40歳になって、体力の大切さを痛感した出来事がありました。
2年前にコロナになった時、1週間で5kg落ち、体力が戻るまで1か月ほどかかったんです。
自分は大丈夫だろうと高をくくっていたけれど、前みたいに戻れるのか不安になるくらい、体力を失う現実は甘くなかった。
そこで気づいたのは、40代に必要なのは追い込む筋トレではなく、風邪をひきにくく、体調を崩しにくい免疫の土台を作ることでした。
ここで言う「体力お化け」は、ただ筋肉がある人のことではありません。
風邪をひきにくい。疲れを翌日に残しにくい。調子を落としても立て直せる。睡眠、食事、運動、休息を整えられる。
そういう、免疫のベースを日常で整えている人のことです。
もちろん、免疫を高めると言っても「何をしても病気にならない体」を作るという意味ではありません。
私が伝えたいのは、体を追い込むことではなく、体調を崩しにくい生活の土台を毎日の中で作ることです。
理学療法士として人の体を見てきたのに、私は自分の体力をどこか過信していました。
だから今回は、私が体力を失って不安になった経験から学び、今も改善し続けている「体力お化け」な人の習慣を5つ紹介します。
1. ムキムキより大事。風邪をひきにくい「守る体力」を作る
40代になると、ただ筋肉があるだけでは足りないと感じます。
もちろん筋肉は大事です。
でも本当に欲しいのは、見た目だけの筋肉ではなく、疲れにくく、体調を崩しにくい体です。
体力には、筋力や持久力のように「動くための体力」があります。
一方で、睡眠、免疫、ストレスへの強さのように、体を守る力もあります。
私はこれを「守る体力」と考えています。
昔の私は、頑張る時は一気に頑張るけれど、休むことを後回しにしていました。
疲れていても無理をする。睡眠が足りなくても動く。体調が悪くても気合いで乗り切ろうとする。
でも、それでは長く続きません。
むしろ40代からは、追い込むことよりも調子を落としにくい体を作ることが大事です。
運動と免疫の関係は、「追い込むほど良い」という単純な話ではありません。レビューでは、規則的な身体活動が免疫の健康に役立つ可能性が示される一方、長時間で強度の高い運動後には一時的な免疫機能の変化も報告されています。
さらに、1002人を12週間追跡した研究では、週5日以上の有酸素運動をしていた人は、ほとんど運動しない人と比べて、上気道感染症状の日数が43%少なかったと報告されています。これは「限界まで追い込め」という話ではなく、
適度に動く習慣が大事
という話です。
体力お化けは、無理をする人ではありません。
無理しなくても動ける体を作っている人です。
2. まず立つだけでいい。座りっぱなしで落ちる免疫の土台を守る
体調を崩しにくい体を作るために、いきなりジムへ行かなくてもいいです。
まず見直したいのは、座りっぱなしの時間です。
スマートウォッチを使うようになって、私は衝撃を受けました。
デスクワークが多い日は、5,000歩にも届いていない。休日によっては、2,000歩にも満たない。
運動していない自覚はありました。
でも数字で見ると、想像以上でした。
そこで気づいたのは、40代は「運動不足」になる前に、日常の活動量そのものが静かに落ちているということです。
この状態で、いきなり有酸素運動や筋トレを頑張ろうとしても続きにくい。
そもそもの体力、時間、気持ちの余白がないと、運動は生活に入りません。
できたとしても、睡眠を削ったり、疲れをためたり、食欲が乱れたりして、どこかで破綻しやすい。
だからまずは、座りっぱなしを減らすことからでいい。
1時間に1回立つ。水を飲みに行く。階段を使う。少し遠いトイレに行く。立ってできる作業は立ってする。
そのくらいの小さな行動でも、体は「動くモード」に戻りやすくなります。
運動をイベントにする前に、日常の中で体を起こす。
これが、体力お化けへの最初の一歩です。
WHOの身体活動・座位行動ガイドラインでは、座りっぱなしの時間を減らし、どんな強度でもいいので身体活動に置き換えることがすすめられています。
最初から満点を狙わなくていいです。
まずは、座りっぱなしを減らす。
それだけでも、40代の体には大きな一歩です。
3. スクワットで、体温と血流を上げるスイッチを入れる
スクワットは、40代にとってコスパ最強の筋トレだと思っています。
道具はいらない。場所も取らない。太もも、お尻、体幹をまとめて使える。
しかも、1回あたりの負担は小さくても、日常に散らせば活動量を増やせます。
私はトイレに行ったら、スクワットを10回するようにしています。
人がいなければ、ジャンプスクワットにすることもあります。
大事なのは、気合いで30分運動することではありません。
