間もなく開幕を迎えるFIFAワールドカップ2026。各国の登録メンバーも続々と発表されており、いよいよ“その時”が近づいてきた。果たして今大会を制するのは、どの国になるのか。
そんな「大会前の各国の分析や予想」も、FIFAワールドカップの楽しみ方の一つ。DAZNでは、ジャーナリストやコメンテーター、元選手など世界各国の有識者40名の声を集め、戦力分析、順位予想を行った。
■「DAZN Power Ranking」の概要
【参加者】DAZN Groupの有識者、フリーランス、コメンテーター、解説者、元選手、東京大学運動会ア式蹴球部テクニカルユニット(以後、東大ア式。1名分とみなす)、AI予測モデル(1名分とみなす)の計40名(12カ国)
【回答期間】2026年5月8日から5月21日
【実施方法】アンケート形式による回答
【AIの回答方法】最新のデータをインポートし、同設問を20回回答させた結果の平均と最も多かった回答を選択
【調査項目】
・パワーランキングスコア:48ヶ国を「攻撃/守備/結束力/監督/経験」5カテゴリーで評価(各1〜5点)
・優勝予想:優勝国予想&理由
・ベスト4予想:2位〜4位予想&理由
・MVP予想:大会MVP候補&理由
・ブレイクスルー選手:注目のUー23選手
・注目グループ:最も面白いグループ
・ダークホース予想:FIFA中位ランク16カ国から1チームを選出&理由
■優勝予想:圧倒的な支持を集めたフランス
●Power Ranking 上位16カ国

●Power Ranking 中位16カ国

●Power Ranking 下位16カ国

パワーランキングで攻撃力4.9、総合4.5と全チーム中トップの評価を獲得したのはフランスだ。順位予想においても、全40名のうち21名がフランスを優勝候補に挙げ、圧倒的な1位に輝いた。
Matt Astbury氏(DAZN News UK)
「フランスには最高の"華"を持った選手たちがいる。エンバペ、シェルキ、デンベレらを擁し、攻撃の選択肢は無限大だ。さらにサリバを中心とした守備陣もあり、トーナメントを制するための基本要素をすべて備えている」
Jacob Polychronis氏(Fox Sports Australia)
「彼らには正しい方程式がある。圧倒的な選手層、ビッグマッチで結果を出してきたスター選手たち、そしてFIFAワールドカップでの実績。デシャン監督のレガシーを完成させる最後のピースが目前に迫っている」
Tom Kirsten氏(DAZN Germany/Producer)
「卓越した個の質と選手層を兼ね備えている。接戦では個人技のひらめきが勝敗を分けることがあるが、その力を持っている。とくにオリーセ、シェルキ、ドゥエら攻撃陣は今年大きく飛躍した」
■対抗予想:フランスに次ぐのは……

※同票の場合は、下位順位での得票数が多いチームを上位に置いた(例:アルゼンチンとドイツは1位票数が同数だが、2位票を2票獲得しているアルゼンチンを上位に)
フランスに次いで、パワーランキング、優勝予想の2位に入ったのはスペインだ。
Ryan Baldi氏(フリーランス/UK)
「EURO決勝でロドリを負傷で失いながらも支配的な試合をしたように、彼らのプレースタイルと技術力は文化として深く根づいており、どの国よりもトーナメント戦に適応できる。ヤマルは今大会で最も才能ある選手であり、接戦を決定づける"Xファクター"だ」
優勝予想で続く3位に入ったイングランドについては、“ついに壁を越える”という声もある。
Rudi Schuller氏(DAZN News Canada)
「複数の国際大会で上位進出を経験したベテランと、ビッグクラブで主力を務める若手が共存している。英語圏中心で開催される今大会は、ついにイングランドが最後の壁を越える絶好の機会に思える」
■ダークホース:ノルウェーと日本が2大注目国

