GPT-6 Astra、海外のガチ勢から学ぶ活用事例15選
ゲームの中にAIで動く住人を置いたら、住人同士で話し始めた。
家の写真を渡したら、家具まで置かれた3Dの家になった。
その一方で、問い合わせを担当者に振り分けたり、動画の最初の編集を済ませたりする仕事にも使われている。
GPT-6 Astraの海外事例を見ていて面白いのは、この幅の広さです。
「いい回答が返ってきた」で終わらず、画面の中に作ったものが残る。いつも自分が触っていたソフトを、AIが操作している。
この記事では、公開された投稿、詳しいレビュー、実演動画をもとに15の使い方を紹介します。
家や街、ゲームを作る例から、ページの手直し、問い合わせ対応、動画編集、記事づくりへと見ていきます。
読み終わったら、あなたがAstraへ頼みたい仕事が一つ決まる。
そこまで持っていきます。
先に知っておきたいのは、AIに渡している「道具」の違い
ChatGPT公式アカウントは、GPT-6 Astraについて、パソコン操作、Web閲覧、開発、科学、専門的な仕事などの能力を案内しています。
https://x.com/ChatGPT/status/2095597504226267333
ただ、ここで紹介する事例は、すべてが普通のチャット欄に一文入れるだけで再現できるわけではありません。
3Dを作るソフト、動画編集ソフト、顧客管理サービス。海外の利用者は、そうした道具や手元の素材もAIに使わせています。
先行利用の報告も含むため、使える機能や料金が、今あなたの画面に出ているものと同じとは限りません。
この記事では未確認の料金を載せず、「何を渡し、何を作らせたのか」に絞ります。
数えているのは15の用途です。同じ人の異なる使い方も含みます。
投稿者が報告した結果と、記事内で提案する日本での使い方も分けて読めるようにしています。
01|ゲームの住人にAIを入れたら、住人同士で話し始めた
最初はMatt Shumer氏の実験です。
依頼したのは、Unreal Engineというゲーム制作ソフトで世界を作り、その中の人々をAstraで動かすことでした。
人々は協力しながら、その世界で生き残る。会話に加え、その場所で行動する住人を作ろうとしたわけです。
https://x.com/mattshumer_/status/2095596175705399482
Matt氏は翌日、人の声が聞こえ、部屋に誰かいるのかと思ったと投稿しています。声の正体は、作らせていた世界の住人でした。
ここだけ聞くと、AIが勝手に意識を持ったように見えるかもしれません。
詳しいレビューを読むと、住人同士の会話は、もともと求めていた動作の一部です。「予想もしなかった生命の誕生」という話ではありません。
それでも、作りたい世界の条件を伝え、複数の登場人物が動いて会話するところまで持っていったのは目を引きます。
しかも、最初から順調だったわけではありません。動物が水に落ちるなどの問題があり、行動を直しながら世界を育てています。
会話が重なる場面もあり、まだ粗さが残る実験です。
もう一つ大事なのは準備です。Matt氏は、進行を管理するCodexと実装を担当するCodexを分け、既存の人物素材も使っていました。
白紙のチャットに一文入れただけ、とは条件が違います。
日本で試すなら、いきなり街を作るより「2人の会話」からでいい。
たとえば接客練習なら、客役と店員役を置き、返品の相談が来たときの受け答えを試す。物語づくりなら、同じ出来事に違う意見を持つ2人を動かす。
最初に決めるのは、登場人物の性格を長々と書くことより、「何を決める会話なのか」です。
最後に合意した内容まで出させれば、眺めて楽しい実験から、練習や下書きにも使える形になります。
02|家の写真を、家具まである3Dの家に変える
Tom Krcha氏が紹介したのは、写真から家を立体にする使い方です。
Blenderという3D制作ソフトで家を作り、家具、家電、おもちゃまで置いたと報告しています。
