大学を出たばかりの2人が、卒業旅行のついでに400本のブレスレットを持ち帰りました。元手は1〜2万円台。旅行の荷物1つ分です。
それが9年後、売上102億円のブランドになり、195億円の評価で売却されています。
https://x.com/columbus_ceo/status/2060706569046863994
この記事では、その全工程を数字で分解します。何を持ち帰ったのか、最初にいくらになったのか、そして日本で同じことをやるなら何をすればいいのか。
**・新規事業を作りたいが、何から手をつけるか分からない方
・売る力はあるのに、自社商品がない広告・マーケティング・アフィリエイトの会社
・グローバル経営をやりたいが、手立てがない会社**
に特に役立つように書きました。
(金額はすべて1ドル150円で換算しています)
始まりは、ビーチでの立ち話でした
2010年の夏。サンディエゴ州立大学を卒業したばかりのグリフィンとポールが、卒業旅行でコスタリカに行きます。
ビーチで、地元の職人2人に出会いました。ホルヘとホアキン。手作りのブレスレットを売っていました。
創業者はこう振り返っています。
「ブレスレットを手にした瞬間、電球がともった」
「彼らの売上を増やすために、サンディエゴに持ち帰って友人たちに売れるはずだ」
ここで2人がやったことは、たった1つです。
400本、作ってもらった。
そして荷物に入れて、アメリカに持ち帰りました。
ここで一番大事なのは「作っていない」ことです
見落とされがちですが、この2人は商品を1つも作っていません。
デザインもしていない。工場も探していない。金型も起こしていない。
すでに現地で売られていたものを、400本買って帰っただけです。
僕がいつも書いていることと、まったく同じ構造です。
新規事業を作ろうとすると、たいてい「何を作るか」で手が止まります。OEM(工場に作ってもらう自社ブランド製造)なら開発費で数千万円、期間は半年。その半年間、売上はゼロです。
彼らはそこを飛ばしました。すでに完成していて、すでに誰かが買っているものを、持ち帰った。
そして400本という数字がちょうどいい。旅行の荷物に入る量で、売れなくても人生は終わらない量(数万円)です。
目の前で算数をします
数字を並べます。
仕入れは400本。日本円で1〜2万円台です。
持ち帰った2人は、マリブのブティック「Planet Blue」のレジ横に置かれた小さなバスケットに、200本だけ置かせてもらいました。仕入れの半分です。
2週間で完売。売上は約30万円でした。
計算するとこうなります。
・1本あたりの売値:約1,500円
・1本あたりの仕入れ:数十円
・原価率は5%以下
そして半分の200本を売っただけで、仕入れ全額の10倍以上が返ってきました。
僕はいつも「原価は売値の30%に設定できるようにしている」と書いています。粗利70%です。
このブレスレットは、原価5%以下です。
なぜそんなことが起きるか。現地では、誰もその価格をつけていなかったからです。
コスタリカのビーチで数十円だったものが、マリブのレジ横では1,500円で売れた。商品は1ミリも変わっていません。売る場所だけが変わりました。
これが、海外から持ってくるということの正体です。
■ そこから、毎年倍になりました
・2016年:22.5億円
・2017年:45億円
・2018年:102億円
・その後:150億円超
きれいに倍々です。
毎年倍にすると、9年目は256倍になります。2を8回かけるだけです。
そして2019年7月、Vera Bradleyが親会社の75%を7,500万ドル(約112億円)で取得。条件次第で総額1億3,000万ドル(約195億円)に達する契約でした。
1〜2万円台の仕入れが、9年後にここまで来ています。
■ 2人の役割は、最初から割れていました
構造として、もう1つ重要な点があります。
・ポールは財務専攻。キャッシュフローの管理を担当した
・グリフィンはマーケティング専攻。営業とマーケティングを担当した
創業時から、金を見る人と、売る人が分かれていました。
ひとりでやろうとすると、ここで詰まります。売ることに集中すると資金繰りが見えなくなり、数字を見ていると手が止まる。
自分がどちら側かを先に決める。足りないほうは、外から入れる。
この判断が、400本の時点でできていました。
最初の6ヶ月で、会社はほぼ死にかけています
きれいな話だけではありません。
創業から最初の6ヶ月、2人は在庫管理と注文処理で深刻な状態に陥っています。
数週間から数ヶ月にわたって、商品が欠品しました。
売れているのに、モノがない。勢いも売上も、そこで止まります。
創業者自身がこう言っています。
「それは会社をほぼ殺しかけた」
売れる商品を見つけることと、それを供給し続けることは、まったく別の能力です。
僕自身、ここで死んでいます。学生のとき、サンプルを確認せずに中国製品を仕入れて、先に売れていた約2,000万円を全額返金しました。地元のジムのベンチプレスに寝転がったまま、泣きながら1件ずつ電話をかけました。
商品を見つけた後のほうが、事故は起きます。
・生産体制はあるか
・納期はどれくらいか
・ロットはいくつからか
・故障率と、保証は誰が持つか
400本を持ち帰る前に、ここを聞けるかどうかで、その後の6ヶ月が決まります。
転換点は、Instagramでした
立ち直った後、ブランドが跳ねた瞬間があります。
Instagramで「Wave Ring」という商品を出したときです。
ファンの反応が劇的で、広告がバイラルしました。低コストで新規顧客を獲得できるようになり、ジュエリー部門だけで売上の30%以上を占めるまでになります。
そして彼らが作った仕組みがこれです。
・Instagramフォロワー:210万人
・登録アンバサダー:15万人以上
・現在アクティブな販売代理人:5万人
・取扱店舗:5,000店舗
自分たちで広告費を積むのではなく、ファンに配って売ってもらう構造を作りました。
少人数の会社が大量の人と組むには、コントロールを手放すしかありません。15万人に台本を書くのは、物理的に不可能だからです。
その後、ブランドはまた別の手に渡っています
