世の中には、たくさんのAIがあります。ChatGPT、Gemini、Claude。どれも賢くて、どれも話題です。
でも僕は、断言します。仕事を変える力で言えば、Gemini Notebook(旧NotebookLM)の右に出るAIはありません。
僕はこの4年間、あらゆるAIを触ってきました。AIが趣味になり、仕事になり、本まで出しました。その僕が、毎日いちばん長く一緒にいるAIが、Gemini Notebookです。
月100時間あった残業は消え、毎日定時に帰り、子どもと夕飯を食べています。大げさではなく、人生を変えられました。
なのに、です。世の中の認知は、まだ全然追いついていない。「NotebookLM?名前は聞いたことある」「ChatGPTと何が違うの?」——この質問を、僕は1年間、毎日受け続けてきました。
だからこの記事を書きます。Gemini NotebookがどういうAIで、何がそんなに凄くて、仕事でどう活かせるのか。
AIをまったく知らない人にも伝わるように、日本一わかりやすく、これでもかというくらい徹底的に。専門用語は使うたびに日本語で説明します。長い記事になりますが、読み終わったとき、あなたは間違いなくこう思っているはずです。「今日、試そう」と。
第1章:Gemini Notebookは、こういうAIです
まず、このAIの正体から。予備知識ゼロの前提で、ゆっくりいきます。
一言でいうと、「自分だけのAIを、自分で作れる」
Gemini Notebookを、一言で説明します。
あなたが渡した資料を読み込んで、その内容の専門家になってくれるAI。
もう少し具体的に言いますね。Gemini Notebookでは、まず「ノートブック」という箱を作ります。そして、その箱に資料を入れる。PDFでも、Wordでも、Googleドキュメントでも、Webページでも、録音した音声でも、何でも入ります。
すると——その箱が、入れた資料の中身を完璧に理解した「相談窓口」に変わるんです。
たとえば、あなたの会社の就業規則を入れた箱は、「就業規則に何でも答える窓口」になります。
- 会議の録音を入れた箱は、「その会議の内容を全部覚えている窓口」に。
- 取引先の資料を入れた箱は、「その取引先の専門家」に。
お気づきでしょうか。これ、「AIを使う」のではなく、「自分専用のAIを作っている」んです。世界中の誰のものでもない、あなたの資料でできた、あなたのためのAI。ChatGPTが「借り物の賢さ」だとしたら、Gemini Notebookは「自分で育てる賢さ」。ここが、他のどのAIとも違う、いちばんの根っこです。
実際の会話を、見てください
言葉で説明するより、実物を見てもらったほうが早いですね。たとえば、分厚い業務マニュアル(100ページ)を箱に入れて、こう聞いたとします。
あなた「経費精算って、いつまでに、どうやって申請すればいいの?」
Gemini Notebook「経費精算は、利用月の翌月5日までに申請が必要です。手順は3つです。①専用フォームに入力 ②領収書の画像を添付 ③承認者を選択して送信。なお、1件5万円を超える場合は事前申請が必要です【1】【2】」
——注目してほしいのは、答えの最後についている【1】【2】という番号です。これは「この答えは、マニュアルのこの部分に書いてあります」という引用。クリックすると、マニュアルの該当ページに一瞬で飛べます。
つまり、こういうことです。あなたは100ページを読んでいない。それなのに、正確な答えが、根拠付きで、10秒で手に入った。「読む」という作業が、「聞く」に変わったんです。この感覚、想像できますか。あなたの机で眠っている読んでいない資料、全部がこうなるとしたら。
「賢いAI」ではなく、「あなたに詳しいAI」
ここで、大事なことを言います。Gemini Notebookの価値は、「賢さ」ではありません。「詳しさ」です。
ChatGPTもGeminiも、ものすごく賢い。でも、彼らはあなたの会社の規定を知りません。あなたの会議で何が決まったかも、あなたの顧客のことも、あなた自身のことも知らない。だから、どんなに賢くても、返ってくるのは「世界の一般論」です。正しいけど、あなたの役には立ちきらない答え。
