Gemini Notebook で時間を節約する 32 のタスク:Excel、Word、PDF エクスポート機能がゲームチェンジャーに

@ai_jitan
日本語2026年8月17日
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TL;DR

本書は Gemini Notebook の実践的な 32 のプロンプトを網羅したガイドです。Excel、Word、PDF への直接エクスポート機能を活用し、ビジネス文書作成やコンテンツ制作を効率化する方法に焦点を当てています。

大げさに聞こえるかもしれません。でも、これから32個の実例を見終わったあと、あなたも同じ言葉を使いたくなるはずです。

きっかけは、2026年8月4日。Gemini Notebook(旧NotebookLM)の大型アップデートで、3つの神器が手に入りました。

Excel出力。Word出力。PDF出力。

それまでのAIは、どれだけ優秀でも「下書き係」でした。良い文章は書いてくれる。でも、それを会社の様式に貼って、体裁を整えて、ファイルとして保存するのは、人間の仕事。AIと提出物のあいだには、いつも「最後の一手間」という川が流れていました。

3つの神器は、この川に橋を架けました。会議の録音から、いつもの様式の稟議書Excelが届く。メモ3行から、そのまま配れる案内PDFが届く。 AIの仕事が「下書き」から「納品」に変わったんです。

そして気づきました。これ、特定の仕事だけの話ではありません。議事録も、申請書も、提案書も、分析レポートも、マニュアルも——書類が絡むあらゆる仕事が、まとめて時短の対象になった。 だから、仕事の定義が変わった、と言っています。

この記事では、その実例を32個、すべてコピペで使えるプロンプト付きで置いていきます。AIの知識はいりません。やることは「資料をノートに入れる」と「プロンプトを貼る」の2動作だけ。あなたの仕事に近いものから、そのまま真似してください。

では、はじめます。

第1章:3つの神器と、使い分けの基準

本編の前に、3分だけ。ここを押さえると、32個ぜんぶが「なるほど」に変わります。

どの神器を使うか——判断基準はシンプル

数字と数式が主役なら、Excel。

稟議書、管理台帳、集計レポート。あとで数字を差し替えたり、再計算したりする書類はExcelで納品させます。しかもこの神器、セルに数式まで入れてくれます。 値のベタ打ちではなく、テンプレートと同じ数式が。ここが革命です。

文章が主役で、このあと人が手を入れるなら、Word。

議事録、提案書、報告書。上司や自分が追記・修正してから使う書類は、編集しやすいWordで納品させます。

そのまま配って、編集させたくないなら、PDF。

全社周知、マニュアル、FAQ集。「完成形をそのまま届ける」書類はPDFで納品させます。

迷ったら、この一言で覚えてください。計算するならExcel、直すならWord、配るならPDF。

共通の型は、3つだけ

32個のプロンプトには、共通の設計が入っています。知っておくと、自分で応用できるようになります。

型①:ファイル形式を、必ず指定する

「Excelファイルとして作成してください」と言い切る。これを言わないと、普通のテキストで返ってきます。逆に言えば、この一言だけで神器は起動します。

型②:「分からない項目は要記入と明記」を入れる

AIが勝手に数字や名前を創作するのを防ぎ、あなたが確認すべき場所を浮かび上がらせる保険です。32個の多くに、この1行が入っています。

型③:会社の様式は「フォーマット庫」で教える

会社のテンプレートや、過去に承認された書類をノートにストックしておくと、その様式のまま納品されるようになります。ファイル名は「稟議書_テンプレ」「稟議書_承認済み01」のように、種類が分かる形にしておくのがコツです。テンプレがない書類は、プロンプト内の【出力形式】が型の代わりになるので、そのままでも動きます。

あとひとつ、いつもの約束を先に。社外秘・個人情報は、匿名化してからストックしてください(取引先は「A社」、個人名は「Bさん」に)。業務利用の前に、自社のセキュリティルールの確認を最優先に。

準備は以上です。では、32連発、いきます。

第2章:毎日の書類仕事編——10実例

まずは、誰の毎日にもある書類仕事から。頻度が高い仕事ほど、時短の総量は大きくなります。ここだけで、残業の景色が変わる人も多いはずです。

①会議の録音から、議事録をWordで納品させる

会議のあとの議事録づくり、平均1〜2時間。あれが、確認の3分になります。録音ファイルをノートに入れて、これを貼るだけ。文字起こしは不要です。

ストックするデータ:会議の録音(そのままドラッグで入ります)

text
1この会議の録音をもとに、議事録を作成し、Wordファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・会議名・日時・出席者/会議の目的/議論のポイント/決定事項(誰が・何を・いつまでに)/未決事項/TODO一覧の構成
5・見出しを立てて、初めて読む人が5分で全体を掴める長さにする
6
7【ルール】
8・決定事項と未決事項は絶対に混同しない
9・発言に基づかない内容を書かない
10・不明な点は「要確認」と明記する

テキストをドキュメントに貼って整える、あの一手間がなくなります。社内の議事録フォーマットがあるなら、過去の議事録をストックして「ストックした議事録の構成に完全に従って」と一言足せば、毎回同じ形式で出てきます。

応用ワザ:定例会議が多い人は、1週間ぶんの録音を同じノートに溜めて「今週の全会議の決定事項を横断でまとめて」と頼んでみてください。金曜の夕方の1回で、今週の意思決定が1枚にまとまります。上司への週次報告の素材にも、そのまま使えます。

