきます。
これから来るもの TodayとTeamsの@Copilot
Homeには近く「Today」が加わります。
メール、予定、Teams、会議、タスクを横断して、見逃したもの、今すぐ対応すべきもの、後でいいものを並べる司令塔です。
整理するだけではありません。
公式ブログが描く朝は、返信の下書きがすでに書かれ、予定の変更案も用意され、忘れていたフォローも送るだけの状態で待っている、というものです。
10月にプライベートプレビューが始まり、その後OutlookとTeamsにも広がる予定。
Teamsでは、@Copilotを呼ぶと、そのチャネルや会議の文脈と権限をチーム全員で共有できるようになります。
「なぜこの仕様に決まったのか」と聞けば、過去の会話から経緯を集めてくれる。月末までにプライベートプレビューが始まります。
データとつなぐ仕組み 9〜11
9番は、Power BIのデータです。
2,000万を超えるPower BIのデータモデルの中身を、ChatとCoworkが根拠として使えるようになりました。こちらは発表と同時に一般提供です。
会社員にとっては、ダッシュボードを開いて数字を探し、チャットに貼り直す手間が減る話です。
Codeとの連携は、先行プログラムで近く始まります。
10番は、Dynamics 365とPower Platformのデータです。
公式の例では、営業担当が提案書を作るとき、過去の商談や問い合わせの記録をCopilotが資料に直接取り込みます。
こちらは今後1カ月で、パブリックプレビューとして展開されます。
11番は、プラグインの一覧です。
Microsoft製、取引先製、社内製の拡張機能を1つの一覧にまとめ、情シスがまとめて承認と管理をできるようにします。展開が始まっていて、数週間以内に一般提供の予定です。
3つに共通するのは、Copilotが見られる範囲が、メールやファイルの外に広がっていることです。
別のシステムを開いて探し、コピーして貼る往復が、少しずつ消えていく方向へ。
会社員も知っておきたい、お金の話
今回、料金の考え方も2つに分かれました。
・普段の使い方(答え、下書き、要約、分析)は、1人あたりの定額ライセンスの中
・Cowork、Code、Autopilotと、AstraやFableのような最上位モデルは、使った分だけの従量課金
定額の中心にあるのが「Auto」で、依頼ごとに正確さ、速さ、コストを見比べて、合うモデルを選びます。
管理者は、部署ごとに使えるモデルを決めたり、追加の利用枠の申請を承認の流れに乗せたりできます。
会社員に関係するのは、自分の利用枠の残りや使った履歴を、Copilotの中で確かめられるようになることです。
逆に言えば、任せる仕事ほどお金がかかり、会社がどこまで使わせるかを決める時代になります。
「使える範囲が人によって違う」「任せる機能は申請が要る」という状況は、これから普通になるはずです。
自分の会社の方針を、早めに情シスに確かめておくと慌てずに済みます。
いつ、誰の画面に届くのか
公式ブログに書かれている時期を整理します。
・Home:先行プログラム(Frontier)で数週間以内に展開開始
・Code:Frontierで月末から、その後数週間で広く展開
・Autopilot:月末にプライベートプレビューを拡大
・Today:10月にプライベートプレビュー
・Teamsの@Copilot:月末までにプライベートプレビュー
・Codeの個人向け(Microsoft 365 PremiumとPro):年内にプレビュー
・Power BIのデータ:ChatとCoworkで一般提供済み
・Dynamics 365とPower Platform:今後1カ月でパブリックプレビュー
・プラグインの一覧:展開中、数週間以内に一般提供
先行プログラムは、会社が参加を申し込んだ場合に早く届く仕組みです。
多くの会社員の画面に並ぶのは、ここから数カ月かけてになると見ておくのが現実的です。
公式情報:Microsoft 365 Copilot Frontier program
まとめ:覚えるのは「どこまで任せるか」
13の変化を並べると、向きははっきりしています。
Copilotに上手に聞く方法を覚える段階から、どの仕事をどこまで任せるかを決める段階へ。
届く前にやっておけることは3つです。
1.2章の頼み方で、自分の仕事を「聞く」と「任せる」に分ける
2.道具にしたい手作業を一覧にしておく
3.繰り返しの仕事を、役割と目標と範囲で書き出しておく
最後に、この記事の芯をもう一度だけ。
新しいCopilotで差がつくのは、聞き方ではなく、任せ方。
任せ方を書く練習は、今日のCopilotでもできます。
新しい画面が届いた日に、すぐ渡せる仕事が手元にある人から、変化の恩恵を受けられます。
公式情報:Introducing the new Copilot with Home, Code and Autopilot
※2026年9月25日時点の情報です。提供時期や範囲は、契約・管理者設定・地域・展開段階で変わります。
Copilotは進化が本当に速いです。
一人で最新を追い続けるより、実践している人から学ぶほうが、圧倒的に速いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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