「おいおい、暗そうな子やな…大丈夫か」
2〜3年ほど前、会社で新入社員と初めて会ったとき、正直そう思った。
目線が合わない、笑顔も少ない、声も小さい。
「大丈夫か?」
「お客さんの前に出すのは、ちょっと心配やな」
「社内でもコミュニケーション取れるんか?」
第一印象は、不安しかなかった。
ところが、一緒に仕事をしていくうちに印象が変わった。慣れれば普通にコミュニケーションを取れるし、目を見て話すこともできる。何かあればちゃんと笑うし、仕事も問題なくこなしていた。
最初に見えていた姿だけで、その子の中身まで分かったような気になっていた。でも、初めて会う人は、その後の姿をまだ知らない。最初の数分に見えたものから、相手を判断するしかない。
今回は、その新入社員を見て感じた「第一印象で損する人の5つの特徴」を紹介したい。
1.声が小さく、語尾が聞こえない
初対面では、話している内容と同じくらい、声の聞こえ方が印象に残る。
挨拶の声が小さい。
自己紹介の語尾が消える。
質問されても、相手が聞き返さないと分からない声で答える。
本人は緊張しているだけかもしれない。けど、事情を知らない相手には「自信がなさそう」「話したくないのかな」と見えることがある。
その新入社員も、何を言っているか分からないほどではなかったが、最初から最後まで声が控えめで、こちらが聞き返す場面もあった。
まだ仕事ぶりを知らない状態でそれを見ると、任せる側としては不安になる。私が「お客さんの前に出して大丈夫かな」と思ったのも、そこだった。
だから私は「自分が思っているより、意識して声を大きくしたほうがいい」と伝えた。
ずっと張った声で話す必要はない。
最初の挨拶と自己紹介だけでも、相手まで届く声で、最後まで言い切る。
それだけで伝わり方はかなり変わる。
2.笑顔が少なく、ずっと真顔に見える
緊張すると、どうしても顔が固くなる。本人は真剣に話を聞いているつもりでも、相手には機嫌が悪そうに見えることがある。
その子も、初対面の時、ほとんど表情が変わらなかった。
笑わないから、何を考えているのか分かりにくい。
こちらが話しかけても、緊張が解けているのかさえ判断できなかった。
でも、一緒に働いてみれば普通に笑う。
冗談が通じないわけでもない。
何か面白いことがあれば、ちゃんと反応する子だった。
つまり、笑顔がない人ではなかった。
初対面で笑顔を出すことに慣れていなかっただけなんよ。
私は「大笑いしなくてええから、笑顔は心がけたほうがいい」と伝えた。
ずっとニコニコする必要はない。
挨拶するとき、相手が笑ったとき、話が終わったとき。
少し表情を緩めるだけでも、相手は話しかけやすくなる。
3.人の目を見て話さない
声と表情に加えて、私が気になったのが目線だった。
こちらが話しても目が合わない。
本人が答えるときも、下を向いたまま。
露骨にそっぽを向いているわけではないけど、話が届いているのか分かりにくかった。
目線が合わないと「避けられてるんかな」「この話に興味がないんかな」と相手を不安にさせる。本人にそんなつもりがなくても、初対面では誤解されやすい。
あとで本人に聞くと、コロナ禍で人との接触を極力避けていたので、対面の会話が苦手で、コミュニケーションもほぼオンライン。マスクをつけているのが当たり前で、人と初めて会ったときに自分がどう見えるかを考えたことがなかったらしい。
どうすればいいかも分からなかった、と本人は話していた。
それを聞いて、できていなかった理由がようやく分かった。
本人の態度が悪いわけではない。
対面での振る舞いを覚える機会が少なかったので「人の目を見て話したほうがいい」と伝えた。
見つめ続けなくてもええ。挨拶するとき、返事をするとき、自分が話し始めるときだけでも、相手へ顔を向ける。まずはそこからでいいと思う。
4.反応が薄く、会話が続かない
初対面で緊張すると、何を返せばいいか分からなくなる。
質問されてから考え込む。
返事は「はい」「そうですね」で終わる。
相手が話しても、うなずきや相づちがほとんど返ってこない。
本人は失礼なことを言わないよう、一生懸命考えている場合もある。けど、相手からすれば、話が届いているかどうかさえ判断できへん。次に何を話せばいいか迷って、会話が止まってしまう。
うまい返しを考えなくても「そうなんですね」「なるほど」と反応すれば、聞いていることは伝わる。
会話が上手な人は、面白い話を次々と出せる人だけではない。
相手が話したら反応する。
少し間が空けば、こちらから質問する。
そういう短いやり取りがあるから、相手も話しやすくなる。
私はその子に「大阪やねんから、真面目な話ばかりより、ちょっと笑いがあったほうがお客さんにも受けるぞ」と伝えた。
相手の話にときどき冗談を返したりできれば、会話の空気はだいぶ変わる。
実際、その子も今では冗談を言えるようになっている。
5.自分がどう見えるかを意識していない
本人に話を聞いて、一番大きかったのはここだと思う。
声が小さいことも、笑顔が少ないことも、目線が合わないことも、本人は気づいていなかった。
第一印象をよくしようとして失敗したわけではない。そもそも、自分が相手からどう見えるかを考えたことがなかった。
本人からすれば、いつもどおり話しているだけ。でも、相手に見えている印象は違う。
ここが分からないままだと「私は人見知りだから」「緊張するから仕方ない」で終わってしまう。性格を変える必要はないけど、見え方は少し意識したほうがいい。
私はその子へ「素材はいいものを持ってる。自分で思っているより、声を大きくして、人の目を見て話して、少し笑顔を意識したらええ」と伝えた。
できていないところだけを注意しても、自信はなくなる。本人の中にある良さを伝えたうえで、何を変えればいいか具体的に話す。そのほうが、本人も取り組みやすいと思う。
それから少しずつ、声、目線、表情が変わっていった。もともとコミュニケーションが取れない子ではなかったから、慣れるほど自然に話せるようになった。
まとめ
第一印象で損する人は、本人が持っている良さを、最初の数分でうまく伝えられていないことがある。
- 声が小さく、語尾が聞こえない
- 笑顔が少なく、ずっと真顔に見える
- 人の目を見て話さない
- 反応が薄く、会話が続かない
- 自分がどう見えるかを意識していない
5年前に会った新入社員も、最初は「お客さんの前に出して大丈夫かな」と心配していたけど、実際は普通にコミュニケーションを取れるし、十分やっていける子だった。
本人が自分の見え方を知り、少しずつ意識するようになってからは、別人のように第一印象がよくなっている。今では冗談も言えるし、お客さんからも可愛がられている。
5つ全部を一度に全部変えるのは難しい。次に初めて会う人がいるなら、まず相手を見て、いつもより少し大きな声で挨拶してみる。そこからでええとも思う。
さいごに
第一印象が悪くても、声や目線、表情を少し変えれば、相手からの見え方は変わります。
会社員として積み上げてきた経験も同じです。
見せ方を変えれば、会社の外でも価値になる。
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