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固定金利 3.21% 対 変動金利 1%:金利差を「保険料」として支払う価値はあるのか?

@myhomefp
日本語2026年5月31日
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TL;DR

この記事では、日本で上昇傾向にある住宅ローンの固定金利と安定した変動金利を比較しています。変動金利が固定金利を上回るには 5.1% への到達が必要であることを示し、将来の金利上昇に備えて金利差分を貯蓄しておくことを推奨しています。

6月から住宅ローンの固定金利がかなり上がりました。フラット35は3.21%、変動は平均1%前後のまま。

子育てプラスで1%優遇を使っても、変動との差は35年で約1,700万円。この差、金利上昇への「保険料」として払い続ける価値はあるんでしょうか?

6月の住宅ローン金利が出そろいました。

フラット35の6月金利は3.21%(35年・最下限)

前月からの上昇幅は0.5%で、メガバンク各行の10年固定も軒並み引き上げとなりました。

三菱UFJは3.27%、みずほ3.25%、三井住友3.5%(いずれも6月金利)

11カ月連続の上昇ということで、「いつか落ち着くだろう」という感覚はそろそろ捨てた方がよさそうですよね。

一方で、一部の金融機関除いては変動金利は動いていません。各行の最優遇変動は平均1%前後のまま据え置きになっています。

固定と変動の差が、2.2%。

月の返済額を並べると、この数字の重さがよく分かります。

4,000万円で借りると、差はいくらになるんでしょうか?

実際の数字で比べてみましょう(4,000万円・35年・元利均等返済)

フラット35には現在「子育てプラス」という制度があります。

子どもの人数や住宅の省エネ性能などの要件を満たすと、当初5年間、最大1%の金利優遇が受けられるんです。(獲得ポイント数によっては6年目以降も優遇あり)

最大限使えた場合、当初5年の金利は3.21%から2.21%になります。

たかゆき@🏠マイホームお金の相談窓口 on X — cover

※変動は金利変動に応じて返済額が変わります。

子育てプラスを当初5年間1%優遇を使えると、通常より35年トータルで約232万円の節約になります。申請できる方は必ず活用すべき制度ですよね。

ただ一方で、変動との差は依然として大きいんです。

子育てプラスをフルに使っても、変動との35年総支払いの差はまだ約1,687万円あります。

固定金利を選ぶということは、

「変動が将来大幅に上がるリスクへの保険に入る」

ということですよね。子育てプラスで当初5年の負担を抑えたとしても、当初5年は月約2.4万円、6年目以降は月約4.3万円がその保険料になります。

では、この保険料はいつになれば「払った甲斐があった」と言えるんでしょうか。

変動が何%になれば、固定より損になるんでしょうか

「これから変動も上がるんじゃ?」

そう思う方も多いと思うので、計算してみました。

ただ、前提をひとつ整理させてください。

変動金利は今後どう動くか誰にも分からないので、

「10年間1%のまま推移したあと、ある時点から一気に上昇し、そのまま残り25年間その水準が続く」

という想定で試算しています。

その条件で、フラット35の総支払いと変動の総支払いが並ぶ損益分岐点は、約5.1%になりました。

変動が5%台まで上がって、しかも25年間ずっとその水準が続く

そこまで揃ってはじめて「固定にしておけばよかった」という話になるんです。

「もっと緩やかに、でも着実に上がっていくケースは?」という方には、こう言えます。

仮に変動が今のフラット35と同じ3.21%まで上昇したとしても、前半10年の低金利期間で積み上がった利息の差が大きいので、変動の方が有利なままなんですよね。

以前にぼくが別のX記事でお伝えした、元利均等返済の仕組みの話ですね。

記事はここ⤵️

https://x.com/myhomefp/status/2056479842170974260?s=20

たかゆき@🏠マイホームお金の相談窓口 - inline image

ちなみに足元では、日銀が6月の政策決定会合(6/16・17)で0.75%→1.0%への追加利上げが有力視されています。

仮に実現したとしても、変動金利への反映は各行の見直しタイミングの関係で早くて10月以降の見通しです。

その時点でも変動は1.2%前後で、固定との差はまだ2%近く残ります。(長期金利の動き次第では、10月ころにはさらにフラット35の金利も上昇している可能性もあります。)