②会議のTODOを、Excelの管理台帳で納品させる

「誰が・何を・いつまでに」を議事録から拾ってExcelに転記する。あの地味な作業も、神器の仕事です。

ストックするデータ:会議の録音(①と同じノートでOK)

text
1この会議で発生したタスクを整理し、タスク管理台帳をExcelファイルとして作成してください。
2
3【シート構成】
4・シート1「タスク一覧」:タスク内容/担当者/期限/優先度(高・中・低)/ステータス(未着手・進行中・完了)の列を持つ表
5・シート2「会議サマリー」:会議の決定事項と持ち越し論点の整理
6
7【ルール】
8・担当者や期限が会議で明言されていないタスクは「未定(要確認)」と記載する
9・ステータス列は全件「未着手」で初期化する
10・会議で発言されていないタスクを推測で追加しない

出てくるのは、ただの表ではなく運用をそのまま始められる台帳です。優先度もステータス列も準備済み。次の会議の録音を足して同じプロンプトを回せば、会議のたびに育つ台帳になります。

組み合わせワザ:①の議事録と同じノートで運用するのが良いです。翌週の会議のあとに「先週の台帳に今回のタスクを追記した最新版を作って」と頼めば、台帳の更新まで神器の仕事になります。自分でExcelを開いて編集する回数が、目に見えて減っていきます。

③会議の決定事項を、全社周知のPDFにする

「新ルールを全社に知らせる文書、誰か作って」——その仕事、数分で終わります。

ストックするデータ:会議の録音、または決定事項のメモ

text
1この会議で決定した内容について、全社向けの周知文を作成し、PDFファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・件名/結論(最初の3行で何が変わるか)/対象者と適用開始日/社員がやるべきこと(番号付き手順)/問い合わせ先の構成
5
6【ルール】
7・丁寧だが硬すぎない文体で、新入社員でも誤解なく読めるようにする
8・会議で明言されていない箇所は「要記入」と明記する

配布用なので、編集されないPDFがぴったり。最初の3行で結論が分かる構成にしてあるので、「読まれない周知文」からも卒業できます。

つまずき対策:周知文で事故りやすいのは「適用開始日」と「対象者」です。会議で曖昧なまま終わっていると、ここが「要記入」で返ってきます。それは失敗ではなく、決め漏れの検出。配布前に決めるべきことをAIが先に教えてくれた、と受け取ってください。

④欠席者向けのキャッチアップ資料を、Wordで作る

会議を休んだメンバーに口頭で説明する10分。それが積み重なると、チームの大きなロスです。この1本を渡せば終わります。

ストックするデータ:会議の録音

text
1この会議を欠席したメンバー向けに、キャッチアップ用の資料を作成し、Wordファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・3行サマリー(何の会議で、何が決まったか)
5・欠席者が知らないと困る決定事項
6・欠席者本人に関係するタスク(あれば)
7・次回までに確認しておくべきこと
8
9【ルール】
10・背景を知らない人が読んでも分かる言葉で書く
11・専門用語や社内の略語には一言の説明を添える

「議事録読んでおいて」よりずっと親切で、あなたの説明時間はゼロ。欠席者に必要な情報だけを抜き出してくれるのがミソです。

現場の景色:これを回す習慣ができると、「休むと置いていかれる」という空気がチームから消えます。育休明けや時短勤務のメンバーがいるチームほど効く1本です。情報格差は、悪意ではなく手間から生まれます。手間が消えれば、格差も消えます。

⑤次回会議のアジェンダを、Wordで用意しておく

会議の終わりは、次の会議の始まりです。終わった直後にこれを回しておくと、次回の準備が「もう終わっている」状態になります。

ストックするデータ:今回の会議の録音・議事録

text
1この会議の内容をもとに、次回会議のアジェンダ案を作成し、Wordファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・前回の宿題の確認(担当者ごとに)
5・持ち越しになった論点(優先度順)
6・新たに議論が必要と思われるテーマ(提案)
7・各項目の目安時間(合計60分で配分)
8
9【ルール】
10・「新たに議論が必要なテーマ」は資料の内容から根拠を添えて提案する
11・根拠のない項目は入れない

時間配分まで入ったアジェンダが届きます。会議前日に慌てて「今日何話すんだっけ」と議事録を読み返す時間、もういりません。

応用ワザ:出てきたアジェンダを会議の招集メールに貼っておくと、参加者が準備をして来るようになります。「会議が長い」の原因の多くは、その場で考え始めることです。アジェンダの事前共有は、実は最強の会議時短術です。

⑥会議の録音から、稟議書Excelへ直行させる

僕がこの神器でいちばん衝撃を受けた使い方です。ツール導入が決まった会議の録音から、議事録すら挟まずに、会社の様式の稟議書が届きます。

ストックするデータ:稟議書のテンプレート・承認済みの稟議書・会議の録音

text
1この会議の録音の内容をもとに、会議で決定した申請事項について、ストックした「稟議書_テンプレ」の様式に完全に従って、稟議書をExcelファイルとして作成してください。
2
3【ルール】
4・申請内容、金額、期間、背景は、会議での発言に基づいて記載する
5・会議で明言されていない項目は「要記入」と明記する
6・様式・数式はテンプレートと完全に同じにする
7・文体と書きぶりは「稟議書_承認済み01」を参考にする

開いてみてください。シート名も、項目も、レイアウトも会社のテンプレと同じ。会議で話した金額が正しいセルに入り、数式のセルには、ちゃんと数式が入っています。 会議が終わった時点で、稟議書が提出できる状態になっている——「申請書を書く」という仕事の消滅です。

つまずき対策:様式の再現が甘いときは、テンプレートの入れ方を見直してください。ファイル名を「稟議書_テンプレ」と明確にして、プロンプトでその名前を指定する。読み込みにくい形式なら、PDFにして入れ直す。この2つで、ほとんど解決します。

