ビジネスの「クッション言葉」に隠された本音辞典

@ysk_motoyama
日本語2026年9月07日
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TL;DR

日本のビジネスシーンでよく使われるクッション言葉をシニカルに分析。丁寧な表現が、職場での鋭い批判や不満をどのように隠しているのかを明らかにします。

僕は根っからの性悪説でして。

相手が発する言葉が文字面どおりであることはほとんどなく、必ずその言葉の裏に本当に発したいメッセージがあるんじゃないかと思ってしまう、かなりうがった見方をしてしまうタイプです。

で、特にこの「うがった見方アンテナ」を張りがちなのが、仕事の場面で誰もが使う枕詞なんですね。

例えば「理解が至っておらず恐縮なのですが」と相手が言った瞬間に、

「絶対これ、僕の説明が分かりづらかったやつだ」と思いますし、

「まだ資料を全部読めてないのですが」と言われた瞬間に、

「ちょっと資料が多すぎたかな」と思ってしまう的な。

言外の意味に、無駄に思いを馳せてしまうわけです。

本来はやらなくていいんでしょうけどね。

脳内CPUの無駄遣いです。

そんなわけで今回は、僕が無駄に脳内CPUを使ってしまっている枕詞たちを、僕がどう捉えてしまっているのか、備忘録がてら書いておこうかなと。

①へりくだりながら詰めてくる系

一つ目の種類は、へりくだりながら詰めてくる系です。

「ちょっと申し訳ないのですが」と下手に出ながら、でもかなりクリティカルな指摘が飛んでくるぞ、という序章ですね。

なので、「相手へりくだってんな」と思って油断していると、その数秒後にはとんでもないクリティカルパンチが飛んでくる可能性があります。

この手の枕詞が出てきた後は、警戒しておいたほうがいいでしょう。

学会だと「素人質問で恐縮ですが」が有名らしいですが、あれのビジネス現場版ですね。

「理解が追いついておらず恐縮ですが」

「理解ができておらず恐縮ですが」

「理解が追いついておらず恐縮ですが」

「理解が至っておらず恐縮ですが」

「わかってないの僕だけかもですが」

文字面だけ読むと、「理解できてなくて、ごめんなさいね」という言葉どおりなんですが。

本当の意味を解説すると、「お前の話、マジで何言ってんのかわかんねえよ」というメッセージを、丁寧に丁寧に伝えるための枕詞なんですね。

で、結構危険なのが、この枕詞の後に来る質問でして。

「この資料で一番言いたいことって、何なんでしたっけ?」

「この資料って、そもそも誰向けの、誰に何してもらうための資料なんでしたっけ?」

こういうそもそも系の質問が直後に飛んできたら、ほぼ間違いなく「初歩的なことできてねえよ、ちゃんとやってこいよ、この野郎」という意味だと、僕は受け取るようにしてます。

もちろん、10回に1回ぐらいは、本当に前提知識がなくて「一から説明してください、ごめんなさい」の意味で使われることもあります。

ただ、「理解が追いついておらず恐縮ですが」の直後に、初歩的な・根本的な質問が飛んできたら、これはほぼ確定。

「お前何言ってんのかマジわかんねえよ」なんだと思っておくぐらいで、ちょうどいいんじゃないかなと。

「まだ資料に全て目を通せておらず申し訳ないのですが」

これは、この言葉が出てくる状況にいくつか前提がありまして。

例えば、会議の資料を会議直前に送ったときにこれを言われたら、もう結構アウトです。

本当の意味を解説すると、「直前に送ってくんなよ、バカ野郎」

もっと前もって送ってこい。

しかも資料が長いんだったら、特にどこを重点的に読んだ上で参加してほしいのか、ちゃんと明示してから会議に招集しろよ、この野郎。

そういう意味だと思っておいた方がいいです(翻訳すると、なぜか元の文より長くなります)。

「私の理解が間違っていたら申し訳ないのですが」

間違ってたら申し訳ないなんて、思ってません。

そもそも「私の理解が間違っていたら申し訳ないのですが」と言ってる人の理解は、だいたい合ってます。

これもかなり意訳をすると、「お前、本当にそれマジで言ってんの?」と言いたいときの枕詞ですね。 「1足す1は3ぐらいのことを自分の口で言ってるけど、本当にそう考えてんの?」とか、「何をどう考えたら、その結論に至るの?」とか。

