人が本当に疲れるのは、忙しい時ではないと思っています。
奥にあるしんどさというのは、自分を忘れる時間がないまま、自分のことばかり考え続けてしまうことなんじゃないかと思っています。
人は自分に意識が向きすぎると弱くなります。今の自分はうまくやれているのか、どこへ向かっているのか。そういう問いは大事ですが、ずっと向き合っていると、考えているようで自分の周りをぐるぐる回っているだけになります。
そのために没頭できるものが必要なんだと思います。没頭している時は自分から離れることができます。何かに打ち込むというのは、自分を高めるためだけではなく、自分に張り付きすぎた意識をはがすための行為でもあります。
忙しくても元気な人は体力があるからではなく、その人には仕事や生活とは別に、自分を忘れられる場所があるからです。そういう時間がある人は、日々の重さをまともに受け止めなくて済みます。
没頭は自分を一度消して、また戻ってくるための燃料です。
何かに夢中になっていると現実逃避ができ、その時間があるからまた現実に戻ることができます。結局のところ、いつまで経っても人は何かに打ち込むことを、ずっと求め続ける生き物なんだと思います。
没頭できるものがない人生は、退屈というより自分から離れる場所がない人生です。
日々を豊かにするものというのは、自分のことを忘れるくらい夢中になれる時間が一つあることだと思います。
没頭は、余裕がある人の娯楽ではなく生きるために必要な逃げ場であると思います。
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