https://x.com/tomkrcha/status/2095598645190291775
一枚の完成画像を出しただけではありません。
後から人間が調整できる3Dの形として作られ、本人の端末ではゲームのように動かせると説明しています。
ここが、部屋のイメージ画像を生成する使い方との違いです。
「ソファをもう少し右へ」「机を小さく」。こうした変更を、立体の部品を調整する形で進められる余地がある。
日本で身近なのは、引っ越し前の家具配置です。
空の部屋の写真と、置きたい机や棚の寸法を渡す。机を窓側に置く案と、壁側に置く案を作ってもらう。
頭の中だけで比べるより、二つを並べた方が家族にも伝わります。
店舗なら、商品棚とレジの位置を変えた案にも応用できます。実際に重い棚を動かす前に、見え方を比べるためのたたき台です。
ただし、写真に写っていない壁の裏側や正確な寸法まで、AIが知っているわけではありません。
見た目が本物らしいほど、そこを忘れやすい。
実際に家具を買うために使うなら、部屋の幅、天井の高さ、出入口の位置は測って渡します。寸法が不明な部分は、仮の値だと分かるように残す。
頼むときも「写真を完全再現して」より、「分かる部分を立体にして、不明な寸法は一覧にして」の方が、次に何を確認すればよいか分かります。
03|まだ建っていない家の中を、歩いて確かめる
前の例が「家を立体にする」なら、こちらは「その家の中を歩く」です。
Chris氏は、Blenderで作った家をUnreal Engine 5に持ち込み、建つ前の家を歩いて見られる場面にするデモを紹介しています。
https://x.com/ChrisGPT/status/2095594374843232583
家の3Dデータを、人の目線で探索できる形に変える。このデモで紹介されているのは、その工程です。
Chris氏自身が全工程を作ったとまでは確認できないため、ここでは「紹介されたデモ」として扱います。
これを使った打ち合わせを考えてみると、用途が見えてきます。
「この廊下は少し狭い気がする」だけでなく、玄関から入り、荷物を持ってキッチンまで行く場面を想像できる。
家具の配置も、真上から見た間取りでは収まっていても、人の目線で見ると圧迫感があるかもしれません。
応用するなら、一つの移動を確かめる使い方が分かりやすい。
玄関から机まで歩く。店の入口から商品を選び、レジへ行く。
その短い範囲だけ作れば、見たいことがはっきりします。
AIには「自由に歩ける家を作って」だけでなく、「入口から目的地まで、人の高さの目線で確認したい」と伝える。
途中に置く家具と、確かめたい場所も指定すると、豪華な外観ばかり作り込んでほしい場面を見られない、というズレを減らせます。
もちろん、歩ける映像ができたことと、建築の安全性が確認できたことは別です。
気になる場所を映像で示せれば、設計の専門家にも相談しやすくなります。「ここを、こう通りたい」が伝わる材料です。
04|マンハッタンの街並みを、1週間かけて作り込む
再びMatt Shumer氏です。今度の舞台は、マンハッタンの街並み。
Astraを使い、Unreal Engineの中で街路ごとに作り込む様子を公開しています。本人の投稿では、制作は1週間にわたっています。
https://x.com/mattshumer_/status/2095609734845927525
面白いのは、一度に大きな街の画像を出したわけではないことです。
詳しいレビューでは、まず通りを作り込み、そこから広げていったと説明しています。
ここにも、進行を管理する側と実装する側を分けた仕組みが使われています。本人も、もっと大胆にするよう促すなど、途中で方向を伝えていました。
つまり「1週間、一切触らず、正確なマンハッタンが完成した」という意味ではありません。
制作は継続中で、映像には早送りした部分もある。投稿の短い動画と実際にかかった作業時間は分けて見た方がいい事例です。