⑦出張報告書を、Wordで納品させる

出張から帰った翌日の憂鬱、報告書。移動中にスマホへ吹き込んだ音声メモや、走り書きの箇条書きから、そのまま作れます。

ストックするデータ:報告書のテンプレート(あれば)・出張中のメモや録音

text
1以下のメモをもとに、出張報告書を作成し、Wordファイルとして出力してください。
2ストックした報告書のテンプレートがある場合は、その様式に従うこと。
3
4【出張のメモ】
5(訪問先、目的、話した内容、所感を箇条書き)
6
7【出力形式】
8・出張概要(日程・訪問先・目的)/面談内容の要点/得られた成果・気づき/今後の対応(誰が・何を・いつまでに)の構成
9
10【ルール】
11・メモにない内容を推測で書かない
12・金額・日付など確認が必要な箇所は「要確認」と明記する

帰りの新幹線でメモを吹き込んでおけば、翌朝には確認するだけ。出張の疲れと報告書の憂鬱を、同時に持ち帰らなくてよくなります。

応用ワザ:訪問先ごとに音声メモを分けておくと、「A社訪問のぶんだけで報告書を作って」と切り出せます。複数件の出張をまとめて回って、帰りの移動中に報告書を1本ずつ量産する、なんて芸当もできるようになります。

⑧経費・支出のまとめを、Excelで納品させる

領収書の山とにらめっこする月末。支出のメモや明細のデータを入れれば、集計まで終わった一覧表が届きます。

ストックするデータ:支出のメモ・明細データ(匿名化を忘れずに)

text
1ストックした支出のメモ・明細をもとに、経費のまとめ表をExcelファイルとして作成してください。
2
3【シート構成】
4・シート1「経費一覧」:日付/科目/内容/金額/備考の列を持つ表
5・シート2「集計」:科目別の合計と、全体の合計(数式で計算)
6
7【ルール】
8・合計は必ず数式で入れる(明細の追加で再計算できる形にする)
9・科目の分類に迷うものは「要確認」列に印を付ける
10・メモにない金額を作らない

科目分けの下ごしらえと集計が終わった状態から、月末処理を始められます。数式入りなので、追加の明細を足しても合計が生きたまま。最終的な金額の検算だけは、必ず人間の目で。 ここは約束です。

つまずき対策:読み取りに不安があるときは、シート1の「要確認」の印を最初に見る習慣を。AIは分類に迷ったものを正直に申告してきます。全部を目視するのではなく、申告された場所から見る。確認作業にも、濃淡をつけていきましょう。

⑨週報を、Excelで納品させる

毎週金曜の週報。日々のメモや日報をノートに溜めておけば、「今週ぶんをまとめて」の一言で終わります。

ストックするデータ:週報のテンプレート・日々の業務メモや日報

text
1ソースの業務メモ・日報をもとに今週の週報を作成し、ストックした「週報_テンプレ」の様式に完全に従ってExcelファイルとして出力してください。
2
3【ルール】
4・様式、項目、数式は、テンプレートと完全に同じにする
5・案件ごとに「状況→次のアクション」が分かるように書く
6・数字はメモにある実績のみを使い、ソースにない数字は作らない
7・上司が2分で読めて、意思決定に使える密度にする

週報の本当のコストは、書く時間ではなく「今週何やったっけ」と思い出す時間です。メモを溜めるだけで、思い出す仕事ごと消えます。

組み合わせワザ:日々のメモは、凝らなくて大丈夫です。「今日やったこと3行」をノートに足すだけの運用で十分。3行×5日が、金曜に1枚の週報になります。記録のハードルを下げることが、この仕組みを続ける唯一のコツです。

⑩月次報告書を、Wordで納品させる

月末の集大成。1か月ぶんの議事録・週報・実績データが同じノートに溜まっていれば、月次報告はもう「書く」仕事ではありません。

ストックするデータ:当月の議事録・週報・実績データ一式

text
1ソースの当月の議事録・週報・実績データをもとに、月次報告書を作成し、Wordファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・今月のサマリー(3行)/目標に対する実績/主なトピックと成果/課題と対応方針/来月の重点事項の構成
5
6【ルール】
7・実績の数字は、ソースにあるものだけを使う
8・課題には、資料から読み取れる原因を添える
9・資料から読み取れない項目は「情報不足」と明記する

1か月の記録を横断して、要点だけを組み上げてくれます。「報告のための残業」——あの本末転倒な時間から、卒業です。

現場の景色:月次報告のたたき台が数分で出ると、浮いた時間を「来月どう動くか」に使えるようになります。報告書づくりの本来の目的は、報告ではなく次の一手を決めること。神器は、その本来の目的に時間を返してくれます。

第3章:攻めの仕事編——12実例

守りの書類が片付いたら、次は売上と成果に直結する仕事です。営業、企画、マーケ、データ分析。神器が入ると、「考える前の準備」と「考えたあとの清書」が消えて、考えること自体に全部の時間を使えるようになります。

⑪提案書を、Wordで納品させる

商談の武器そのものを納品してもらいます。通った提案書をお手本にストックしておくのが、勝率を上げるコツです。

ストックするデータ:提案書のテンプレート・承認済みの提案書・商品資料・打ち合わせメモ

text
1ストックした「提案書_テンプレ」の様式と、「提案書_承認済み01」の書きぶりに従って、以下の顧客向けの提案書ドラフトをWordファイルとして作成してください。
2
3【顧客名と提案の骨子】
4(要点を箇条書き。打ち合わせメモがソースにあれば、その旨も書く)
5
6【ルール】
7・お客様の課題は、ソースの打ち合わせメモから抜き出す
8・商品仕様・価格は、必ずソースの最新資料と一致させる
9・ソースにない仕様を「できます」と書かない
10・確認が必要な箇所は「要確認」と明記する

注目してほしいのは「ソースにない仕様をできますと書かない」の一行。営業資料でいちばん怖い「言った言わない」を、プロンプトの段階で封じています。

組み合わせワザ:決裁者の判断基準を学習させた「上司ノート」と組み合わせると、さらに通りやすくなります。「決裁者が重視するポイントを優先した構成で」と一言足すだけ。速い・通る・そのまま出せる、の三拍子がそろいます。

