15秒の動画が、数百円で作れて、SNSで爆伸びしてしまう。
しかも、すでにある動画に対して「この顔に差し替えて」だけで成立する。もはやアンパンマンである。

https://x.com/ChibaNyan_Music/status/2090748915272622439
きっかけは、チバニャンさんの「お前嘘臭ぇんだよスギ」がタイムラインに流れてきたことである。普通に笑った。そして笑いながら、僕は別のところに気を取られていた。
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顔が、最後まで崩れない。
今日は、いまAI動画界で何が起きているのかを整理してみます。少し長いので、後で見返したい方は保存推奨です。
いまAI動画で強いのは、TikTokの会社が作ったAI
この分野で、最近かなり強力とされているのが、ByteDance(TikTokの会社)の「Seedance」です。

ざっくりした歴史
- 2025年6月 初代が登場
- 2026年2月 2.0が公開。ここで一気に化けた
- 2026年6月 2.5を発表。7月末から使えるように
何ができるのか
顔写真を渡すと、その人の顔を保ったまま動かせます。しかも2.5では、参考にする画像を最大30枚、動画を10本まで一度に投げ込める。
動きも、カメラワークも、エフェクトもそのまま。人だけが入れ替わります。それでいて、5秒の動画で、だいたい数十円。
昔は「ディープフェイク」と呼ばれて専用ソフトが必要だったものが、普通の動画生成AIのいち機能になったということです。
ただし
他にもGoogleのVeo、中国のKling、AlibabaのWANなどが同じ領域を走っていて、順位はしょっちゅう入れ替わります。「絶対王者」がいる状況ではありません。
あのMVは何で作られたのか(推測です)
先に断っておくと、あのMVがどのツールで作られたかは公表されていません。 なので断定はしません。
そのうえで僕の見立ては、「Seedanceの可能性が高そう」です。

理由は2つあるのですが、
まず1つ目は、先に述べた通り「Seedanceが凄い」となっているから。そして2つ目は、実際に耳にしたから。
ちょうど一昨日、AIスタートアップの方とお会いした時、「アップデートされたSeedanceがやばすぎる」と言っていました。その後、実際に自分でも触ってみたら、確かにやばかった。時期的にもぴったり合います。
とはいえ、断定はできません。
(※調査したところ、チバニャンさんのMVの制作に関わっているとされる方は、他のAIも扱っているようです。なのであくまで推測として読んでください。)
経営目線で見ると、何が壊れているのか
映像制作の中で、MVは一番費用がかかる領域のひとつでした。ロケ、キャスティング、機材、編集。数十万から数百万が普通に飛びます。
それが、写真とプロンプトをカチ込んで数百円払うだけの時代が来ている。
そしてちょっと前に話題になりましたが、音声AIも異次元の成長を見せています。

https://www.oricon.co.jp/news/2456912/full/#google_vignette
有名な声優さんの声に、好きなセリフを言わせることができるようになってしまい、TIkTokなどで有象無象のコンテンツが蔓延り、日俳連が声明を出す事態となりました。
同じ速度で、守る側も動いている
ちなみに、作るのが速くなった分だけ、バレる仕組みと権利の整備も一気に進んでいます。
①国が線を引きはじめた
ついこの間、法務省が生成AIと肖像権について、現行の法律をどう当てはめるかの指針を公表しました。注目すべきは、顔だけでなく「声」も守られる対象だと明記されたことです。
②YouTubeに「自分の顔を守る機能」ができた
自分の顔が勝手にAIで使われた動画を見つけて、削除申請できる仕組みです。
- 2025年10月、YouTubeで収益化しているクリエイター向けに開始
- 登録には 身分証の画像と、自分の顔を撮った短い動画 が必要
- 承認まで最長5日ほど

ちなみに僕、先週これに登録したばかりです。ちょうど所属しているUUUMから連絡が来て、手続きを終えたところでした。
なお、検出されても必ず消せるわけではないし、AIじゃない普通の動画が引っかかることもあるとYouTube自身が認めています。完璧ではありません。それでも、「勝手に使われる側」も防衛しないといけない時代が到来しました。
まとめ:いま同時に起きている3つのこと
- 作るコストが、ほぼゼロに向かっている。 MVですら個人の手の中にある
- 顔と声は、はっきり権利の対象として固められつつある。 グレーではなく、相手が動けば消えるし責任も発生する
- その2つが、同じ速度で進んでいる。 作る武器が強くなると同時に、守る側の武器も配られている
とはいえ、「AIは危険だから使うな」でも「もう何でもアリ」でもない。しかし、AIの進化は加速する一方のため、経営者であれば、AIの最新情報はキャッチアップしておきたい。
……とまあ、真面目な話を長々と書いてきましたが。
元動画となる、8月10日に投稿された「INMU KING」。
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中身の紹介は控えますが、
このクオリティのMVをAIで作るのは、やりますねぇ!
(MVについては指摘しません。理由は、指摘してもバレるが、指摘しなくてもバレるからです)
僕は普段、株式会社OCTOPUSで企業のSNS運用と動画の顧問をやっていて、最近はAIを使った記事制作や動画制作の導入支援もしています。「自社でどこまでできるのか分からない」という方は、XのDMかinfo@kattu0403.comまで気軽にご連絡ください。
※本記事は2026年8月時点の情報です。AIのバージョンや料金は変動が激しいのでご注意を。特定のMVの制作ツールについては公表がないため、筆者の推測として書いています。
参照元:法務省「生成AIによるパブリシティ権侵害等に関する解釈指針」(2026年8月7日)/YouTubeヘルプ「類似性検出」/ITmedia NEWS(2025年10月22日)/TechNode(2026年7月31日)ほか