生活の中に、体を起こす小さなスイッチを置くことです。
免疫のベースを整えるうえで、私は「冷えたまま」「固まったまま」「動かないまま」にしないことが大事だと思っています。
足裏で床を押して、ゆっくりしゃがんで、立ち上がる。
これだけで、体にスイッチが入ります。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人は歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上、運動は週60分以上、筋力トレーニングは週2〜3日行うことが推奨されています。
もちろん、スクワットだけで免疫が一気に変わるわけではありません。
でも、大きな筋肉を動かすことは、活動量を戻すうえでかなり効率がいい。
体が重い日ほど、考え込む前に少し動く。
それだけで、1日の流れが変わることがあります。
4. 追い込まずに続ける。免疫を落とさない運動負荷にする
40代から運動を始める時に怖いのは、脳と体のギャップです。
頭の中では、まだサクッと動けるつもりでいる。
でも実際は、体がついてこない。
運動会でパパが全力ダッシュして転ぶ、あの感じです。
自分の頭では動けているのに、体の反応が遅れる。その結果、転ぶ。翌日には筋を痛めていたり、強い筋肉痛が出たりする。
ガンダムで言えば、アムロ・レイのニュータイプ能力が上がりすぎて、モビルスーツのガンダムの反応速度が追いつかない状態です。
だから、いきなり床の腕立てや全力ランニングではなく、壁腕立てからでいい。
床で腕立て伏せがきついなら、壁に手をついて押す。
それで十分です。
大事なのは、最初から強い負荷をかけることではありません。
日常生活より少しだけ負荷をかける。
慣れてきたら、回数を少し増やす。角度を少し変える。動きを少し深くする。
そうやって段階的に体を慣らしていく。
これが、続く運動の作り方です。
免疫のベースを作る運動は、追い込んで倒れることではありません。
明日もまた動けるくらいの負荷を続けることです。
厚生労働省の筋力トレーニング情報でも、日常生活レベル以上の負荷をかけ、慣れてきたら少しずつ負荷を高める「漸進性過負荷の原則」が重要だとされています。
挫折する人は、意志が弱いのではありません。
最初のハードルが高すぎるだけです。
40代の体づくりは、根性より設計です。
続く負荷から始める。
それが一番安全で、一番強いです。
5. 睡眠を削らない。体力お化けは休み方がうまい
免疫のベースを作るなら、最後に外せないのが睡眠です。
昔の私は、体力をつけるというと、運動ばかり見ていました。
でもコロナで体力が落ちて、元の調子に近づくまで時間がかかった時、思ったんです。
体は、動かすだけでは戻らない。
休ませないと戻らない。
仕事、スマホ、運動。
どれも大事かもしれません。
でも、そのために睡眠を削り続けると、体は整いません。
体力お化けは、休まない人ではありません。
休み方がうまい人です。
眠る時間を確保する。夜更かしを続けない。疲れたら早めに寝る。体調が悪い時は運動を軽くする。何もしない日を予定に入れる。
これも立派な体力づくりです。
睡眠と免疫に関する研究では、平均睡眠時間が7時間未満の人は、8時間以上眠る人と比べて、風邪を発症する可能性が約2.94倍高かったと報告されています。
つまり、免疫のベースを整えるなら、運動だけでなく睡眠を削らないことも重要です。
40代からの体力づくりは、動くことだけではありません。
コンディションを戻せる生活を作ることです。
まとめ
40代でも「体力お化け」な人がやっていることは、特別なことばかりではありません。
免疫のベースを日常で整えているだけです。
風邪をひきにくい「守る体力」を作る。
座りっぱなしを減らして、活動量を戻す。
スクワットで、体を起こすスイッチを入れる。
追い込みすぎず、明日も続く負荷にする。
睡眠を削らない。
体力お化けとは、筋肉だけの人ではありません。
体調を崩しにくく、調子を落としても立て直せる人です。
40代からでも遅くありません。
免疫のベースは、毎日の習慣で整えられます。
まずは今日、1時間に1回立つ。
それだけでも、体力お化けへの一歩です。
参考書籍+オススメ資料
・『体力おばけへの道 頭も体も疲れにくくなるスゴイ運動』
澤木一貴/國本充洋/KADOKAWA
・世界保健機関「身体活動・座位行動ガイドライン」
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
https://x.com/hiroo_seitai/status/2074964001969312220