ダークホースとして最上位に入ったのはノルウェーだ。
J. François-Nicolas Sepulchre氏(ジャーナリスト/DAZN Belgium)
「ノルウェーは世界屈指の攻撃陣を持っている。ウーデゴール、ヌサ、セルロートといったトップクラスの選手がそろう」
東大ア式の分析はこうだ。
「ハーランド、セルロート、ウーデゴールらを擁し、圧倒的な攻撃力でイタリア代表さえも粉砕した。左ウイングにはヌサとシェルデルップ、右にはボブがおり、多彩な得点パターンを持つ。加えて組織的なプレーの完成度も高い」
そして、そのノルウェーに次いでダークホースとして推す声が集まったのが日本だ。
Luke Doherty氏(Fox Sports Australia)
「アジア予選を圧倒的に勝ち抜き、地域の覇者となっている。10月にはブラジル相手に0ー2から逆転勝利を収めた。2022年カタール大会ではクロアチアにPK戦で惜敗したが、"100年計画"における次なる進化の段階に入ったのかもしれない」
ベン・メイブリー氏(ジャーナリスト)
「森保一監督のもとでこの8年間、日本代表の国際レベルにおける選手層は驚くべき水準にまで達した。ウェンブリーでのイングランド戦勝利でも示されたように、ボール保持時・非保持時の両面における連携は、現代の多くのヨーロッパ勢にとって夢のようなレベルにある」
■MVP候補:エンバペとオリーセの二強

(C)Getty Images
有識者の間で最も多くMVP候補に挙がったのはフランスのエンバペとオリーセだった。
オリーセについて、太田宏介氏はこう語る。
「クラブでのパフォーマンスが非常に高く、得点力だけでなくアシストやチャンスメイクでも違いを生み出せる。派手な突破だけでなく試合全体を動かせるタイプなので、大会を通して最も存在感を示す選手になると考えている。周囲にエンバペら強力な選手がいることで彼の創造性がさらに生きるはずで、試合を決めるプレーを多く見せてくれるはず」
一方、イングランドのケインを推す声も複数ある。
Ash Rose氏(DAZN News UK)
「今、世界最高の選手だ。ケインが今季バイエルンで見せているフォームをW杯に持ち込めば、大会全体にとって脅威となる。彼の価値は得点力だけではなく、中盤まで下がって攻撃を組み立てられる点にあり、2人分の危険なアタッカーを兼ね備えたような存在だ」
■注目グループ:グループI、そして日本が入ったグループF

最も注目するグループとしては、グループI(フランス、セネガル、イラク、ノルウェー)を挙げた有識者が最多となった。
桑原学氏(フリーランス実況者)
「とくに競争力の高い組み合わせになった。ノルウェーとセネガルもオーガナイズされたチームで、世界屈指のアタッカーを擁しており、ダークホースとなりえる力がある。フランスの力は抜けているが、決して簡単に突破できるグループではない」
日本が戦うグループF(オランダ、日本、スウェーデン、チュニジア)については、粕谷秀樹氏(ジャーナリスト)はこう評価する。
「実力伯仲。全チームが首位でラウンド32に進出する力を持っているため、全チームにグループステージで敗退するリスクもつきまとう。日本は三笘の、オランダはシャビ・シモンズの負傷欠場が大きな痛手になりかねない」
■日本人有識者とグローバル有識者の視点の違い
興味深いのは、日本人有識者とグローバル有識者の間で評価の温度差が見られる点だ。
- 日本代表の評価:日本人有識者は総合3.8(12位)と高く評価する一方、グローバル有識者は3.2(17位)と控えめ
- イングランドの評価:日本人有識者は4名が優勝予想に挙げたのに対し、グローバルでは1名のみ
- ブラジルの評価:日本人有識者はアンチェロッティ監督への期待からか2位予想が多い
田中裕介氏(SHIBUYA CITY FC)
「北中米開催ということで、ある種お祭り的な雰囲気、南米のラテンのエッセンスがスタジアムに漂う。非常に暑い気候でオープンな展開になった時に、個の力で試合を決定づけられるタレントが前線に多くいる。ビッグトーナメントでの勝ち方を知っている名将アンチェロッティが率いるのも大きい」
■総括:史上最も予測困難な大会に
FIFAワールドカップ2026は、フランスの圧倒的な選手層と大会経験を軸に、スペインの戦術的完成度、イングランドの世代的ピーク、そしてブラジル、アルゼンチンの伝統国が挑む構図となる。48チーム制への拡大により、ノルウェー、日本、トルコといったダークホースが台風の目となる可能性もあり、史上最も予測困難な大会になることは間違いない。
メッシやロナウドが史上最多となる6大会連続の出場となる一方、ヤマルやオリーセら新世代の台頭も目覚ましい。複数の物語が交錯する2026年夏、世界のサッカーファンは歴史的な大会を目撃することになる。
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