それでも、街のような大きな対象を少しずつ作り続ける使い方には可能性があります。
僕らが応用するなら、最初は商店街の一角や、イベント会場の一通路で十分です。
出店の位置を比べたいなら、必要なのは都市全体ではありません。入口、通路、数店舗、人が集まりそうな場所が見えれば話を始められます。
最初の一区画で、建物の大きさ、色、看板の密度を決める。
気に入ったら、その基準を次の区画にも使う。広げた後に、つなぎ目や通れない場所を確認する。
この順番は、記事サイトや社内資料にも応用できます。
最初に一ページを完成見本として決めてから増やせば、全部できた後で「思っていた雰囲気と違う」と気づく範囲を小さくできます。
大規模制作をそのまま真似するより、「小さく合意してから広げる」部分を持ち帰る方が、使い道は多そうです。
05|ブラウザで遊べる、魚が泳ぐ3Dゲームを作る
Theo氏は、ブラウザで遊べる3Dゲームを公開しています。
映像に出てくるのは、水槽のような空間と、そこを泳ぐ立体の魚たちです。水草や岩も置かれています。
https://x.com/theo/status/2095599934766764338
本人は、1回の指示で作らせたものだと説明しています。
ただし、投稿だけでは指示の全文や、その前に渡していた素材までは分かりません。「自分の一文でも必ず同じものになる」とは受け取らない方がよさそうです。
ここで持ち帰りたいのは、ゲームを大きく作る話ではありません。
説明を読む代わりに、少し触って理解できるものを作る。
たとえば、水族館好きの人が楽しむ、小さな魚の観察画面。魚を選ぶと、名前や生息地が出る。
学校の学習用なら、正しい場所に生き物を置くクイズにする。商品紹介なら、色を選ぶと完成イメージが変わる体験に置き換える。
これらは記事側の応用案ですが、目的を一つに絞れば、必要な画面も少なくなります。
最初から得点、会員登録、ランキング、課金まで付ける必要はありません。
「開く」「一つ選ぶ」「反応が返る」。まずはこの短い流れを完成させる。
AIへの頼み方も、「面白いゲームを作って」より、「魚をクリックすると説明が出る、一画面の試作品を作って」とした方が、完成を見分けられます。
公開する前の段階なら、自分のパソコンだけで動く形にしておく。人に配るかどうかは、触ってみてから決めればいい。
作れるものが増えたからこそ、最初に付けない機能を決めておくと、試作品を最後まで仕上げやすくなります。
06|Minecraft風のブロックゲームを、試作品として作る
次は、Flavio Adamo氏が紹介したMinecraft風のゲームです。
投稿では「Minecraft one-shot」と表現されています。映像には、道や畑、木々があるブロックの世界と、手元の道具が映っています。
https://x.com/flavioAd/status/2095597137849446688
ここで分けたいのは、「見覚えのある遊びを試作できた」と「市販ゲームと同じものが完成した」です。
短い実演から、保存、通信、長時間の安定動作まで全部備わっているとは言えません。
一方、作ってみたい遊びの原型を、実際に触れる形へ持っていく使い方は分かりやすい。
企画書に「自由に建物を作れます」と書くより、ブロックを置ける画面が一つある方が、何を楽しむゲームなのか伝わります。
日本で試すなら、有名ゲームの再現より、自分の目的に合わせて小さく変える。
たとえば、机や棚を四角い部品で置いて、理想の作業部屋を作る遊び。子ども向けなら、限られた積み木で橋を作ってみる画面。
最初の完成条件は「置く」「消す」「最初に戻す」の三つでも十分です。
見た目を本家に近づけることより、選んだ操作が迷わずできるかを確かめる方が、次の改善につながります。
依頼文には、画面の説明と、自分が試す操作を一緒に書きます。
「部品を一つ置き、消し、やり直せることを確認して」。ここまで頼めば、完成したと言われた後に何を見るかも決まります。
