という視座の低い言説が散見されるため、またしてもリーマンショックおじが記事を書く
湾岸タワマンペアローンは破綻しない
いつもの記事「世帯年収1500万円のパワカが、1.5億円のタワマンをペアローンで買って、金利が上昇すると月々の支払がXX万増えるんです!給料だけじゃまかなえない!破綻です!」
冷笑系ツイッタラー「やったああああ!!!!ざまあああ!!!」
最近の(私の?)Xのタイムラインです。
本当に記事のようなことが起こるのか。どんな属性の人たちが買っているのか。その人たちは金利上昇の影響をどれくらいうけるのか。
そろそろ現実を直視するころなので、詳しく見ていこう
「すごろく組」という成金
凍るに狂うと書いて凍狂。そこには独特の富裕層がいる。
ここに興味深いデータがある。かの有名なHARUMI FLAG初期購入者の属性データである。
それを見てみると、中心は30〜40代。会社員が半数を超え、会社経営者・役員が27.5%。そして何より興味深いのが、購入者の約6割が「買い替え」だったことである。
この少々古いデータを見ても、ゼロからいきなり高額なタワマンを買っている人は実は少数派だということがわかる。
6000万円で買った豊洲のマンションが9000万円になった。
9000万円で買った勝どきのタワマンが1億4000万円になった。
それを売って、次は1億5000万円。
また値上がりして、今度は2億円。
サイコロを振るたびにマスを進むように、都心でマンションを買い替えながら資産額を膨らませてきた。
これが「すごろく組」である。
普通に会社へ行き、子どもを保育園へ送り、住宅ローンを払っている。
しかしその裏で数億の資産を持っている。
これが実は「湾岸タワマンを買っている人間の正体」である。
近年の都心マンション購入者調査でも、この傾向は確認できる。
2023年の都心9区マンション購入者の調査では、金融資産1億円以上を持つ世帯が多く、購入できた人と断念した人との差は、所得より金融資産の方が大きかった。(※日本住宅総合センター)
そうなのである。そもそも「世帯年収」という給与所得フローだけで物事を見ている人たちの視座が狭いと言わざるを得ない。
住宅ローンというレバレッジ
もう少しこの成金どもが実のところ何をやっていたのかを見ていこう。
例えばこうである。
資産0円の夫婦が、5000万円のマンションをフルローンで買う。
そのマンションが1億円に値上がりする。
そのときにまた同等クラスの1億円のマンションを買い、自宅を売却して1億円を手にする。
このバランスシートの変化はこうだ。
①資産:キャッシュ0円、自宅5000万円 負債:住宅ローン5000万円
②資産:キャッシュ5000万円、自宅1億円 負債:住宅ローン1億円
①->②へ移行することによって、5000万円のキャッシュが手に入っている。
このキャッシュを例えばオルカンに投資するのである。
つまりわかりやすく言うと、彼らがやっていたことは住宅ローンを1億円借りて5000万円を株式に投資していることになる。
「何をやっていたのか?」の答えを言うなら、低金利の住宅ローンを借りたレバレッジ投資である。
自宅の含み益と住宅ローンという2つのシステムを組み合わせた魔法だ。
「株式投資するから金貸して!!」で個人に金を貸すアホな金融機関はこの世に存在しない。
しかし、このシステムを使えば1%以下の低金利で投資する金を貸してくれたのである。
そしてこのレバレッジ投資は大成功を収めたということはオルカンと不動産価格の上昇を見ればアホでもわかるだろう。
今適当に自分が例で上げた夫婦も、実在するならば億単位の資産を築いているはずである。
そうなのだ。このすごろく組はすでに億単位の資産がある。
彼らに言わせれば、世帯年収がいくらかなどどうでもいいだろう。
勝ち組であり強者である彼らが、破綻することなどありえないのである。
強者にとっての金利上昇
強者には選択肢がある。
先ほどの夫婦の例を見てみよう。
オルカンはここ2・3年で2倍になった。
5000万円のキャッシュは今や1億円の投資信託となっている。
そして1億円の住宅ローンがある(一切返済してないとして。ありえないけど)
ここで「住宅ローンを返済する」という選択肢が生まれる
この夫婦が「住宅ローンを一括返済する」という選択肢を行使するかどうかの判断材料はなんだろうか?