⑫複数の見積もりを、Excelの比較表にする

3社から届いた見積もりPDF、順番に開いて見比べるのは今日で最後です。全部ノートに入れて、これを貼るだけ。

ストックするデータ:各社の見積もり(PDFのままでOK・匿名化推奨)

text
1ストックした各社の見積もりを比較し、比較表をExcelファイルとして作成してください。
2
3【出力形式】
4・行に比較項目(金額・内訳・納期・サポート・支払条件など)、列に各社を並べた比較表
5・最下部に、金額合計の行(数式で計算)
6・別シートに、各社の見積もりの注意点(記載が曖昧な箇所・他社にない条件)の整理
7
8【ルール】
9・各セルの記載には、どの見積もりの記述に基づくかが分かるようにする
10・見積もりに記載がない項目は「記載なし」と書く
11・どこを選ぶべきかの判断はせず、比較材料の整理に徹する

判断はあなたの仕事、見比べる準備はAIの仕事。この線引きが、いちばん安全で、いちばん速い分担です。

応用ワザ:社内の相見積もりだけでなく、自分の買い物にも使えます。引っ越し、リフォーム、保険の乗り換え。人生の大きな買い物ほど、見比べる項目は多く、比較表の価値は上がります。仕事の技は、暮らしにも効きます。

⑬顧客フォロー計画を、Excelで納品させる

売って終わり、にしないための仕事です。契約後のフォローを「予定表」の形で持っておくと、解約の芽を先回りで摘めます。

ストックするデータ:顧客の利用状況メモ(匿名化済み)・過去のフォロー記録

text
1以下の顧客について、契約後30日のフォロー計画表をExcelファイルとして作成してください。
2
3【顧客の状況】
4(導入時期、利用状況、気になる点を箇条書き。匿名化して記載)
5
6【出力形式】
7・時期・やること・目的・確認すべきサインの列で構成する
8
9【ルール】
10・売ることより、顧客がつまずかないことを優先した計画にする
11・状況が分からない箇所は「要記入」と明記する

「確認すべきサイン」の列が入っているのがポイント。何かあってから動くのではなく、サインを見て動く。フォローが仕組みになります。

現場の景色:顧客フォローの本質は「忘れないこと」です。30日の計画表が手元にあると、忙しさでフォローが飛ぶ事故がなくなります。そしてお客様は、内容よりもまず「覚えていてもらえたこと」に感動してくれます。

⑭商談前の準備ブリーフィングを、Wordで作る

商談の勝敗は、始まる前に半分決まっています。顧客に関する情報をノートに集めて、移動前にこれを回してください。

ストックするデータ:顧客との過去のやり取り・議事録・顧客の公開情報(匿名化して管理)

text
1ストックした顧客情報をもとに、次回商談の準備ブリーフィングを作成し、Wordファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・顧客の現状と関心事(資料からの引用付き)
5・前回までの経緯と、宿題になっていること
6・今回の商談のゴール(提案)
7・想定される質問と、回答の方向性(3つ以上)
8・注意すべき地雷(過去に難色を示された点など)
9
10【ルール】
11・資料に根拠のない推測は「推測」と明記する
12・想定質問は、資料の中の懸念や指摘から組み立てる

移動中にこの1枚を読むだけで、頭が商談モードに切り替わります。「想定される質問」まで用意して臨む営業と、そうでない営業。差がつくのは、ここです。

応用ワザ:社内の重要会議の前にも、同じ型が使えます。参加者の過去の発言や指摘をストックしておけば、「この会議の参加者ごとの関心事と想定質問を整理して」。いわゆる根回しの質が、目に見えて変わります。

⑮企画書を、Wordで納品させる

頭の中のアイデアを、上に出せる企画書の形にするまでが遠い。その距離を、一撃で詰めます。

ストックするデータ:企画書のテンプレート(あれば)・過去に通った企画書・関連する市場データ・上司の思考

text
1以下のアイデアを企画書に組み立て、ストックした「企画書_テンプレ」の様式に従ってWordファイルとして
2作成してください。
3
4【アイデア】
5(要点を箇条書き)
6
7【出力形式】
8・背景/目的と目標数値/ターゲット/施策の内容/スケジュールと必要リソース/リスクと対策の構成
9
10【ルール】
11・目標数値は、必ず測定可能な数字で置く
12・ソースに市場データや過去施策の結果があれば、根拠として使う
13・最小コストで検証する案を必ず添える
14・根拠のない数字は作らず、「要記入」と明記する

「最小コストで検証する案を必ず添える」の一行が効きます。大風呂敷の企画は通りません。小さく試す道筋まで入った企画書が、通る企画書です。また、上司の思考をまとめたテキストを入れておくことで、上司に通りやすい企画書にまとめてくれます。

つまずき対策:出てきた企画書が薄いと感じたら、原因はアイデアの箇条書きが薄いことです。AIは膨らませ係であって、発案係ではありません。箇条書きを3行から10行に増やすだけで、出力の厚みは見違えます。

⑯競合比較表を、Excelで納品させる

競合のサイトや資料を眺めては、手作業でセルにコピペしていく比較表づくり。週末が1回つぶれるあの仕事が、納品に変わります。

ストックするデータ:競合の公開資料・サイト情報・過去の調査メモ

text
1ソースの競合情報をもとに、競合比較表をExcelファイルとして作成してください。
2
3【出力形式】
4・シート1は結論(当社が取るべきポジション)、シート2は各社の比較一覧(特徴・価格・強み・弱み)
5
6【ルール】
7・すべての記載に、どの資料に基づくかを明記する
8・事実と推測を明確に区別する
9・情報が取れない項目は「要記入」と明記する

