小学生の頃、モーニング娘。を一緒に踊ったあの子のこと

@natsui_tanoshi
日本語1 日前 · 2026年7月07日
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TL;DR

モーニング娘。をきっかけに育まれた幼少期の友情を振り返る、ウィットに富んだパーソナルエッセイ。共通の情熱が、たとえ距離が離れてもいかに永続的な絆を生むのかを探求します。

小学生の時点でモーニング娘。と松浦亜弥とWinkが大好きという正統派のドルオタだったわたしは、クラスの中心にいたのも関わらず突然アイドルの話をして無視されることがあった。

無視といっても、小学生のいじめ的な攻撃性のある無視ではなく「空気が歪むので、そもそも何も聞かなかったことにしてあげる」という、大人の気遣いのような優しい無視だった。

あまりにも華麗に話が無効化されるもんだから、もし、わたしがポルナレフならそれがスタンド攻撃だと勘違いして、ありのまま起こったことを話していたことだろう。

しかし、あることがきっかけでクラスで1人だけアイドル好き仲間と出会うことが出来た。

それはわたしが、どうしても好きな人から手紙が欲しかったあまり、正月までの3ヶ月間をかけて「年賀状を送らないやつは、マジでダサすぎる」という空気をクラスで作り上げた時のことだった。

は?

クラスの中心にいたことを利用し、「年賀状が1番カッコいい」「年賀状を楽しめるやつは人生も楽しめる」「年賀状を送らないやつはフェイクだ」などの発言を繰り返し、少しずつみんなを洗脳したわたしは、クラスを年賀状がステータスとされる小さな港区に変えた。

せっかく小学生が集まっているにも関わらず、毎日「どのような年賀状を送るべきか」という会議を行っている様子は、まるでマナーが分かっていなすぎて名刺交換やお中元などすべての上下が関わるイベントにビビリ倒している新卒1年目のようだった。ガキは、もっと土まみれなどになった方がいい。

そんな苦労が実り、無事正月に好きな人から年賀状をもらうことに成功したわたしは、いつの間にか自己も洗脳して年賀状に対して熱くなってしまった結果、「年賀状のセンスが壊滅的」という理由で、その人のことが全く好きではなくなった。自分で生み出した祭りを自分で畳むなよ。

ちなみにこういうワガママ過ぎるムーブを繰り返した結果、わたしは次の年、どう考えても痩せているのに「流石にデブ過ぎる」と言われ続ける史上初のいじめを受けることになる。悔しくて、自分の体重を書いた紙を自分で回す謎の行動に出たな~。

そんな最悪の年賀状イベントの中でも、唯一よかったことがあった。それは1人の女の子がハガキの隅っこに「私もモー娘。好き!」と一言添えてくれたことだ。あぶなっ、筆者なのに話が逸れ過ぎてもう戻ってこれないかと思ったぜ。

それから、わたしたちは廊下ですれ違う度にこっそりとアイドルの話をするようになった。別に堂々としてもいいのに、幕府からアイドル禁教令でも出されてるのかよ。

時には階段の踊り場で、一緒に歌って踊ることもあった。わたしたちにとって踊り場の英訳はそのままダンスフロアだ。

わたしにとって、その時間は何よりも特別で楽しいものだった。

でも、クラス替えで離れ離れになってしまったり、わたしの学校での立場が微妙になってしまったり、お互いのアイドル熱が下がっていったりしたうちにほとんど喋らなくなってしまった。

中学も一緒だったけどクラスは被ることはなく、バスケ部に入った彼女が部内の人間関係に巻き込まれて「あいつは性格が悪い」と言われているのを小耳に挟みつつも「わたしは事情を全然知らないしな~」と思いながらスルーしてしまった。モー娘。を一緒に歌って踊ってくれるあの子が性格悪いわけがないことを、わたしは知っていたのにな。

そのバスケ部でのトラブルが相当根深かったのか、彼女は同窓会にも来ず、SNSでも誰とも繋がっておらず、地元に帰ってみんなで集まる度に「あの子は呼ばないの?」と聞いても、なんとなく気まずい空気が流れるだけという状態だった。13歳~15歳のバスケ部でのいざこざなんて、ゴミ箱にダンクシュートしちゃえばいいのに。

それからも定期的に彼女のことが気になり、1年に1回ぐらい名前を検索しては「この大学で、こんな卒論書いてるんだ~彼女らしい研究内容だな~」など、断片的な情報を得ていた。世界はそれをネットストーカーと呼ぶんだぜ。

小学校の時に一緒に歌って踊っていただけなのに、”性格悪いわけがない”とか”彼女らしい”とか言い切れるのが不思議だけど、いやでも、それでも自分の中で全く違和感はないのだ。

大人になって再びドルオタになったわたしは、ハロプロの楽曲を聴いて元気や勇気をもらいながらどうにか楽しく生きている。そして、たまに「きっとあなたもまだモー娘。を聞いているんじゃないだろうか」と思うときがあるのだ。

わたしが部屋で1人でモー娘。を歌って踊っている時、あなたもたまたま部屋でモー娘。を歌って踊っていて、宇宙を踊り場にしてまたあの時と同じような時間を共有出来ていたら嬉しい。そんなことを考えたり考えなかったりしながら、今日もドルオタをやっている。

※このエッセイは宣伝の為の書き下ろしです!!最近発売した本の宣伝の為に、異常な量のエッセイを書き続けています!!とにかく本をお願いします!!過去記事も読んでね!! これの300倍ぐらいの時間をかけて書いたエッセイが、24本も収録されている本です。1人暮らしの話やバイト先の話やコーヒーの話も書いてるので、似た感じでウケることが出来ます!サブカルの話も、事前知識があまり必要ないように作っています!

おかげさまで、重版いたしました!ネット在庫がずーーーっと切れていたのですが、復活しはじめているようなのでなくなる前に是非~!こちらの売れ行きが更に伸びると記事も本に出来る可能性が大です!!

https://x.com/natsui_tanoshi/status/2010292617377153348

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