それは金利と利回りの差である。
1億円の住宅ローンの金利と、その1億円を運用して得られる利回りの差である。金利が利回りを上回れば、返した方が得になる
住宅ローン金利が0.3%とかだった時代を考える。無論このころは国債の利回りもほぼ0であった。
つまり例えレバレッジを効かせて低金利で借金できたとしても、株式などのリスクをとった運用が必要だった。
しかし今の状況(2026年9月)は違う。
個人向け国債の利回りは固定5年で2.24%である。

変動金利の最安値は0.99%である

税金を考慮しても0.7%ほどのプラスである(+住宅ローン控除等のもりもりの優遇がある)
この金利上昇は、タワマンパワーカップルのほとんどにおいて、現状はまったく大きなマイナス影響を及ぼしていない。
むしろ現在の状況では「リスクをとらなくていい」という点においてプラスとまで言える。
「住宅ローンの金利上がったらマイナスじゃん!」
それはそうである。しかしそこには返すという選択肢がある。
そう、彼らには常に選択肢があるのだ。
そして、この「すごろく組」の成金が破綻するとしたら、その選択肢を間違えたときのみである。
みなが気にする「世帯年収」という数値は、単に「月1で払わなければいけないキャッシュの流動性」という問題の1つでしかない。
そして、選択肢をもつ強者にとって。金利上昇とは、「借金を返すか、運用を続けるか」の判断材料にすぎない。
逆に言えば選択肢さえ間違わなければ破綻はしないのである。
弱者にとっての金利上昇
強者には選択肢がある。つまり逆を言えば、弱者にはない。
物価が上がる。
家賃が上がる。
金利が上がる。
上がり続ける変動金利に対してローンを返すという選択肢はない。
そもそも金利上昇下ではローンの余力も減り、買うという選択肢もない。
借地借家法で守られた今の安い家賃を捨てて別の賃貸へ引っ越すという選択肢すらない。
運用する資産もない。
100万円で固定5年を買っても年2万。小遣いにもならない。
反面、2億円をもっているとしたら。
年間400万円の収入である。
昔は2億円あったとしても400万円のキャッシュフローを作るにはリスクテイクが必要だった。
「金利のある世界」ではそれすら必要ない。
銀行か証券会社に勧められたまま、何のリスクもとらず、何の勉強もせず、家で寝ていて年間400万円手に入る。
キャバクラの平均年収は400万円である。
(※参照:https://x.com/dkcrypto1/status/2045070355623280774?s=20)
大学新卒の平均年収も400万円である。
若さと品性と健康を売って年400万。
大学まで勉強して毎日満員電車にゆられ8時間労働をして年400万。
かたや寝てて年400万である。
タワマンパワーカップルを笑っている余裕が「金利のある世界」にあるとは思えない。
人生を選べ
**
「すごろく組」の勝利も選択の結果である。
「あんな埋立地のマンション買うやつはアホ」
「東京オリンピック終了で東京のマンション暴落」
「住宅ローンは借金、持ち家は負動産」
「湾岸タワマンは供給過剰で大暴落」
これらは盛んに2010年~2020年に言われてきたことである。
(※湾岸供給過剰説だけは説得力はあった。その他は小学生並の感想だが。筆者もその説を信じて買えなかった。しかし実際は需要が大量供給を飲み込んだ)
今でいうところの新築マンション買い煽るマンクラ(笑)のような人たちはほとんどいなかった。
そのころに、不確かな言説に惑わされず、住宅ローンというリスクを負い、湾岸タワマンを買う選択をしたものが「歩」から「と金」となった。
今から彼らの真似をして、彼らのようになれる確率は高くない。
どの選択が正しいか、それがわかれば誰も苦労はしない。
しかし「インターネッツの架空のタワマンパワカ破綻話に大喜びしている冷笑系ツイッタラー」に多くの選択肢は残されていないだろう。
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人生を選べ!死ぬその日まで