Gemini Notebookは逆です。世界のことは知らない代わりに、あなたが渡したことだけは、誰よりも正確に知っている。仕事で本当に欲しい答えは、「世界ではこうです」ではなく「うちの規定ではこうです」「この案件ではこうです」ですよね。
つまり、こういう整理になります。ChatGPTは、世界中の物知り。Gemini Notebookは、あなた専属の司書。
物知りに雑談の相手は頼めますが、仕事の相棒に欲しいのは、うちの書庫を全部読んでいる司書のほうなんです。
第2章:Gemini Notebookの特徴——僕が惚れ込んだ5つの理由
正体が掴めたところで、次は特徴です。「他のAIと何が違うの?」への答えを、5つに絞りました。1つずつ、これでもかと語らせてください。どれも、僕が実際に「これはすごい」と声が出た順です。
特徴①:嘘をつかない——「知らない」と言えるAI
AIを仕事で使ったことがある人なら、一度は経験があるはずです。AIが、それっぽい嘘をつく瞬間を。
存在しない規定を、さも本当のように答える。微妙に違う数字を、堂々と言い切る。AIの世界では「ハルシネーション」と呼ばれる現象で、悪気はないのですが、仕事では致命傷です。
嘘かもしれない答えは、結局ぜんぶ確認し直すことになる。「時短のためのAIの答えを、確認するために残業する」——笑えない冗談ですが、実際に起きていることです。
Gemini Notebookは、ここが根本から違います。入れた資料に書いていないことは、答えられない設計なんです。資料にないことを聞くと、こう返ってきます。
「その情報は、ソースに含まれていません。」
初めてこの答えを見たとき、僕は感動しました。知ったかぶりをしないAIを、初めて見たからです。人間でもそうですよね。何でも即答する人より、「それは分かりません、確認します」と言える人のほうが、仕事では信頼できる。Gemini Notebookは、AIの世界でその「誠実な人」です。だから、安心して仕事を任せられる。
特徴②:答えのすべてに、「証拠」が付いてくる
第1章の会話例で見た【1】【2】の引用番号。あれが、2つ目の特徴です。
Gemini Notebookの答えには、必ず「どの資料の、どの部分に基づいた答えか」が示されます。番号をクリックすれば、原文にジャンプ。つまり、AIの答えを「信じる」必要がない。「確かめられる」んです。
この違いは、仕事の場面で決定的です。想像してください。上司に「この数字、どこ情報?」と聞かれた瞬間を。顧客に「その根拠は?」と突っ込まれた瞬間を。
——Gemini Notebookで調べたことなら、あなたは原文を開いて見せるだけです。「AIがそう言っていました」ではなく、「規定の第12条にこう書いてあります」と答えられる。
AIの答えをそのまま使うのが怖い、という感覚は正しいです。その怖さを、根性ではなく仕組みで消してくれるのが、この引用機能。
僕がGemini Notebookを「仕事と一番相性のいいAI」と呼ぶ理由の、半分はこれです。
特徴③:使い捨てじゃない——「ためるほど、賢くなる」
3つ目は、付き合い方の違いです。
ChatGPTとの会話を思い出してください。良い答えをもらっても、その会話が終わればおしまい。次の日にはまたゼロから説明する。毎回が「初対面」なんです。
Gemini Notebookは違います。ノートに入れた資料は、ずっとそこにあります。議事録を1年ため続けた会議ノートは、プロジェクトの歴史をすべて覚えた生き字引になる。
過去のSNS投稿をためたノートは、あなたの勝ちパターンを知り尽くしたアドバイザーになる。昨日より今日、今日より明日、確実に賢くなっていく。
僕はこれを「検索は使い捨て、ストックは資産」と呼んでいます。毎回検索して毎回忘れる働き方と、ためた分だけ積み上がる働き方。1週間では差がつきません。でも1年後、この差は逆転不可能なほど開きます。
僕のノートたちは、いまや会社の誰よりも僕の仕事に詳しい。1年前の僕が入れた資料が、今日の僕を助けてくれる——過去の自分が、未来の自分の味方になるツールなんです。
特徴④:資料が、ラジオにも地図にもスライドにも「変身」する
4つ目は、思わず人に見せたくなる特徴です。Gemini Notebookは、入れた資料を別の形に変身させられます。
ラジオに変身