この後には「〜という理解で合ってますでしょうか」が続いて、その「〜」の中身はあなたが言ったことをそのまま復唱しただけ、というパターンが多い気がします。

「え?もしかして僕の理解が間違ってんのかな、ってぐらいあなたのロジックとんちんかんですけど、大丈夫そ?」というニュアンスで使われている、ぐらいに警戒しておく。

疑心暗鬼と言われればそうなんですが、それを受け止めた上で改善するぐらいでいいんじゃないかなと思ってます。

「釈迦に説法かとは思いますが」

これ、本当に相手がお釈迦さんだと思ってるんだったら、説法はしないんですよ。

「釈迦に説法かとは思いますが」という言葉は、「あなたのことを釈迦だと思ってないから、今から説法をしますよ」という意味なんですよね。

なので「本来は誰が考えてもやるべきことを、あなたはやってないの、なんでだっけ?は、おい?」

そういう意味で使う人が多いんじゃないですかね。

「僭越ながら」

表面は、「立場的に言える身分じゃないのはわかってますが、どうしてもこれだけ言わせてください」という枕詞です。

特に、役職が下の人が上の人に対して、一言断っておくときに使われますね。

で、これを意訳すると「僭越させんじゃねーよ」です。

お前さ、おれより給料もらっている上の役職なんだから、こんぐらい考えとけよ、と。

もう、下からの突き上げです。

「なんでそんなことも考慮してねーんだよ」

「お前の仕事、巻き取んぞ、この野郎」ぐらいの意味だと思っておく。

「僭越ながら」の後に続くアドバイスは、真摯に真摯に受け止めておいたほうがいい。

それぐらいに思っておくのが、ちょうどいいでしょう。

なので僕は、「僭越ながら」と言われた瞬間に「あ、これ僕が考えてなかったやつだ」と思うようにしてます。

「私の伝え方が悪かったかもしれませんが」

これは、ここまでの逆パターンかもしれません。

「私の伝え方が悪かったかもしれませんが」

「ちょっと話が分かりづらかったかもしれませんが」

説明した側が言う枕詞ですね。

本当の意味は、「なんでこんなことも理解できないんだよ」

「ここまで噛み砕いて説明しないと、分かりにくいかな」というときに使われているような気がする。

うがった僕は、そう思ってしまいますね。

似たような例で言うと、

「繰り返しになりますが」

「繰り返しになり恐縮ですが」

も同じでして。これも「何度も言わせんじゃねえよ」というニュアンスを含んでんじゃないかなと思っちゃうんですよね。

僕はそんな意味で使ってないですよ、もちろん。

以上が、へりくだる体をとった、クリティカルな枕詞たちでした。

②まず褒めてから落とす系

次は系統が変わって、まず褒めてから落とす系です。

もうだいぶ、なんとかハラスメントを強く言われる時代じゃないですか。

多くの人がハラスメント研修を受けていますし、訴えられないために、世の意識高い管理職の人たちは必死にフィードバックの教科書で勉強しているわけです。

その教科書に書いてあるのが、「まず一旦褒めましょう。ポジティブなことを言ってから、本当に言いたいネガティブな指摘をしましょう」。

これが昔よりもだいぶ、多くの管理職に染み付いてきました。

賢明な管理職の皆さんだからこそ、出てくる枕詞ということで。

「まずはありがとうございます」

褒めるポイントがマジで一つもないときに、「もうこれから激詰めしますよ」という合図です。

「まずはありがとうございます。で、ちょっと根本的なところから確認させてください」と続くのが典型ですね。

そのイメージが十分に伝わる名作が↓です。

https://x.com/narisumashi100/status/2051855692198486171

これは言う側に回ったときの、僕の脳内の話でもあるんですが。

もう「まずは」という言葉。

1番目にお礼が来るということは、2番目以降はお礼ではない、という予告です。

しかも、何に対してのありがとうなのかが書いていない。

この時点で、その仕事をやってくれたことぐらいにしか感謝しようがない。

というか、もっと言うと、

続きはnoteに綴っておりますので、こちらもよろしければ!

note:ビジネス枕詞大全(裏)

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