食事も睡眠もとれているのに……見過ごしていた「隠れうつ」のサイン

@tsumugi_utatabi
日本語2026年9月09日
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TL;DR

うつの隠れた症状についての個人的な体験談。特に、周囲に助けを求められなくなる心理状態に焦点を当て、サポート環境を構築するための実践的な戦略を紹介します。

食欲も普通。眠れてもいる。

なのに、私の心は壊れかけていた。

うつ病のサインとしてよく語られるのは、食欲の低下、眠れなくなること、家事ができなくなること——私はそのどれも、当てはまらなかったときがある。

日常はある程度送れていたからこそ、自分の状態に、なかなか気づけなかった。

当時、私を最も苦しめていたのは「連絡ができなくなること」だった。

友人知人、家族からの連絡を返すことができなくなってしまった。

そして、最も重大なサインとして、「仕事での報連相もできなくなった」ことが挙げられる。

上司や先輩から理不尽を浴び続けていたわけではない。

「これくらいは自分でやらないと」と思いながら、少しずつ抱えすぎていった。周りに頼れる人はいたはずなのに、なぜか声をかけられなかった。この程度のことで、相手の時間をとってはいけない。完璧にできないなら、言い訳になる——そう思っていたから。

そんな日々が負債のように積み重なっていき、心が徐々に圧迫されていた。

今振り返ると、3つの機能が順番に止まっていた。

まず、自分の状態を認識する回路が壊れた。

「今、何ができていないのか」がわからなくなった。できていないのはわかる。でも、何が、どのくらい、なぜ——その輪郭がつかめない。

次に、それを言語化する装置が止まった。

頭の中はモヤのようで、言葉にならない。メールを書こうとすると、文章が霧に溶けていく感覚だった。近くに頼れる人がいても、心がまとまらない。

そして最後に、「助けを求めるべきだ」という判断すら、浮かばなくなったのだ。

これがとても静かで、最も危険な状態だった。

食欲がなくなったり、眠れなくなったりすれば自分で気づく。

でも、報連相ができなくなることは、「私は仕事ができない」という自己嫌悪にしかならなかった。サインではなく、欠陥として自分で処理してしまった。

この経験から、私は考え方を変えた。

「報連相ができる自分」を目指すのをやめたのだ。

どれだけ意識しても、「これくらいは一人でやらなきゃ」と抱え込んでしまう自分は、そう簡単には変わらないとわかったから。

代わりに、「報連相ができなくなる自分」を前提にした環境をつくることにした。その方がずっと現実的だった。

私は、基準をまず下げた。

「ちゃんと報告しなければ」を

「雑でも不完全でも、音信不通よりマシ」に変えた。完璧な報連相を諦めることが、命綱になると気づいたからだ。

次に、少しでも調子が落ち着いているうちに、仕組みを作った。

たとえば——

・「今、調子が悪いです」だけを書いた定型文を用意した

・上司に、自分が報連相できなくなるパターンをあらかじめ説明した

・「連絡が途絶えたら、声をかけてほしい」と先輩にお願いした

・自分から発しなくても話せる場として、定期的な1on1を設けてもらった

そして最も重要だったのは、どれだけ心が追い詰められても、「今、調子が悪いです」——その一言だけは連絡すると決めた。

説明しなくていい。 謝らなくていい。 それだけでいいという許可を自分に出すことが、崩壊を何度も食い止めた。

完璧な自分になろうとするのではなく、不完全な自分が生き延びられる環境をつくること。

それは諦めではない。

自分の構造を正確に理解した上での、最も現実的な自己防衛であり、自分への誠実さだと思う。

「食欲も普通、眠れてもいる」から、大丈夫とはかぎらない。

あなた自身は、どうだろう。

できなくなっていること、まずはそれに気づくこと。

そして、不完全なまま、人を頼っていいと知ることだ。

→【続きはnote記事】10年以上うまく人を頼れなかった私が偶然発見した、人を頼るための具体的な突破口

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