——ボタンを1つ押すと、資料の内容を2人のAIがラジオ番組のように語り合う音声が生成されます(音声概要という機能です)。「この資料のポイントはですね」「ああ、それ面白いですよね、というのも……」と、本当に番組みたいに掛け合いで解説してくれる。僕は毎朝、通勤電車でこれを聞いています。分厚い資料が、20分の番組に変わる。 満員電車が、学びの時間に変わる。
地図に変身
——マインドマップという機能で、資料の全体像が一枚の枝分かれ図になります。100ページの資料も、まず地図で眺めて、気になる枝をクリックして深掘り。「どこに何が書いてあるか分からない」が消えます。
スライドに変身
——資料の内容から、デザインの整った発表用スライドを自動生成。パワポの図形と格闘していた時間が、まるごと消えます。
問題集に変身
——資料からクイズを自動で作ってくれます。勉強や研修、資格対策に。読んだつもりの知識が、本当に身についたか試せます。
……1つの資料を入れただけで、聞けて、眺められて、発表できて、テストまでできる。資料は「読むもの」だという常識が、ここで完全に崩れます。 初めて音声概要を聞いた日、僕は家族に「ちょっとこれ聞いて」とスマホを差し出しました。あなたも、たぶんそうなります。
特徴⑤:無料で、安全——仕事で使う前提で作られている
最後の特徴は、地味ですが、仕事で使うなら一番大事なことです。
まず、無料で始められます。Googleアカウントがあれば、今日から。そして、アップロードした資料は、AIの学習に使われません。あなたの会社の資料がAIに取り込まれて世界に漏れる、ということはない、とGoogleが明言しています。さらに、会社のGoogleワークスペース(会社版のGoogleアカウント)で使えば、組織の管理のもとで運用できる。
思い出してください。多くのAIが「便利だけど、会社の情報を入れるのは怖い」という壁で止まってきました。Gemini Notebookは、その壁の向こう側——会社の情報と一緒に働く前提で設計されています。
だから僕は言い切るんです。これほど仕事と相性のいいAIはない、と。(もちろん、業務利用の際は自社のルール確認を。ここはどんなツールでも共通の作法です。)
第3章:仕事で、こんなに活かせる——場面別に全部見せます
「すごいのは分かった。で、自分の仕事でどう使えるの?」——この章が、その答えです。仕事の場面ごとに、使い方と「何が変わるか」を具体的に見せていきます。読みながら、自分の月曜日を思い浮かべてください。
会議——議事録という仕事が、この世から消える
会議を録音して(スマホのボイスメモでOK。Gemini Notebookは音声をそのまま読めます)、ノートに入れて、「議事録にまとめて。決定事項とTODOは担当・期限付きで」と頼む。5分後、議事録が完成しています。
かつて僕は、この作業に毎回3時間かけていました。誰が何を言ったか思い出しながら、決定事項を整理して、TODOを洗い出して。
——いまは録音ボタンを押すだけです。会議中はメモを取らず、議論に集中できるようになったのも、地味に大きい変化でした。
しかも、議事録をため続けた会議ノートは、それ自体が資産になります。
- 「先月、この件どういう結論だったっけ?」
- 「あの宿題、誰が持ってたっけ?」
——全部、ノートに聞けば10秒です。議事録は「書く仕事」から「ためる資産」に変わります。
問い合わせ対応——「あの人に聞かないと分からない」が消える
社内の規定やマニュアルを入れたノートを作って、チームに共有する。それだけで、社内の質問に24時間答える「窓口」が完成します。
- 「有給って何日前までに申請?」
- 「経費の締めっていつ?」
——こういう質問に、毎日誰かが手を止めて答えていますよね。その全部を、ノートが引き受けてくれる。答えには規定の引用が付くので、正確さも折り紙付きです。
僕の職場では、総務・経理・人事・情シスの4つの窓口ノートを作って共有した結果、問い合わせが9割消えました(盛っていません、実測です)。
問い合わせ対応の残業に沈んでいた総務の方に、涙ぐみながら感謝された日のことは、今でも忘れられません。開発費ゼロ、作業時間15分の「社内チャットボット」。これだけでも、全企業に導入してほしいと本気で思っています。
資料を読む——「積ん読」が、ぜんぶ戦力になる
読まなきゃいけないのに、読めていない資料。業界レポート、分厚い仕様書、契約書、マニュアル。机の上とデスクトップに、積み上がっていませんか。
