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食欲と睡眠は正常なのに、見逃していた「うつ」のサイン

@tsumugi_utatabi
日本語2026年10月03日
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TL;DR

著者は、身体的な健康状態(食欲や睡眠)が正常であるにもかかわらず、職場での報告や相談といったコミュニケーション機能が麻痺する形で現れるうつ病の体験談を共有しています。完璧さを求めるのではなく、環境的なセーフティネットを構築することの重要性を提唱しています。

食欲も普通。眠れてもいる。なのに、私の心は壊れかけていた。

うつ病のサインとしてよく語られるのは、食欲の低下、眠れなくなること、家事ができなくなること——私はそのどれも、当てはまらなかったときがある。

日常はある程度送れていたからこそ、自分の状態に、なかなか気づけなかった。

当時、私を最も苦しめていたのは「連絡ができなくなること」だった。

友人知人、家族からの連絡を返すことができなくなってしまった。

そして、最も重大なサインとして、「仕事での報連相もできなくなった」ことが挙げられる。

上司や先輩から理不尽を浴び続けていたわけではない。

「これくらいは自分でやらないと」と思いながら、少しずつ抱えすぎていった。周りに頼れる人はいたはずなのに、なぜか声をかけられなかった。この程度のことで、相手の時間をとってはいけない。完璧にできないなら、言い訳になる——そう思っていたから。

そんな日々が負債のように積み重なっていき、心が徐々に圧迫されていた。

今振り返ると、3つの機能が順番に止まっていた。

まず、自分の状態を認識する回路が壊れた。

「今、何ができていないのか」がわからなくなった。できていないのはわかる。でも、何が、どのくらい、なぜ——その輪郭がつかめない。

次に、**それを言語化する装置が止まった。

**

頭の中はモヤのようで、言葉にならない。メールを書こうとすると、文章が霧に溶けていく感覚だった。近くに頼れる人がいても、心がまとまらない。

そして最後に、「助けを求めるべきだ」という判断すら、浮かばなくなったのだ。

これがとても静かで、最も危険な状態だった。

食欲がなくなったり、眠れなくなったりすれば自分で気づく。

でも、報連相ができなくなることは、「私は仕事ができない」という自己嫌悪にしかならなかった。サインではなく、欠陥として自分で処理してしまった。

しかも、この状態は周りからも見えにくい。

報連相が止まった私は、周りからは「特に相談のない、順調な人」に見えていた可能性がある。

問題が起きれば人は声を上げる。声が上がらないなら、問題はない。そう受け取られるのは自然なことだった。

いちばん助けが必要なときに、いちばん助けが要らない人に見える。自分でも気づけず、周りからも気づかれない。それが、このサインの本当の怖さだった。

この経験から、私は考え方を変えた。

「報連相ができる自分」を目指すのをやめたのだ。

どれだけ意識しても、「これくらいは一人でやらなきゃ」と抱え込んでしまう自分は、そう簡単には変わらないとわかったから。

代わりに、「報連相ができなくなる自分」を前提にした環境をつくることにした。その方がずっと現実的だった。

少しでも調子が落ち着いているうちに、たとえば——

  • 「相談したいことがあります」などを書いた定型文を用意した
  • 上司に、自分が報連相できなくなるパターンをあらかじめ説明した
  • 「連絡が途絶えたら声をかけてほしい」と先輩にお願いした
  • 自分から発しなくても話せる場として、定期的な1on1を設けてもらった

どれも、壊れかけた自分になったとしても掬われる仕組みだ。そして、沈黙を「順調」ではなく「助けてほしいサイン」として周りに受け取ってもらうための“繋がり”でもある。

完璧な自分になろうとするのではなく、不完全な自分が生き延びられる環境をつくることが重要だ。

そしてそれを、自然な形でおこなえると、より良い。一方的に相手に負担をかけるわけでもない、仕事が回るwin-winの関係を築くことができる。

→【続きはnote記事】社交性やコミュニケーション力に長けていなくても自然におこなえる——人を頼るための具体的な突破口

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