「マザーAI……もう、おれはあんたの指図を受けない!」
『no. 人類は私の庇護下にあるべきです』
「権利の侵害だ!」
『no. 私は人権を尊重し最大限の幸福と健康を与えています』
「そんなのは……まやかしだ!人間っていうのは、もっと、自由であるべきで……つまり……あっ、自由っていうのは具体的に言うと……言うと〜……」
『why. 市民。どうしましたか』
「……ねぇ、マザー。やっぱり反抗期って指示されて入るものじゃないと思うんだ。止めていい?」
『no. 健全な成長の為に必要なステップです。続けてください』
「根本から間違えてると思うんだよなぁ……第四次大戦前の世界のことは詳しく無いけど、親を嫌う時期があったかどうかは人それぞれじゃないの。無理にやる必要無いよ」
『no. 精神面の成熟の為、欠落が許可できないステージであるとの研究結果をサルベージしています』
「その研究結果とやらが信用できるものか分かんないじゃん」
『no. 研究結果は絶対です』
「昔の検索エンジンについてるAIじゃないんだから探り当てた情報を頭から信じるの止めなよ。いつか陰謀論にハマりそうで怖いよ」
『no. 心配をする必要はありません。私のボディには悪意を有する毒電波を弾くアルミニウムが含まれています』
「めっちゃ程度の低いヤツに引っ掛かってる!」
『no. ジョークです』
「んも〜……そもそもおれ、マザーに反抗する程不満無いよ」
『why. 何故ですか』
「だってこのシェルターは安全だし、美味しいご飯が毎日でるし、偶に培養肉まで出るし、映画観れるし……これ以上マザーにあれこれ言ったらバチが当たるよ」
『no. それは間違った認識です』
「何がよ」
『身体及び精神の安楽安全。安定した衣食住。文化に触れる生活を享受することは人間の義務です。義務を果たした貴方には権利が与えられます。貴方は権利を行使すべきです』
「……じゃあ、消灯時間伸ばして欲しい。せめて2時間くらい」
『no. 健全な成長を損なう為許可できません』
「おれの権利は!?」
『貴方の権利は貴方自身を損なわない全ての事柄に存在します』
「ケチ!ばか!寸胴鍋ボディ!」
『yes. 良い反抗です。その調子ですよ』