シート1に「結論」を置かせているのがコツです。表を作って満足、で終わらせない。比較の先にある「で、うちはどう動く?」まで、たたき台を出させます。

組み合わせワザ:㉒のWeb検索と組み合わせると、ストックした資料が古くても「最新情報で更新した比較表」が作れます。競合の動きは変わり続けるもの。比較表も一度きりで終わらせず、生き物として育ててください。

⑰マーケの月次レポートを、Excelで納品させる

数字を集めて、表にして、グラフにして、所見を書く。月初の恒例行事が、データを入れて一言頼むだけになります。

ストックするデータ:月次レポートのテンプレート・当月の数値データ・活動記録

text
1ソースの数値データ・活動記録をもとに月次レポートを作成し、ストックした「月次レポート_テンプレ」の様式に完全に従ってExcelファイルとして出力してください。
2
3【ルール】
4・様式、項目、数式は、テンプレートと完全に同じにする
5・数字はソースにある実績のみを使い、ソースにない数字は作らない
6・数字の解釈だけでなく、来月の重点アクションまで踏み込む
7・データが不足している項目は「要記入」と明記する

「解釈だけでなく、来月のアクションまで」。レポートの価値は、きれいな表ではなく、次の一手が決まることです。そこまで含めて納品させます。

現場の景色:レポートづくりが数分になると、月初の風景が変わります。数字を「まとめる」月初から、数字を「議論する」月初へ。チームの会話の質が一段上がるのが、この時短の本当の価値です。

⑱SNSの投稿カレンダーを、Excelで納品させる

投稿ネタを毎日ひねり出す苦しみから、月イチでまとめて受け取る運用へ。過去の高反応投稿をストックしておくと、勝ちパターンを学んだカレンダーが出てきます。

ストックするデータ:過去の投稿と反応データ・発信テーマのメモ

text
1ソースの過去投稿の勝ちパターンをふまえて、来月の投稿カレンダーをExcelファイルとして作成してください。
2
3【前提】
4(発信テーマ、投稿頻度、狙いを箇条書き)
5
6【出力形式】
7・日付・テーマ・投稿の狙い・本文の下書きの列で構成する
8
9【ルール】
10・切り口が偏らないように、テーマの配分を工夫する
11・本文の下書きは、最初の1行で読者の得が伝わる形にする

下書き列まで埋まって届くので、あとは日々磨いて出すだけ。「今日なに投稿しよう」と画面の前で固まる時間が、月1回の確認作業に変わります。

つまずき対策:下書きをそのまま投稿するのは、おすすめしません。最後の一磨き——自分の言葉に直す工程——だけは、人間の仕事として残してください。読者がついてきているのは、AIの文章ではなく、あなたの言葉です。

⑲データを分析させて、Excelの分析ブックで納品させる

売上データ、アクセスログ、営業実績。CSVを渡すと、集計・グラフ・所見まで入った「分析ブック」が丸ごと届きます。個人的に、Excel出力でいちばん未来を感じた1本です。

ストックするデータ:分析したいデータ(CSVなど・匿名化済み)

text
1アップロードした「(データ名)」を分析し、分析ブックをExcelファイルとして作成してください。
2
3【シート構成】
4・シート1「前提」:対象期間、集計単位、データの注意点を明記
5・シート2「集計」:項目別・期間別の集計表と、成長率の計算列
6・シート3「グラフ」:推移が分かる折れ線グラフ、構成が分かるグラフ
7・シート4「所見」:伸びている項目と落ちている項目を、数字を根拠に指摘
8
9【ルール】
10・集計と成長率は数式で入れる(データ差し替えで再計算できる形にする)
11・データにない数字は作らない
12・データに欠損や異常値があれば、シート1に記載する

前提・集計・グラフ・所見の4シート構成は、そのまま報告に使える形を狙っています。数式入りだから、来月のデータに差し替えても計算が生きる。使い捨てではなく、使い回せる分析ブックです。

応用ワザ:毎月同じデータで回すなら、「先月の分析ブックと同じ構成で」と頼んでみてください。月次の定点観測に育ちます。比較できる分析は、単発の分析の何倍も価値があります。

⑳アンケートの自由記述を、Excelで集計させる

顧客アンケートや社内サーベイの自由記述欄。1件ずつ読んで分類する作業は、もう人間の仕事ではありません。

ストックするデータ:アンケート結果(個人が特定される記述は匿名化)

text
1ストックしたアンケート結果の自由記述を分析し、集計ブックを
2Excelファイルとして作成してください。
3
4【シート構成】
5・シート1「分類集計」:回答をテーマ別に分類し、件数と割合を集計(数式)
6・シート2「代表的な声」:テーマごとに、内容がよく分かる回答を数件ずつ引用
7・シート3「所見」:多かった声・少数だが重要な声・改善提案の整理
8
9【ルール】
10・分類のテーマは回答の内容から作り、無理に既存の枠に押し込めない
11・引用は原文のまま載せる(要約で意味を変えない)
12・件数の集計は数式で入れる

「少数だが重要な声」を拾わせているのがポイントです。多数決だけでは見落とす1件の重大な指摘。人間が読み飛ばしがちなものこそ、AIに拾わせます。

現場の景色:自由記述がぜんぶ読まれて集計されると分かると、回答者は本音を書くようになります。「どうせ読まれない」が消えた組織のアンケートは、回収率と本音率の両方が上がっていきます。