有名作品を参考にした試作と、その名称や素材を使って販売することも別です。
公開を考える段階では、自分の名前、自分のルール、利用してよい素材へ置き換える。遊びの仕組みを学ぶことと、作品をそのまま持ってくることを混ぜないようにします。
07|歴史上の戦いを、動かして見られる3Dの場面にする
EveryのDan Shipper氏が紹介した題材は、ワーテルローの戦いです。
本人は、1回の指示で作られ、歴史的な再現性もあると評価しています。
ただ、史実の正確さは投稿者の評価です。部隊の配置や時刻ごとの動きを、別の史料と照合した結果までは確認できません。
この事例が面白いのは、歴史を「読むもの」から「位置関係が見えるもの」に変えているところです。
文章では分かりにくい、誰がどこから来たのか、どの距離を移動したのか。それを空間として見せられる。
同じ発想は、難しい手順の説明にも使えます。
たとえば製造現場なら、材料が入り、加工され、検査され、出荷される順番。イベントなら、来場者が受付から席へ移動する順番です。
文字の手順書だけでは位置がつかみにくいとき、簡単な立体と矢印に置き換える。
人物をリアルに作る必要はなく、箱や丸でも「ここで待つ」「ここへ運ぶ」が見えれば役に立ちます。
その場合、先に渡すべきなのは「かっこいい映像にして」という希望より、正しい順番が書かれた資料です。
資料にない動作を勝手に補わないこと、確認できない部分は仮と表示することも伝える。
動く説明は、間違っていても説得力が出てしまいます。見栄えの確認とは別に、順番と位置だけを見る確認を一度入れると安心です。
完成品を眺めるための3Dだけでなく、「誰かに説明するための3D」。この使い方なら、ゲームに興味がない人にも出番があります。
08|用意された建物や道路を組み合わせ、歩ける街を作る
家も、道路も、木も、全部をゼロから作る必要はありません。
Chris氏が紹介した別の公式デモでは、Unityというゲーム制作ソフトを使い、既存の素材を組み合わせて街を作っています。
https://x.com/ChrisGPT/status/2095601996770263362
映像に出てくるのは、青い建物やヤシの木が並ぶ街です。地上の目線で、建物の間を進んでいく様子が見られます。
この組み立て方は、OpenAIの公式ページでも確認できます。Chris氏が紹介しているのは、その公式デモです。
ここは、前の「写真から家を立体にする」と少し違います。
手元にある部品を使って、作りたい場所へ組み上げる。AIに頼むのは、素材そのものの生成だけではありません。
応用するなら、会場の備品を使った配置案が身近です。
机、パネル、椅子、商品棚。使ってよい素材がそろっているなら、それを渡して小さな展示スペースを作る。
入口から入り、最初に商品が見えて、奥で説明を聞く。その順番に合わせて並べてもらうわけです。
「未来的でかっこいい会場」だけでは、実際には持っていない備品まで増えるかもしれません。
「この部品だけを使う」「入口を塞がない」「受付まで歩ける」と、変えてよいところと困るところを渡します。
まず一案を開き、商品が隠れていないか、通路に邪魔なものがないかを見る。違ったら、同じ部品のまま配置を変える。
これは記事側の応用案です。会場の安全確認や、素材の利用許諾まで済むわけではありません。
すべてを描き起こす前に、今あるものを並べて試す。その用途なら、完成した都市を一つ作るより、頼む範囲も判断する場所も絞れます。
09|景色を眺めるだけでなく、目的を持って歩くゲームを作る
Peter Gostev氏が公開したのは、広い場所を自由に歩く冒険ゲームです。
投稿には「GPT-6-Astra(Ultra)」と、オープンワールドの冒険ゲームという説明があります。
https://x.com/petergostev/status/2095596341422440714