全部、ノートに入れてください。そして、読む代わりに、聞く。
- 「要点を5つで」
- 「うちに関係する部分だけ教えて」
- 「リスクになりそうな記述を全部洗い出して」
——積ん読の山が、その日から「質問すれば答える戦力」に変わります。
個人的に感動が大きかったのは、契約書やルールもののチェックです。「この契約でうちに不利な条項は?」と聞くと、該当箇所を引用付きで挙げてくれる。
もちろん最終判断は人間(大事なものは専門家)ですが、最初の読み込みの90分が、10分になる。この差が毎週積み重なると、月単位の時間が返ってきます。
資料を作る——「ゼロから書く」が、なくなる
資料づくりの本当の敵は、書くことではなく、白紙です。企画書も報告書も提案書も、ゼロから構成を考えるから重い。
Gemini Notebookなら、材料(市場データ、顧客の声、過去の資料)をノートに入れて、「この材料で企画のたたき台を作って」と頼むだけ。骨組みが数分で出てくるので、あなたの仕事は「ゼロから書く」から「たたき台を直す」に変わります。
さらにスライド生成を使えば、発表資料の見た目まで自動。考えることに時間を使い、整えることはAIに任せる。 資料づくりの時間配分が、あるべき姿に戻ります。
学ぶ——通勤時間が、毎日の授業になる
新しい分野のキャッチアップ、資格の勉強、業界の最新動向。「勉強しなきゃ」と思いながら、疲れて手がつかない——全員そうです。だから、机に向かう学びをやめて、耳で学ぶ仕組みにします。
学びたいテーマの資料を集めたノートで、音声概要(ラジオ化)を生成して、通勤中に聞く。夜は、クイズ機能で理解度チェック。分からないところは、チャットで質問。
教材・授業・先生・テストが、1つのノートに全部入っているわけです。僕はこれを「自分専用の学校」と呼んでいます。入学金も授業料も、ゼロ円です。
資格の勉強とも相性抜群です。テキストを入れたノートにクイズを作らせて、間違えた問題だけ解説してもらう。参考書は「読むもの」ではなく「問題を出してくる先生」に変わります。
机に向かう気合いに頼る勉強は続きませんが、通勤と隙間時間に組み込まれた勉強は、勝手に続きます。学びを、意志の問題から仕組みの問題に変える——これも、ためるAIの得意技です。
第4章:一番のおすすめ——「人」をストックするという発想
ここまでは、「資料をためる」話でした。この章では、その一歩先へ行きます。僕がいま、いちばんおすすめしたい使い方。「人」をためるという発想です。
「人をためる?」——変な日本語に聞こえますよね。でも、考えてみてください。人の考え方や判断は、その人の言葉の記録に表れます。話したこと、書いたこと、決めたこと。それらをノートにためれば、AIはその記録から「その人の考え方」を学べる。
つまり、資料の専門家を作れるなら、「人の理解者」も作れるんです。僕は3冊の「人のノート」を育てています。順番に紹介します。
1冊目:自分ノート——世界で一番、自分に詳しいAI
まず、自分です。自分の強み、弱み、価値観、これまでの経験、目標をためた「自分ノート」。
作り方は簡単で、スマホの録音アプリに向かって、自分のことを10分喋るだけ。嬉しかった仕事、悔しかった経験、得意なこと、本当はどうなりたいか。きれいに話す必要はありません。録音ファイルをノートに入れれば、初版の完成です(音声はそのまま読んでくれます)。
普段ChatGPTやGeminiを使っている人は、「過去の会話履歴から、私の考え方や価値観を分析して」と頼んで、その出力を追加すると、さらに厚くなります。
このノートに悩みを相談したときの答えは、ChatGPTとはまったく別物です。ChatGPTへの人生相談は、世界の一般論が返ってきます。正しいけど、誰にでも当てはまる答え。自分ノートは、「あなたの記録」を根拠に答えます。
「その選択は、あなたが以前『家族の時間を最優先したい』と話していたことと矛盾しませんか」
——自分の言葉で、自分を諭される。この体験は、ちょっと衝撃ですよ。
キャリアの相談、目標の整理、迷ったときの壁打ち。世界で一番あなたに詳しいAIは、既製品ではなく、あなたが育てた1冊です。僕はこの自分ノートに、大事な決断のたびに助けられてきました。
2冊目:上司ノート——「通る企画」は、準備で作れる