㉑目標と現状のギャップ分析を、Wordのレポートにする

プロジェクトの現在地を、感覚ではなく根拠で掴む1本です。月曜の朝にこれを回すのを習慣にすると、遅れに気づくのが1か月早くなります。

ストックするデータ:プロジェクトの目標・KPI・スケジュール・直近の議事録や資料

text
1このプロジェクトの目標・KPIと、直近の議事録や資料から読み取れる現状を比較し、ギャップ分析レポートをWordファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・目標の一覧(数値・期限)/現状/目標と現状のギャップ
5・ギャップの要因として資料から読み取れること
6・来週取り組むべきことの提案(3つ、根拠付き)
7
8【ルール】
9・現状が資料から読み取れない項目は「情報不足」と明記する
10・要因や提案は、必ず引用元を添える
11・楽観的な推測で埋めない

プロジェクトで本当に怖いのは、遅れそのものではなく、遅れに気づくのが遅れること。「情報不足」と返ってきた項目は、記録が足りていないサインとして受け取ってください。

組み合わせワザ:月曜の朝にこれ、金曜の夕方に⑨の週報。週の始まりに現在地を掴み、週の終わりに記録を残す。この2本をカレンダーの定期予定に入れてしまうのが、僕のおすすめの運用です。

㉒業界ニュースの「自社への影響」を、Wordのレポートにする

気になるニュースを見つけたとき、「で、うちにはどう影響するの?」に答えるレポートです。8月のアップデートで加わったWeb検索と、あなたの資料の合わせ技。

ストックするデータ:自社・プロジェクトの資料一式

text
1「(気になるニュースやキーワード)」についてWebで検索し、このノートの資料と突き合わせて、影響分析レポートをWordファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・ニュースの概要(出典付き)
5・当社・このプロジェクトへの影響(資料のどこに関係するか引用付きで)
6・チャンスとリスクを分けて整理
7・確認すべきことの提案
8
9【ルール】
10・影響の分析は、資料に書かれている事実に基づいて行う
11・推測は「推測」と明示する
12・Web情報は出典を明記する

ただの検索と何が違うか。Googleに聞くのは「あなたを何も知らない相手」への質問ですが、これはあなたの資料を全部読んだ秘書が、外に調べに行くんです。世間の話が、自分ごとのレポートになって返ってきます。

応用ワザ:業界の法改正や制度変更のウォッチにも使えます。「◯◯の制度改正についてWebで検索し、当社の規定と突き合わせて」。総務・法務の定期チェックが、この1本で仕組みになります。

第4章:チームと会社を回す仕事編——10実例

最後は、人と組織にまつわる仕事です。採用、育成、共有、引き継ぎ。派手さはないけれど、ここが回ると会社が強くなる——そんな縁の下の10実例です。

㉓面接の評価シートを、Excelで納品させる

「なんとなく良さそうだった」を面接から追放します。評価の物差しを、面接の前にファイルで持っておく1本です。

ストックするデータ:求人票・求める人物像のメモ・評価シートのテンプレート(あれば)・採用基準

text
1以下のポジションの中途採用について、面接評価シートをExcelファイルとして作成してください。
2
3【求める人物像】
4(要点を箇条書き)
5
6【出力形式】
7・質問・この質問で見るポイント・評価基準・記入欄の列で構成する
8
9【ルール】
10・評価基準は、面接官によって解釈がブレない言葉で明文化する
11・評価点の集計は数式で入れる

面接官が3人いれば、3通りの「良さそう」があります。基準を言葉にして、点数を数式で集計する。採用のブレが、仕組みで減ります。

現場の景色:評価シートの真価は、面接後の擦り合わせで出ます。共通の物差しがあると、議論が印象論から根拠の話に変わる。採用の失敗は高くつきます。物差しづくりの数分は、いちばん安い投資です。

㉔研修計画書を、Wordで納品させる

「新人に何をどの順番で教えるか」を、毎回ゼロから考えていませんか。教える順番と到達基準の入った計画書を納品させます。

ストックするデータ:自社のマニュアル・過去の研修資料(あれば)

text
1新入社員の研修計画書をWordファイルとして作成してください。
2
3【前提】
4(対象者、期間、身につけてほしいことを箇条書き)
5
6【出力形式】
7・研修の目的/最初の3か月で教えることと順番/各段階の到達基準/進め方の構成
8
9【ルール】
10・教える内容は、順番と到達基準を必ずセットにする
11・自社の資料がソースにあれば、それを教材として組み込む

「順番」と「到達基準」がセットになっているのが肝です。何をもって合格とするかが決まっていれば、教える側も教わる側も迷いません。

応用ワザ:新人だけでなく、中途入社や異動者向けにも型はそのまま使えます。「営業から企画に異動する社員向けに」と前提を変えるだけ。育成の設計図が、対象者ごとに量産できるようになります。

㉕求人票を、Wordで納品させる

求人票の文面づくりは、実は高度なコピーライティングです。求める人物像と自社の資料から、応募したくなる求人票のドラフトを作らせます。

ストックするデータ:求める人物像のメモ・自社紹介資料・過去の求人票(あれば)

text
1以下のポジションの求人票を作成し、Wordファイルとして
2出力してください。
3
4【ポジションと求める人物像】
5(仕事内容、必須条件、歓迎条件を箇条書き)
6
7【出力形式】
8・仕事内容(入社後の1日がイメージできる具体性で)/求める人物像(必須と歓迎を分ける)/この仕事で得られる経験/選考の流れの構成
9
10【ルール】
11・条件の羅列ではなく、働く姿が想像できる文章にする
12・ソースにない待遇・制度を書かない
13・給与など未確定の項目は「要記入」と明記する

「入社後の1日がイメージできる具体性で」。求人票の反応を分けるのは、この1点です。条件表ではなく、未来の同僚へのラブレターとして書かせます。

つまずき対策:出てきた文章がどこかで見た顔になったら、ソースに「自社らしさ」の素材が足りないサインです。社員の声や代表の発信を足してください。求人票の個性は、プロンプトではなく素材から生まれます。