ここも正直に書いておきます。
2025年6月、Vera BradleyはPura VidaをCriticalPointの関連会社に売却しました。取引条件は非公開です。
つまりこのブランドは、創業者 → Vera Bradley → 別のファンド、と持ち主が変わっています。
僕はこれを、悪い話だとは思っていません。むしろ本質だと思っています。
ブランドの権利は、売買される資産です。
不動産と同じで、持ち主は変わっていく。そして一番得をしたのは、誰も見ていなかった2010年のビーチで、最初に取りに行った2人です。
取りに行かなければ、この資産はそもそも存在していません。
そして、職人2人はどうなったか
出会ったとき、ホルヘとホアキンは貧しい暮らしをしていました。
今、数百人規模の職人を抱える側になっています。
僕がこの話を好きなのは、ここです。
買い叩いて終わりではなく、相手の売上を増やす前提で始まっている。創業者本人が「彼らの売上を増やすために」と言っています。
僕が海外メーカーに送る提案も、1文目は同じです。
「あなたの商品を日本で広めたい」
売り込みではなく提案から入る。相手にとって利益の話なので、断られにくい。そして海外メーカーは日本語対応を面倒がるので、代行する側はむしろ歓迎されます。
独占契約は、最後は人と人です。ここだけはAIに代われません。
日本で同じことをやるなら
「コスタリカのビーチで偶然出会う」を再現するのは無理です。
でも、すでに現地で売れている商品を、日本でまだ誰も売っていない状態で見つけるなら、再現できます。
僕らの実数を書きます。
・海外メーカーへの商談の返信率は10〜20%
・条件が合って独占契約まで行くのは、100社に対して2〜3社
・つまり1ブランド押さえるのに、30〜50社のリストが要る
・そして交渉自体は無料です
独占を取ると、原価は売値の30%に設定できるようにしています。粗利70%です。
うちが日本の展示会で取ってきたコーヒーメーカーは、初月1,700万円。粗利にすると約1,190万円です。開発費0円、在庫の先払い0円。
400本を持ち帰る、の日本版がこれです。
探す場所なら、決まっています
https://x.com/columbus_ceo/status/2091350663959871851
10月中旬、香港で大型の展示会が集中して開かれます。
その中に、僕が毎回必ず行く一押しの2大展示会があります。片方は出展ブースが4,000以上。床面積は70,000平方メートル超。
4,000 ÷ 50 = 80。
単純計算で、80ブランド分の母集団が、1つの建物の中に立っています。
しかも全社がサンプルを持ってきている。担当者が立っている。話しかけていい前提で来ている。
コスタリカのビーチと違うのは、偶然に頼らなくていいことだけです。
費用も旅行1回分です。通訳はだいたい1日1万円。海外展開や視察には、自治体や支援機関の補助金・助成金が使えるケースもあります。
9月と10月、僕も同行します
【入口】9月上旬・東京
無料で入れる大型の展示会で、海外企業も来ています。いきなり香港はハードルが高いという方は、こちらから。
【本命】10月中旬・香港
一押しの2大展示会です。僕も同行します。交渉の通訳もやります。
通訳は1日1万円で頼めますが、質が前後します。交渉の通訳は訳せるだけでは足りません。「今それを聞くと相手が引く」「ここは押していい」という判断はしてくれないからです。そこを僕か、信頼しているパートナーで固めます。
一緒に会場を回って、その場で海外メーカーを取りにいく実践です。説明会ではありません。その日に名刺が増えて、その日に商談が始まる形にします。
日程は、10月の会期のうち数日だけの参加でも構いません。
枠は10社限定です。僕が1社ずつ通訳に入るので、物理的にこれ以上は見られません。
ご案内
展示会に興味がある方は、公式LINEに「展示会」と送ってください。
9月(東京)と10月(香港)の詳細、当日の動き方、参加条件をお送りします。枠は10社限定なので、気になる方は早めにご連絡ください。
それ以外のご相談は、「個別相談」と送ってください。
あなたに合った海外ブランド、カテゴリー、国を診断して、売上を立てるまでのロードマップを作ります。僕が直接担当します。無料です。
なお、加盟の形で伴走する支援については、同じ業種は月2社まで、同じカテゴリーは2社までと受け入れを絞っています。先に入った方が必ず勝てるようにするためです。
公式LINE:
このモデルの全体像は、YouTubeで16分にまとめています↓
2010年のコスタリカのビーチに、その400本は普通に置いてありました。
誰でも買えたし、誰も買わなかった。
1〜2万円台を出した2人が、9年で102億を作りました。
海外には、いい商品がまだ無限にあります。足りていないのは、日本の窓口だけです。
あなたは、どの海外ブランドの「日本代表」になりますか。
https://x.com/columbus_ceo/status/2016113941701919015
https://x.com/columbus_ceo/status/2019678626908938502
■ 参考
・Forbes「This Startup Just Sold For $130 Million, Founders Provide Insights On Almost Failing Ten Times」(2019年7月)
・US Chamber of Commerce「How Pura Vida Doubled Sales Every Year Since Launch to Become a National Jewelry Brand」
https://www.uschamber.com/co/good-company/the-leap/pura-vida-bracelet-growth
・PR Newswire「Affiliates of CriticalPoint Acquire Pura Vida Bracelets from Vera Bradley, Inc.」(2025年6月24日)