次は、あなたの上司です。上司からもらった指摘、差し戻されたときの理由、OKが出た企画の記録。それらをためた「上司ノート」を作ります。
何に使うのか。報告や提案の、事前チェックです。企画を上司に出す前に、ノートにこう聞く。
「この企画、上司の過去の判断から見て、どこを突っ込まれそう?」
——返ってくるのは、一般的な想定問答ではありません。「この上司は、必ず費用対効果の根拠を求めます。前回の差し戻しも、ここが曖昧だったためです」という、あなたの上司の実際の判断基準に基づいた、実在の詰めどころです。
誤解しないでほしいのですが、これは上司の攻略法ではなく、上司の理解です。上司の指摘には、その人なりの一貫した基準があります。それを記録から学んで、先回りして応える。
結果、報告はスムーズに通り、上司との信頼も深まる。「あの人、最近仕事が通るようになったな」の裏側に、この1冊がいます。
3冊目:社長ノート(会社ノート)——若手でも、経営の目線で考えられる
最後は、いちばんスケールの大きい1冊。社長のメッセージ、経営方針、会社の理念、今期の重点テーマをためた「社長ノート(会社ノート)」です。
これがあると、何が起きるか。企画を作るとき、会社の方針に沿っているかを、AIに確認できるようになります。
「この企画は、今期の方針のどこに合致する?」「社長の考え方から見て、この提案の弱点は?」
——思いつきの企画と、方針を踏まえた企画。どちらが通るかは、言うまでもありません。
そして、もうひとつの効能が、僕は好きです。このノートと対話していると、自然と経営の目線で考える癖がつくんです。「会社は何を目指していて、この仕事はその中のどこにあるのか」。
普通なら役職が上がって初めて見える景色を、若手のうちからノート越しに覗ける。出世のためのテクニック、という以上に、仕事が面白くなる1冊だと思っています。
資料の専門家から、人の理解者へ
自分、上司、会社。3冊の「人のノート」が揃うと、あなたのGemini Notebookは、資料の専門家であると同時に、あなたの働く世界を丸ごと理解した参謀になります。自分の軸で考え、上司に通る形に磨き、会社の方針と接続する——この3段の思考が、ぜんぶノートの中でできる。
繰り返しますが、必要なのは特別なデータではありません。録音10分、指摘のメモ、社内に流れてくる方針資料。もう手元にあるものを、ためるだけ。 ここが、僕がこの使い方を「いちばんのおすすめ」と呼ぶ理由です。
第5章:僕の物語——AI好きが、4年かけてたどり着いた場所
ここまで、ツールの話をひたすらしてきました。ここからは少しだけ、僕の話をさせてください。なぜ僕が、ここまでこのツールに惚れ込んでいるのか。その理由の話です。
4年前、ChatGPTに出会って、趣味がAIになった
僕がAIにハマったのは、4年前。ChatGPTとの出会いでした。
質問すれば何でも答えてくれて、文章は数秒で仕上がる。夜な夜な触っては感動して、気づけば趣味は完全にAI。そして当然、こう考えました。「これ、仕事に使えたら最強じゃないか?」
当時の僕の働き方は、ひどいものでした。朝8時に出社して、メール返信に1時間。午前は会議2本と議事録で消える。午後はパワポと格闘して、夕方にようやく本来の仕事——でも、その頃には頭が回らない。
残業は月100時間を超え、終電を逃した夜もあります。子どもが起きている時間に帰れない。妻に「最近、家にいないよね」と言われて、何も返せない。この作業の山を、大好きなAIで崩したい。 心からそう思っていました。
でも、「会社の情報を入れられない」壁があった
ところが、いざ仕事で使おうとして、壁にぶつかります。
会社の情報を、AIに入れられないんです。 仕事の作業は、ほぼすべて会社の情報とセットです。議事録には会議の中身が要る。提案書には顧客の情報が要る。でも、社外のAIに社内情報をそのまま入れるのは、セキュリティ的に怖いし、ルール的にもまずい。
だから僕は、毎回情報をテストデータに変換していました。顧客名を「A社」に置き換え、数字をダミーにして、出てきた答えを現実の情報に戻す。
……お分かりでしょうか。AIに時短してもらうための準備で、時間が溶けていくという本末転倒。加えて、第2章で話した「それっぽい嘘」の問題もある。AIはすごい。でも、仕事の本丸には踏み込めない。AI好きだからこそ、この歯がゆさを誰よりも味わっていたと思います。