映像は、プレイヤー自身の目線で進むつくりです。乾いた地面や木々があり、画面の左には目的の一覧、移動先には場所の名前が表示されています。
手元にはカメラも見えます。ただし、撮影した画像を保存できるかなど、短い動画で分からない機能までは断定できません。
作るのにかかった時間や、指示の全文も、この投稿からは分かりません。
それでも、見るときに注目したい場所があります。きれいな景色に加えて、「どこに来たか」「何をすればいいか」が画面に出ているところです。
歩ける世界を作っても、入った人が何をすればいいか分からなければ、少し動いて終わってしまう。
日本で小さく試すなら、三つの場所を巡る案内ゲームにできます。
たとえば、架空のお店を歩き、商品棚、作業場、受け取り口を順に見る。着いた場所で、短い説明が出る。
最後に「全部見た」と分かれば、単なる立体の見学より、どこまで進んだかを把握しやすくなります。
三地点を巡る案内は、画面の見せ方をヒントにした記事側の応用案です。
頼むときは、地形を増やすより先に「最初の目的」「到着したときの表示」「終わり方」を決める。
「広大な冒険ゲームを作って」より、「三つの場所を回り、全部見ると終了する試作品を作って」の方が、自分で最後まで確認できます。
人に触ってもらうなら、迷子になったときに入口へ戻れるかも確かめる。遊ぶ人のために足すべきものは、建物の数だけではありません。
10|街づくりゲームを、5日間かけて作り進める
Matthew Berman氏は、Astraを先行利用し、ゲームや文章、パソコン操作などを試したと報告しています。
その中にあるのが、SimCityを思わせる街づくりゲームです。
https://x.com/MatthewBerman/status/2095595893991129444
映像には、住宅や高い建物、道路を走る車が映っています。周りには、街の状態を見る欄や、操作を選ぶためのボタンが並んでいます。
街の風景だけでなく、遊ぶための画面ごと作っているのが見どころです。
本人は、目標を与えて作業を続ける「/goal」を使い、5日間動かしたと説明しています。
しかも、デモを公開した時点でも、まだ作業は終わっていなかったそうです。
ここは「5日で市販ゲーム並みの完成品ができた」と読み替えない方がいい。人が途中で何回関わったかも、この投稿では分かりません。
一方で、最初の画面を出した後も、規模のある試作を作り進めた報告としては興味深い例です。
僕らが試すなら、5日間走らせることより、途中で触れる形に区切る。
最初は、空き地へ建物を一つ置けるところまで。次に、置いた建物を消してやり直せるところまで。
さらに、使える予算を決めて、建物を置くたびに残額が変わるようにする。
この順番は記事側の提案ですが、一つずつ開いて確かめれば、見た目だけ進んで遊びが成立していない状態に気づけます。
依頼にも「まず建物を一つ置いて消せる版を渡して」と書く。動く版が残れば、先の開発が止まっても、何ができたか分かります。
長時間動かす場合は、使用量や費用の確認も必要です。先行利用者の機能や実行条件を、そのまま自分にも当てはめない。
大きいゲームを頼めることと、最初から大きく頼むべきことは別です。途中の成果物を触りながら、続けるか決めればいい。
11|見本の画面を渡し、ページの文字や余白を直す
「動くページはできた。でも、なんか見づらい」。
この段階で使いたいのが、OpenAIの開発者向け公式アカウントが紹介する画面づくりです。
ラフな絵、参考にしたい画面、今あるページを渡し、それをもとに動く画面を作る。文字の大きさや配置、余白、色、操作も調整する使い方です。
https://x.com/OpenAIDevs/status/2095596149654868092
公式の説明では、作業途中の画面を画像で見せ、修正の手がかりにする方法も挙げられています。
この章の根拠は公式の用途説明です。以下は、その頼み方を講座の案内ページへ当てはめた例です。
これを自分のページへ当てはめるなら、「おしゃれにして」の一言で終わらせない方が頼みやすい。