でも変動を選ぶなら、元利均等の仕組みは知っておいてほしいんです

変動が有利、現時点ではほとんどのケースでそうなると思うのですが、変動を選ぶなら知っておいてほしい仕組みがあります。

「5年ルール」と「125%ルール」です。

多くの変動型住宅ローンには、「金利が上がっても5年間は返済額を変えない」というルールがあります。

さらに6年目以降に返済額が上がるとき、増加は前の125%までという制約もあります。

たかゆき@🏠マイホームお金の相談窓口 - inline image

一見、借り手に優しい仕組みですよね。

ただ元利均等返済の構造と組み合わさると、ちょっと注意が必要な現象が起きます。

4,000万円・変動1%でスタートした場合の月返済額は約113,000円です。最初の月の内訳は利息が約3.3万円、元本返済が約8.0万円になります。

これが4年目に入って金利が2%に上昇したとします(この時点の残高は約3,710万円)

5年ルールで返済額は113,000円のまま変わりません。でも利息は約6.2万円に増えるので、元本返済は約5.1万円当初より3万円近く減ることになります。

さらに5年目に3%まで上がったとします(この時点の残高は約3,650万円)

返済額はまだ5年ルールの範囲内で111,3000円のまま。でも利息は9.1万円になります。元本返済はわずか2.2万円、当初の1/4以下ですよね

「毎月ちゃんと払っているのに、元本がほとんど減っていない」

これが5年ルールの見えないコストなんです。残高が多いまま数年過ぎると、「売りたい」というタイミングでオーバーローン(売値より残債の方が多い状態)になるリスクがここに潜んでいます。

では、変動を選ぶときに何をすればいいのか?

現在の金利水準では変動が有利という大前提は変わりません。ただ、3つのことをセットで実行してほしいんです。

  1. 固定との差額を「繰り上げ返済用の積立」として別に管理する 子育てプラスと比べても、変動を選ぶことで6年目以降は毎月約4.3万円、年間約52万円が手元に残ります。 これをそのまま生活費に使わず、繰り上げ返済専用の口座に分けておく習慣が大切です。 金利が急に上がった局面でまとめて元本を減らせば、5年ルールの影響も抑えられます。 運用に回せる方なら年3%程度の積立投資でも構いません。月4.3万円を10年間複利で積み上げると、約590万円になる計算です。金利が上がってきたときに備えられる金額ですよね。
  2. 2%・3%になったときの月返済額を今のうちに確認 各行のシミュレーターで無料で試算できます。 「金利が倍になったとき、月いくら増えるか」を家計に当てはめてみて、払える水準かどうか確認しておくことが大切です。
  3. 5年に一度、残高と物件の価値を比べる習慣を持つ 元本の減り方が鈍くなる局面が続くと、オーバーローンの状態が長引きやすくなります。特に購入から10年以内は意識しておくと安心です。

固定を選んでもいい人は、確かにいます

誤解を避けるためにはっきり書いておくと、固定金利が合わない人ばかりではありません。

  • 「金利変動を気にしながら35年過ごしたくない」
  • 「育休・時短で収入が下がる時期がある」
  • 「事業所得があって年収の波が読みにくい」

そういう方には、差を払っても返済額を固定しておく価値があります。

ただ、一つ気づいてほしいことがあるんです。

そもそも、子育てプラスを使った場合でも月155,900円(6年目以降)を35年間払い続けられる家計力があるなら、変動金利が今後ある程度上昇していっても、十分に耐えられるはずなんですよね。(※変動、固定、どちらを選択しても同じ金額を借りる場合)

むしろそういう世帯こそ、変動を選んで毎月浮いた約4.3万円を積み立てや運用に回す、という計算ができるんじゃないでしょうか。

固定と同じ月々の支出感で変動を使いながら、差額が着実に積み上がっていく。

それが変動を最大限に活かす使い方だと思うんです。

どちらを選ぶかの前に、「自分の家計は変動がフラット35と同じ3%台まで上がっても耐えられるか」をまず問いかけてみてください。

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