出会いは、会社のGoogleワークスペースだった
その壁を壊すツールに出会ったのは、会社で使っていたGoogleワークスペースの中でした。NotebookLM——いまのGemini Notebookです。
触って、数日で確信しました。これほど仕事と相性のいいAIは、ない。 会社の情報を入れる前提で設計されている。入れた資料だけで答えるから、嘘をつかない。答えには証拠が付く。4年間探し続けた「最後のピース」が、これでした。
最初に任せたのは、議事録でした。録音を入れて、一言頼んで、5分後に完成した議事録を見た瞬間の気持ちは、今でも覚えています。そこからは、この記事の第3章に書いたことを、1つずつ実践していっただけです。
メール、資料読み、資料作り、問い合わせ窓口、学び、自分ノート。1つ任せるたびに、夕方の景色が変わっていきました。
変わったのは、時間の使い道——つまり、人生でした
気づけば、定時に帰れるようになっていました。
子どもが起きている時間に、家に着く。一緒にご飯を食べて、お風呂に入って、寝かしつける。当たり前のことが、当たり前にできる。 それがどれほど贅沢だったか。「最近、家にいるね」と妻に言われた日は、正直、ちょっと泣きそうでした。
取り戻した時間は、僕自身にも返ってきました。夜の1時間で、効果のあった使い方をXで発信し始めて、毎日コツコツ続けた結果、フォロワーは5万人を超え、登壇の機会をもらい、本まで出すことになった。4年前、夜中に趣味でChatGPTを触っていた男の想像を、完全に超えています。
でも、誤解しないでください。僕は特別なことをしていません。変わったのは能力ではなく、時間の使い道です。作業をAIに任せて、空いた時間を家族と自分の未来に注いだ。
それだけ。Gemini Notebookは魔法の杖ではなく、時間の置き場所を変えるための、まっとうな道具です。だから、誰にでも再現できる。この記事を、ここまで本気で書いている理由です。
第6章:今日、15分で始める方法
魅力は語り尽くしました。あとは、あなたが触るだけです。最初の15分、手を引きます。
①開く(2分)
——ブラウザで「Gemini Notebook」(旧名の「NotebookLM」でも見つかります)と検索して、Googleアカウントでログイン。インストールも支払いも不要です。
②箱を作る(1分)
——「新規作成」でノートブックを1つ。名前は「はじめてのノート」で十分。
③資料を1つ入れる(5分)
——手元の仕事の資料を1つだけ。おすすめは、\\「読まなきゃと思いながら放置している資料」\\です。マニュアル、レポート、議事録、何でも。(最初は機密度の低いものから。業務利用のルール確認もお忘れなく。)
④質問する(7分)
——チャットに、これを打ってください。
この資料の内容を、初めて読む人にも分かるように、要点を5つで教えてください。
それぞれ、資料のどこに書いてあるかも示してください。
数十秒後、引用付きの答えが返ってきます。答えの番号をクリックして、原文に飛んでみてください。——読んでいない資料に、詳しくなっている自分。この15分の体験が、この記事で語ったすべての魅力の、入口です。
まとめ:物知りより、あなたの司書を
長い記事を、最後まで読んでくれてありがとうございます。全部を3行に圧縮します。
Gemini Notebookは、あなたが渡した資料の専門家になってくれるAI。 嘘をつかず、答えには証拠が付き、ためるほど賢くなり、資料はラジオにも地図にもスライドにも変身して、無料で、仕事で使う前提の安全設計。——世界中の物知り(ChatGPT)ではなく、あなた専属の司書。仕事の相棒に選ぶべきは、こちらです。
この記事では、魅力を「これでもか」と語ってきました。でも白状すると、文章で伝えられるのはここまでです。議事録が5分で出てきた瞬間の感覚。「その情報は資料にありません」と正直に言われた瞬間の信頼。自分の資料がラジオになって流れてきた瞬間の笑い。——魅力の本体は、あなたの最初の15分の中にあります。
4年前の僕と同じように、「AIはすごいのに、仕事では使いきれていない」と感じているあなたへ。あなたが探していた最後のピースは、たぶん、これです。今日の15分、どうぞ。
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