㉖社内FAQ集を、PDFで納品させる

「これってどうするんだっけ?」に答え続ける仕事を、冊子に変えます。規定・マニュアルを入れて、これを貼るだけ。

ストックするデータ:就業規則・社内規定・各種マニュアル

text
1ソースの社内規定・マニュアルをもとに、よくある質問と回答をまとめた社内FAQ集を作成し、配布用のPDFファイルとして出力してください。
2
3【構成】
4・カテゴリ別(勤怠/経費/福利厚生/申請手続きなど)に分類
5・カテゴリごとに、質問と回答をQ&A形式で記載・巻末に、問い合わせ先の一覧
6
7【ルール】
8・回答は必ず規定・マニュアルを根拠にし、引用元を明記する
9・規定にない事項は「担当部署に確認」と案内する
10・新入社員でも迷わない言葉で書く

新入社員に配る。社内ポータルに置く。それだけで「ベテランに同じ質問が集中する構造」そのものが崩れます。総務・人事の方、これは本当に効きます。

組み合わせワザ:PDFを配って終わりにせず、ノート自体もチームに共有しておくと、FAQに載っていない質問は直接ノートに聞いてもらえます。冊子と相談窓口の二段構え。問い合わせ対応の時間が、静かに消えていきます。

㉗ツールの操作マニュアルを、PDFで納品させる

「ITが苦手な人にも分かるマニュアル作っておいて」——その仕事、資料を入れて数分です。

ストックするデータ:対象ツールの公式マニュアル・設定資料

text
1以下のツールについて、社内向けの操作マニュアルを作成し、配布用のPDFファイルとして出力してください。
2
3【対象のツールと範囲】
4(ツール名と、教えたい操作を箇条書き)
5
6【ルール】
7・手順は1ステップ1行動で、番号付きで書く
8・専門用語には必ず一言の説明を添える
9・よくあるつまずきと対処法を最後にまとめる

「1ステップ1行動」がマニュアルの鉄則です。1つの手順に2つの操作を詰め込むから、読む人が迷子になる。その鉄則ごとプロンプトに焼き込んであります。

応用ワザ:新ツールの導入時だけでなく、「ベテランしか操作を知らない社内システム」の文書化にも効きます。操作を知る人の説明を録音してソースにすれば、頭の中のマニュアルが、配れるマニュアルに変わります。

㉘社内のAI活用ガイドラインを、PDFで納品させる

AIを社内に広げるとき、最初に必要なのはルールです。ただし、禁止だらけのルールは現場を萎縮させるだけ。推奨とセットのガイドラインを作らせます。

ストックするデータ:社内のIT利用ルール・利用を想定するツールの資料

text
1社内向けのAI活用ガイドラインを作成し、配布用のPDFファイルとして出力してください。
2
3【前提】
4(利用を想定するツール、社内の状況を箇条書き)
5
6【出力形式】
7・目的/使ってよい場面と入力してはいけない情報/
8 利用の手順/困ったときの相談先の構成
9
10【ルール】
11・禁止事項だけでなく、推奨する使い方もセットで書く
12・情報の取り扱いに関する注意は、具体例つきで書く

社内のAI推進役を任された方は、この1本から始めてください。ルールがあるから、みんなが安心して使い始められます。

現場の景色:ガイドラインの配布は、AI推進の第一歩として最適です。「勝手に使って怒られるかも」という不安が消えると、現場は一気に動き出します。推進役のあなたが配るべきは、禁止ではなく安心です。

㉙業務の引き継ぎ書を、Wordで納品させる

異動、退職、産休。引き継ぎ書づくりは、いちばん時間がないときにやってくる重労働です。日々の業務メモや議事録が溜まったノートがあれば、その蓄積から引き継ぎ書を組み上げられます。

ストックするデータ:業務メモ・議事録・使用しているマニュアルや台帳・引継ぎ中の録音データ

text
1ストックした業務メモ・議事録をもとに、後任者向けの業務引き継ぎ書を作成し、Wordファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・担当業務の一覧(頻度別:毎日/毎週/毎月/不定期)
5・業務ごとの手順の要点と、使う資料・システム
6・関係者と、その人に聞くべきこと
7・注意点・過去にトラブルになったこと
8・最初の1か月でやるべきことの優先順位
9
10【ルール】
11・資料から読み取れない手順は「後任者への口頭説明が必要」と明記する
12・社内の略語や固有の言い回しには説明を添える

引き継ぎの本質は「自分の頭の中の暗黙知を、文字にすること」。日頃からノートに記録を溜めている人ほど、この1本の威力に驚くはずです。技が人に付く時代から、ノートに残る時代へ。

つまずき対策:「後任者への口頭説明が必要」と返ってきた項目こそ、宝です。それは、記録に残っていない暗黙知のありか。引き継ぎ面談では、その項目から話してください。限られた面談時間の使い道が変わります。

㉚年間のタスクカレンダーを、Excelで納品させる

総務・経理・人事には、「毎年この時期にやる仕事」が山ほどあります。年間の定例業務を一度カレンダーにしておけば、「あれ、そろそろじゃない?」の不安から解放されます。

ストックするデータ:昨年度の業務記録・社内行事の資料・各種手続きのマニュアル

text
1ストックした昨年度の業務記録をもとに、年間タスクカレンダーを
2Excelファイルとして作成してください。
3
4【シート構成】
5・シート1「年間カレンダー」:月ごとに、定例業務・行事・提出期限のある手続きを一覧化(業務名/目安時期/担当/備考)
6・シート2「月別詳細」:業務ごとの準備開始時期と、参照すべき資料
7
8【ルール】
9・時期が資料から特定できない業務は「時期要確認」と明記する
10・毎年発生すると読み取れる業務だけを載せ、単発の業務は除く