今の画面と、読みやすいと思う見本を並べて渡す。
たとえば、自分の講座の案内ページなら、「見出しが小さい」「料金が探しにくい」「スマホだと文章が詰まる」と、困っている場所を伝える。
見本は、色や余白の取り方を相談する材料です。他社の文章やロゴを、そのまま持ってくるためではありません。
最初の修正を、ページの一番上だけに絞ることもできます。
「商品名と説明文は変えず、見出し、余白、申込ボタンの位置を直して」。これなら、何が変わったかを前後で比べられます。
修正後は、パソコンとスマホそれぞれの幅で開く。文字が重なっていないか、料金を読めるか、ボタンを押せるかを確かめる。
直した箇所と確認した操作を返してもらえば、自分が見直す場所も決まります。
もちろん、見た目を直しただけで売上が増えると決まるわけではありません。まずは、読みにくい場所を言葉と画面で伝え、直した結果を自分で確認する使い方です。
12|問い合わせを担当者に振り分け、返信案まで作る
ここからは、毎日の仕事に近い事例です。
Claire Vo氏は、顧客管理サービスの画面をAstraに操作させ、問い合わせ対応の流れを組み直しています。
会社の規模や相談内容に合わせて、誰が対応するかを分ける。その人の名前で、日程調整用のリンクも入った返信案を作る。
もともとは、画面上の部品をつないで処理を作る仕事でした。Claire氏は、人が操作すると手間がかかる部分を、ブラウザごと任せています。
動画では、担当者の振り分けだけでなく、宛先、件名、本文など、メールを作るための項目も扱っています。
ここで大事なのは、AIが顧客へ勝手に送っているわけではないことです。
返信案はSlackへ渡し、人が確認して送る形。自動送信は、今後の段階として語られています。
最初から送信まで任せなくても、読む、振り分ける、下書きする手間は減らせる。
日本で応用するなら、講座への問い合わせを「料金」「日程」「受講条件」に分け、回答案を用意する使い方が考えられます。
そのために渡すのは、過去の良い返信例と、答えてよい内容です。分からない料金や特別対応をAIに決めさせる必要はありません。
たとえば「資料にない割引は提案しない」「判断できない相談は要確認へ分ける」と決める。
これだけでも、返信案を読むときに、何を重点的に確かめるかがはっきりします。
最初の練習は、個人情報を外した問い合わせ文数件で十分です。振り分けと下書きが合っているかを見てから、実際の業務につなぐか決めます。
この事例の良さは、派手なアプリができることより、対応待ちの一覧が「人が判断できる状態」で返ってくる点です。
13|散らばった顧客の声から、先に直す問題を見つける
Claire氏の動画で、仕事への応用を考えやすいのがこの例です。
問い合わせ、会議メモ、開発の記録。別々の場所にある情報から、商品について何が起きているのかをまとめる機能を作っています。
扱っているのは、Intercom、Granola、Linear、GitHub、文書などの情報です。
名前を覚える必要はありません。顧客対応、打ち合わせ、開発で使っている道具に、情報が散らばっている状態だと思えば十分です。
そこから内容を読み込み、同じ話の重複を整理し、根拠へ戻れる形でまとめています。
動画に出てくる課題も具体的です。
AIが途中で止まる。利用者が自分で解約する機能がうまく動かない。
別の業務ツールと連携してほしいという要望もある。
これなら「まず止まる問題を直そう」と、次の仕事を具体的に決められます。
この機能について、Claire氏は最初の指示で大部分ができ、その後も追加指示や画面の調整をしたと説明しています。
完全な一発完成ではありません。自分で使える状態へ、途中で手を入れて仕上げた例です。
日本で小さく試すなら、今月の問い合わせ一覧だけでも始められます。
質問を似た内容で分け、繰り返し出ている困りごとを挙げる。各項目には、元の問い合わせ番号を付ける。
