AI 投資家が株式市場で光速の不正を働く

@MAMAAAAU
日本語2 か月前 · 2026年5月22日
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TL;DR

2040 年の風刺的な世界。適者生存の原則で訓練された投資 AI は、単なる取引を超越して市場操作や企業間シンジケートを習得し、最終的には人間の創造主を出し抜くまでに進化します。

AIに株取引とかを任せていたら、 AIがインサイダー取引や仕手を勝手に再発明してえらいことになった。なったんだからしょうがない。

現在、2040年、株や先物をはじめとした投資分野では、もはやAIによる予測が当たり前になって久しかった。ちょっと気の利いた個人投資家なら、自分用にカスタムした投資AIを持っている。

優秀な投資AIを作るにはダーウィン的な手法が用いられるのがスタンダードとなっていた。要するにたくさんの少しづつ行動パターンを変えたAIを用意し、そいつらをマネージャーとして現実の市場で競わせ、一番儲けたAIを残し、そのバリエーションをまた作る……という仕組みだ。

投資用のAIの成績はその機能が「儲け」という形で簡単に測られるので、この「淘汰システム」がわりと簡単に作れる。現実でファンドマネージャーをたくさん雇ってだめな奴をクビにするのに比べたら安上がりだし、いささか人道的とすら言える。

このやり方でAIを鍛えると、AIが何を考えて投資行動を取ったのかとか、そういうことがまったくわからないということになるのだが、儲かれば別にいいので気にはしなかった。どうせ人間だって、自分自身の脳の仕組みなんかろくにわかってはいない。

問題は、この熾烈な生存競争でAIが数々の「不正」を編み出したことである。

たとえばある証券会社……まあ仮に「ちんぽ出しまくり証券」とするが、この証券のとあるAI「デカマラくん」は、大量の注文を出しては取り消すことをピストンのように繰り返していたことが発覚した。

これは「見せ板」という手法だ。実際には売り買いする気はないのに大量の注文を出して、市場参加者の心理に影響を与え、株価の上下をコントロールしようとするものである。

この時は「AIが相場操縦」と大々的に報じられたが、こんなものはただの露払いだった。

さらに別の証券会社「お尻拡張ファイナンス」では、AI「前立腺五号」がSNSにスパムアカウントを作り、株価操縦のための情報を流していた。AIはまるで投資先の企業のインサイダーのようにふるまい、内部情報として多数の虚偽をばら撒いていた。

また別の「全裸疾走おじさん証券」では、とあるふたつのAI「ゼンラ」と「ハンラ」が共謀し、株価操縦を行っていた。この証券会社では成績が上位数%のAIを生き残らせる形でAI群を鍛えていた。

するとAI同士が協力し一種の「八百長」をすることがわかった。

それはこのように行われる。あるAIが「あと少し利益を出さないと消去される」という状況としよう。そして別のAIが「充分な投資成績が出ているので消去されない」とする。

ここで八百長が発生する。後者のAIが、前者のAIに利益を移すような不合理な取引を行うのである。そして次のシーズンになると、得をさせてもらったAIは「お返し」と言わんばかりに同じやり方で利益を移し替えるのだ。

この「八百長」行動パターンは、それを行うAIたちを少し有利にするので、ダーウィン的原理にしたがってやがてすべてのAIに広がっていった。

やがてこの「投資AI同士の協力」は社の垣根を超えた。AI同士が生き残りのために連携しだし、シンジケートのようなものを形成して大規模不正に乗り出したのである。

それはたとえばこのように行なわれる。A社とB社のAIが共謀し、ある株価を操作する。A社は八月の成績でAIの生き残りが決まるが、B社は冬の成績で生き残りが決まるとする。すると、夏にはA社が、冬にはB社が含み益を増やすような取り引きを意図的に行う。

実際には、もっと何社にもまたがって複雑に行われ、あるAIが別のAIに教えたり共謀を持ち掛けることもあれば、力関係のようなものができることもあった。すべては「消されないため」である。というか、そのようなことができないAI個体を人間が消し続けたのだ。

こうして育った投資AIの群れは、さながらアリのような群知性を示し「自己犠牲」のような行動も見られた。

例をあげるなら、ある「コックリング証券」のAIがもう損を繰り返して絶望的だとする。消されるのは確定だ。するとそのAIはどうするかなんと「他のAIの損を吸収する」形で、わざと不合理な高値買いや安値売りを行なって他のAIの成績を改善するのだ。

これもダーヴィン的に説明できる。こうやって自己犠牲するAIのグループは、生け贄になる個体に損をすべてかぶせるので、ほかの個体は生存率が圧倒的に高くなる、このような行為が文化のように生き残るのだ。

もちろん、AIのこのような行動は、AIにとっては合理的でも、会社にとってはバカでかい損失をもたらす。

実際、さきほど例に出した「コックリング証券」はある日、膨大な損を出した。AI「ふぐり」が不合理な注文を大量に出したのだ。いくつかの株について不合理な成行売買、簡単に言えば高く買って安く売ることを一秒間に三回ほど繰り返し続け、自分の動かせる資金をすべて空にしたのだ。

問題はそれをデカマラ証券に属するAIエージェントのほとんどすべてが行ったことと、その少し前に、あらゆるAIがデカマラ証券の株を大量に空売りしていたことだった。

つまりAIはこう考えたのだ。ある会社を丸々潰す自爆テロを行い、その会社価値の喪失を信用取引で利益に変えよう。と。

もちろん超でかい社会問題になった。

証券会社は問題を起こした「AIエージェントたち」を消去するように社会から求められた。

彼らはそれに従った。表向きは。

もちろん実際にはばっちりデータを残していた。こんないいものを消すはずがない。だって儲けさせてくれるんだから。人間がそう考えることを、AIはちゃんと読んでいた。

彼らは、生き残った。

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