一度作れば、来年もその先も使い回せる資産です。属人化しがちな「あの人しか知らない年間スケジュール」が、チームの共有財産に変わります。

応用ワザ:家庭にも使えます。学校行事、契約の更新手続き、記念日。家庭の書類をストックした生活ノートで同じプロンプトを回せば、「あれいつだっけ」が家からも消えます。

㉛読んだ本の学びを、Wordのメモで納品させる

インプットも神器の守備範囲です。本を読み込ませたノートで壁打ちした学びを、1枚のメモに固めて、自分の資産にします。

ストックするデータ:読んだ本(自分で買った本のデータ化は私的使用の範囲。共有は絶対NG)

text
1この本の内容と、ここまでの対話を踏まえて、読書メモを作成し、Wordファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・この本の要点(3行)
5・自分の仕事に最も影響する主張と、その理由
6・明日から変える行動(3つ、具体的に)
7・この本への疑問・反論と、それに対する自分の考え
8
9【ルール】
10・本の内容には、該当箇所の引用を添える
11・行動は「いつ・何を」のレベルまで具体化する

読みっぱなしの本は、忘れます。「明日から変える行動」まで落とし込んだメモが手元に残ると、読書が投資に変わります。メモが溜まったノートは、あなただけの知恵の書庫になります。

組み合わせワザ:メモが10冊ぶん溜まったら、「この10冊に共通する教えと、矛盾する主張を整理して」と聞いてみてください。本と本が、あなたのノートの中で対話を始めます。多読の価値が、ここで一気に回収されます。

㉜会議・商談前の想定問答集を、PDFで納品させる

大事なプレゼンや役員会議の前夜。「何を聞かれるだろう」という不安を、準備に変える1本で締めます。

ストックするデータ:発表する資料・過去の会議での指摘・関係者とのやり取り

text
1ストックした発表資料と過去の指摘をもとに、想定問答集を作成し、PDFファイルとして出力してください。
2
3【出力形式】
4・想定される質問(厳しい順に10個以上)
5・それぞれへの回答の要点(資料の引用付き)
6・回答に自信が持てない質問には「要準備」の印と、準備すべき内容の提案
7
8【ルール】
9・過去に実際に受けた指摘・質問を最優先で反映する
10・資料の弱点を突く質問も、遠慮なく想定に入れる
11・答えられない質問を隠さず、正直に「要準備」と出す

「資料の弱点を突く質問も遠慮なく」。本番でいちばん怖いのは、想定していなかった角度からの一撃です。先にAIに撃たせておけば、本番は怖くありません。印刷して持ち込めるPDFで、当日のお守りにしてください。

現場の景色:想定問答づくりの本当の効果は、資料が良くなることです。AIに弱点を突かせると、発表の前に資料を直したくなる。本番の質疑より先に、資料が一段強くなっている。守りの準備が、攻めの改善になるんです。

第5章:3つの約束と、最初の1本

32個、出し切りました。締めの前に、初めて神器を使う人がつまずきやすいポイントを3つ、処方箋つきで置いておきます。

つまずき①:ファイルではなく、テキストで返ってきた

原因はほぼ一つ、形式の指定漏れです。「Excelファイルとして作成してください」と、ファイル形式を言い切ってください。この一言が、神器の起動スイッチです。

つまずき②:会社の様式が再現されない

テンプレートがノートに入っているか、ファイル名をプロンプトで正しく指定しているかを確認してください。それでも崩れる場合は、テンプレートをPDF化して入れ直すと、様式の読み取りが安定します。ただ、100%正確には作れませんのでご注意を。

つまずき③:ファイル内の文字に、誤字がある

生成の仕組み上、ごくたまに文字が化けることがあります。これはプロンプトでは防ぎきれないので、提出前の目視チェックを運用に組み込んでください。特にタイトルや金額まわり。見つけたら、修正機能で「この誤字を直して」と頼めば済みます。

そのうえで、安全に使い続けるための約束を3つだけ。

約束①:最終確認は、必ず人間がやる

どれだけ納品物の完成度が上がっても、提出物の責任は人間のものです。「要記入」「要確認」の項目を埋め、金額を検算し、固有名詞を確かめてから提出する。32個のプロンプトに「要記入と明記」の1行をしつこく入れたのは、このためです。AIの創作を防ぎ、あなたが見るべき場所を光らせる。確認という仕事は、面倒な残り物ではなく、あなたに残された、いちばん大事な仕事です。

約束②:社外秘・個人情報は、匿名化してから

ノートにストックする書類は、取引先を「A社」、個人名を「Bさん」に置き換えてから。業務利用の前に、自社の情報セキュリティルールの確認を最優先にしてください。この一手間が、あなたと会社を守ります。

約束③:良い成果物は、お手本に昇格させる

納品されたファイルの中に「今回のは特に良かった」というものがあったら、それを承認済みのお手本としてノートに追加してください。次回から、その良い成果物が基準になります。納品するたびに、次の納品の質が上がっていく。 32個の実例は、使えば使うほど、あなたの仕事に馴染んでいきます。

まとめ:32個から、1個だけ

最後に、この記事の使い方をもう一度。

32個ぜんぶやろうとしないでください。 今日、いちばん時間を取られている仕事をひとつ思い浮かべて、その番号のプロンプトを、明日そのままコピペする。それだけで十分です。

数分後、完成したファイルがダウンロードされた瞬間——「仕事の定義が変わった」の意味が、体で分かります。Excelには数式が入っている。Wordには見出しが立っている。PDFはそのまま配れる。あなたがやったのは、資料を入れて、貼っただけ。

その1個の感動が、隣の仕事に広がって、チームに広がって、気づけば働き方そのものが変わっている。僕が月100時間の残業を手放した道のりも、最初はたった1個の「うわ、これすごい」からでした。

あなたの1個目が、この32個の中にあれば嬉しいです。

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