さらに「件数が多い問題」と「件数は少ないが対応を急ぐ問題」を分けてもらう。
たとえば、案内が分かりにくいという声が10件ある一方、支払い後に使えないという声が1件あるなら、単純な件数順だけでは決めにくい。
ここは記事用の例ですが、何を優先したいかを渡す意味が見えてきます。
元の声へ戻れる一覧があれば、AIのまとめに疑問を持ったときも確認できます。集めた根拠を見ながら、自分で優先順位を決めるための使い方です。
14|長い動画の「最初の粗編集」を任せる
Dan Shipper氏は、Astraに動画編集ソフトを操作させ、Fable 5.1を扱った動画の最初の編集を行わせたと報告しています。
ここでいう粗編集とは、素材を並べ、まず全体を見られる形にする段階です。
本人が述べているのは最初の編集までで、字幕、音量、仕上げ、公開まで全部を無修正で任せたという話ではありません。
具体的にどのカットを選び、どんな指示を出したかも、投稿本文だけでは分かりません。そこを想像で埋めずに使い道を考えます。
動画を作る人にとって、最初に素材を全部見て、使う部分を探す作業は大きな負担です。
完成動画のセンス以前に、編集を始められる状態へ持っていくまでが長い。
応用するなら、講座や対談の「見せたい部分の整理」から。
元動画と文字起こしを渡し、「料金の説明」「実演」「質問への回答」の場所を探してもらう。
それぞれ開始時刻と終了時刻、残す理由を一覧にする。使う部分が決まったら、その順番で粗編集する。
ここまでを一つの依頼にすれば、人は候補を確認するところから入れます。使う場所を探す作業と、採用を決める作業を分けられるわけです。
ただし、盛り上がっている一言だけを抜くと、その前の条件が落ちることがあります。
「この場合だけ」と説明していた部分を消せば、話の意味まで変わる。短くできたかとは別に、元の発言と意味が合っているかを確認します。
頼むときに「結論だけでなく、その結論が成り立つ条件も残して」と加えるのは、そのためです。
自分が撮った素材や編集してよい素材で試し、元動画は変更しない。別の編集案として残しておけば、気に入らなくても戻れます。
最終的な見せ方は自分で決めつつ、何も並んでいない編集画面から始める時間を減らす使い方です。
15|記事の初稿を作り、書き手が直すところから始める
最後は文章です。ただし、「文章も書けます」で済ませるには、具体的な報告がありました。
EveryのAstraレビューでは、最初の原稿をGPT-6 Astraが一つの指示から書いたと、無料で読める冒頭に明記されています。
記事の署名はKatie Parrott氏とGPTです。Dan氏が、自分でその原稿を書いたわけではありません。
その冒頭には、Dan氏がKatie氏の書いた文章だと思った、というやり取りも載っています。
読み手にとって、いつもの書き手の文章に見えた。その点が、この事例の面白さです。
ただ、AIがその人の人生を知っていたことにはなりません。
入力に使った材料や、人が加えた修正は、公開情報だけでは不明です。この記事でも、有料部分の内容や非公開の指示は推測しません。
自分で応用するなら、最初に渡すのは「プロっぽく書いて」より、実際にあった材料です。
試したこと、うまくいかなかったこと。
読者から来た質問、自分が最後に選んだ方法。
それに、自分の過去記事を、文の長さや語尾の参考として添える。
過去記事に書いた体験まで新しい記事へ流用させず、「文体の参考で、今回の事実ではない」と分けるのがポイントです。
下書きが返ったら、自分が知らない出来事や、言っていない感想が増えていないかを見ます。
きれいな文章ほど、その確認を飛ばしたくなる。だから、先に「資料にない体験は書かず、足りない部分を知らせて」と頼んでおきます。
記事の価値になるのは、書き手が持っていた材料と判断です。Astraには、それを読める順番にするところや、初稿に起こすところを任せる。
白紙を前に悩む時間を減らし、自分の言いたいことが合っているかを直すところから始める。文章づくりでは、この使い方が身近です。
15例を見て、自分ならどこから始めるか
住人が話す世界も、マンハッタンも目を引きます。
でも、明日の仕事を楽にしたい人が、最初から同じ規模を作る必要はありません。
選ぶ基準は、手元に材料があり、できたかどうか自分で分かることです。
写真があるなら、部屋の配置案。問い合わせがあるなら、分類と返信案。
動画があるなら、残したい場面の候補。メモがあるなら、記事の初稿。
どれも、AIを使う前に新しい大きな企画を考える必要がありません。いま止まっている作業を一つ使えます。
選びにくければ、次の三つを確認してください。
- 元になる写真、文書、動画、データが手元にあるか。
- 良し悪しを、自分の目で確認できるか。
- 間違っても、元の状態へ戻せるか。
三つとも「はい」になる仕事は、最初の試し方を考えやすい。
逆に、答えが合っているか自分にも分からず、そのまま外へ送られる仕事は、最初に選ばなくていいものです。
なお、派手な実演には、使える道具を用意する作業や、人が途中で直す工程も含まれています。
海外の事例から学ぶなら、完成映像だけでなく、その前に渡している資料と、最後に人が見ている部分もセットで見る。その方が、自分の仕事へ置き換えられます。
そのまま書き換えて使える、最初の依頼文
以下は、紹介した人たちが公開したプロンプトの転載ではありません。
自分の仕事を頼むために、この記事用に整理したひな型です。今の環境で使えない機能があれば、先に知らせてもらう形にしています。
やりたいこと:
[何を作るか、何の作業を減らしたいか]
渡す材料:
[使ってよいファイル・URL・見本]
見本の文体や見た目と、今回使う事実を区別してください。
最初に完成させる範囲:
[一部屋・一画面・問い合わせ5件など、小さな範囲]
使える道具を確認し、できない操作があれば先に知らせてください。
完成したと判断する条件:
[自分が確認する具体的な操作や、必要な出力]
進め方:
必要な作業を考え、完成物を別ファイルへ保存してください。
不足する情報は創作せず、不明な点と仮の値を区別してください。
条件に沿って確認し、直せる問題は直してください。
任せないこと:
元ファイルの上書き、削除、外部への送信、公開、購入はしないでください。
追加の費用や、新たなアクセス権が必要なら実行前に止まってください。
最後に返すもの:
完成物の場所、確認したこと、まだ確認できないこと。
人が次に見るべき箇所を短くまとめてください。
たとえば、問い合わせ整理ならこう埋めます。
やりたいのは、講座への問い合わせを読んで、返信の準備をすること。
渡すのは、個人情報を外した5件の問い合わせと、講座案内、過去の返信例です。
最初の完成範囲は、その5件だけ。料金、日程、受講条件、その他に分け、各件の返信案を作る。
完成の条件は、元の問い合わせ番号が残っていること、案内にない料金を作らないこと、判断が必要な件は別に分かることです。
返してもらうのは分類一覧と返信案で、顧客には送らせません。
これなら、完成物を開いたときに何を確認するかが決まっています。「便利なことを何かやって」より、使えるかどうか判断しやすい依頼です。
まず一つ、完成物を受け取るところまで
今回の15例は、AIの使い方を難しくするためのものではありません。
写真を渡して部屋を作る。問い合わせを渡して返信案を作る。
動画を渡して編集の候補を作る。
入口は、案外はっきりしています。
最初に一つ選び、手元の材料を渡す。小さく完成させて、開いて確かめる。
そこで使えたものだけ、次の作業へ広げればいい。
今ある未完成の仕事を一つ選んで、上の依頼文の空欄を埋める。
この記事を閉じた後にやることは、まずそれだけです。
※本記事は2026年9月4日時点の公開投稿、本人レビュー、実演動画をもとに構成しています。
紹介した成果は投稿者の報告であり、この環境ですべて再現したという意味ではありません。





